ままごとのめしもおさいもつくしかな ほしのたつこ
「ままごと」の映画を見た。大人の「ままごと」だった。お婆さんがいる。おとうさんがいる。お母さんがいる。娘がいる。男の子と幼い女の子がいる。そんな家族の「ままごと」遊びの映画だった。画面を見ていると心の中に温かい思いが満ちてくる。お伽の国の家族の「ままごと」遊びの物語だった。テーマは愛と絆。愛とはやさしさ、絆とは思いやりだと教えられた。
「ままごとのめしもおさいもつくしかな」。
野原に出る土筆を摘んで「ままごと」の飯のおかずにするように街のスーパーからお菓子を、果物を洗濯石鹸を盗んでくる。大人の「ままごと」は犯罪である。犯罪であるがゆえにこの家族は破綻する。お伽噺は現実にぶつかり目が覚める。
このお伽噺にある真実は現代日本社会にある冷たさである。我が子を殺す父親がいる。母親がいる社会の現実を表現している。
映画の題名は『万引き家族』監督・是枝裕和。