徒然草132段 『鳥羽の作道は、』
原文
鳥羽の作道(つくりみち)は、鳥羽殿建てられて後の号(な)にはあらず。昔よりの名なり。元良親王(もとよしのしんわう)、元日(ぐわんにち)の奏賀(そうが)の声、甚だ殊勝にして、大極殿より鳥羽の作道まで聞えけるよし、李部王(りほうわう)の記に侍るとかや。
現代語訳
京都市下京区九条の四つ塚から上鳥羽・下鳥羽に通ずる大道は、鳥羽殿が造られて後の名称ではない。昔からの名称である。元良親王(もとよしのしんわう)の元日の奏賀(そうが)の声が甚だ殊勝にして大極殿より鳥羽の作道まで聞えけるという。李部王(りほうわう)の記に書いてあるとか。
「公金私物化は「桜を見る会」だけじゃない!? 安倍家の故郷、日本海側の過疎地・長門市を貫く巨大橋梁「安倍道路」! 下関市では安倍関連企業が次々に公共事業を落札! 」2019.12.6 iwj
(取材・文:ジャーナリスト横田一)
安倍首相主催の「桜を見る会」へ自身の後援会850人を招待したことで「公的行事の私物化」「税金の流用(目的外使用)」といった批判が噴出している安倍首相(山口4区)だが、地元への公共事業優先的配分もまた不公平なアベ政治の一つといえる。
山口県内を東西に横切る高速道路には「山陽自動車道」と「中国自動車道」があるのに、三本目となる「山陰自動車」(山口県下関市〜鳥取市)が建設中など、他の地域に比べて突出したインフラ整備が進んでいるのだ。
しかし日本海側の過疎地域を通る「山陰自動車道」は費用対効果が低く、山口県内の全長115キロのうち、開通区間は「萩三隅道路」(長門市~萩市)と「俵山道路」(長門市)の20キロのみ。残りの約8割の90キロ以上で建設が進まなかった理由は、安倍家の故郷・長門市を走る「安倍道路」とも呼ばれる両区間(萩三隅道路と俵山道路)を走ると一目瞭然。一帯は人口も交通量も少ない山間部で、巨大な橋梁やトンネルが続くため、建設費は20キロ強で約950億円(キロ当たり約46億円)にも達する。
安倍首相は長門市で「山陰自動車道は必要でしょうし、インフラ整備、基礎的な基盤をつくっていくも政治家の大きな使命」と公言したが、未開通区間95キロを建設するために推定で4千億円以上の税金投入が必要になるのだ。
「安倍道路」から開通した山陰自動車道だけではない。安倍首相の地元・下関と麻生太郎財務大臣の地元・福岡県北九州市を結ぶ「下関北九州道路」(第二関門橋)の別名は、「安倍麻生道路」。
参院選で落選した塚田一郎・元国交副大臣(新潟選挙区)が忖度をして調査費をつけたことで一躍有名になったが、推定総事業費は橋梁で約2000億円、関連道路を入れると約3000億円にも及ぶ。「山陰自動車道全面開通」と「下関北九州道路」の両事業をあわせて7000億円以上の税金が投入されようとしているのだ。
安倍首相が就任以来、山口県の公共事業は膨らみ続け、2016年には民主党時代の3倍、全国平均や人口が倍異常の隣の広島県を大きく上回っている。