out of curiosity #3

ブログを始めて14年目。
カメラを抱えて世界中の山に出没したい~!

ピレネー山小屋縦走 #15 ~Gracias! Espana!~

2018-08-27 12:00:00 | 2018 ピレネー山小屋縦走

2018年7月31日(火)
サグラダファミリア 生誕のファサード
イエス誕生のシーン



 フランスからスペインへと越えていったこの旅行もいよいよ最後の朝です。 トルラのホテルで山登りの道具を全てスーツケースに詰め込み、帰り支度もほぼ終わっていたので、ゆっくりと眠り、美味しい朝食をいただき、専用バスでホテルを後にする。 最後まで良い天気だ。
 この日は午前中に楽しみにしていたサグラダファミリア見学、そしてお昼ご飯を食べて空港に向かい日本へ飛び立つ。 バルセロナ空港へは一時間とかからないような場所なので、最後まで観光でゆっくりなのはなんともうれしく、得した気分。

 サグラダファミリアへ向かう前に、ホテルの目の前に見えたモンジュイックの丘へ寄ってくれた。 美術館のある見晴らしの良い所からは奥にサグラダファミリアが見える。


正面には滞在したホテルが見える。 ここがバルセロナの街。
Like a jewel in the sun
Viva Barcelona
離れがたい気持ちで、心の中で歌っていた。

バスはオリンピック施設の辺りを通り抜け、街に入ってゆく。
遠くにクレーンの乗った尖塔が見えてくるとなんだかすごくドキドキした。


少し離れた通りでバスを降り、サグラダファミリアまで歩いた。
信号の交差点の向こうに本物がそびえたっているのは何とも不思議な気持ちだった。

同時に、ここでも現地ガイドさんからスリには要注意!、のお話。
敵は入場料を払って、やる気満々で待っています。 お金を盗めば「神のご加護」と思う人たちです。
とのお話。 説得力あるわぁ~。
ザックは体の前に掛けて、カメラを両手で持ってザックを挟み込むような態勢で臨みます。


まずはガウディ広場から望むサグラダファミリア。


天気が良く水面に映った風景をついつい撮ってしまう。
逆さ〇〇が好きな日本人です。(^^;)


完成までに300年を要すると言われた建設ですが、技術の進歩などにより半分ほどに短縮され、
それでも完成予定は2026年だそうです。
しかし、2010年ローマ法王のご訪問のおかげで、礼拝堂内部は完成された姿を見ることができました。
まぁ、イメージ的にはクレーンを含めてサグラダファミリア、という感じ。


東側の入り口には「生誕のファサード」
イエス・キリストの生誕にまつわる様々な彫刻が施されています。
さらにとても細かな彫刻の一つ一つ、鳥、昆虫、木、花、実、などそれぞれに、もちろん意味があるのです。


ちょっと異質な中央の木は糸杉で、「生命の木」と呼ばれているそうです。
緑が変わることのない常緑樹の糸杉は永遠の生命の象徴、そして神に仕える白い鳩が飛び交っています。


中央一番下にイエスの誕生シーン。 その上段にはそれを祝福する天使たち。
周囲で楽器を演奏している天使たちは日本人の専任彫刻家、外尾悦郎氏が手掛けたもの。
中央上の方にはベツレヘムの星かな。 そのすぐ上に受胎告知を受けるマリア。


さらに上の方には戴冠を受けるマリア。
マリア様の周囲を縁取る岩屋のような奇妙な形の岩が生誕のファサードのあちこちに見られます。
またサグラダファミリア自体が岩山のようにも見えます。
これは私たちが前日に訪れたモンセラットにガウディが大きな影響を受けていたからだと言われています。


先ほどの楽器を演奏する天使の下には東方の三博士。

生誕のファサードから建物内部に入ると、完成された礼拝堂を見ることができます。
が、そちらは後にして礼拝堂を通り抜け、西側の出入り口に向かいます。


そこは「受難のファサード」
こちらは「生誕のファサード」とはすべてが対象的な印象。
装飾が見られず直線的。 イエスの最後の晩餐からイエスの埋葬までにまつわるシーンが見られます。


彫刻は、イエスがゴルゴダの丘に上る際、つづら折りの道を歩んでいったことから、
正面左端から右へ→左へ→右へ、というように見てゆくとエピソードをたどれます。


写真奥にはユダがイエスに接吻して合図を送り、反イエスの兵士が今まさにイエスを捕らえようとしているシーン。
そして、入口正面中央には捕らえられたイエスがむち打ちをされるシーン。
ひとつ前の写真には、入口上部の十字架よりさらに高い所に、天に昇り神となるイエスの像が見られます。


礼拝堂内部です。
とても高い天井、空に伸びるような白い大理石の柱が印象的です。
途中で枝分かれしたこの柱は木々を現しているのだそうです。
上部には葉が生い茂るような装飾も施されています。


ガウディはこの礼拝堂内部を、自然の森の中で心安らかに祈ることができるような場所、にしたかったそうです。
建設当初資金難に苦しんだガウディは夢半ばにして交通事故で亡くなるのですが、
その時これほどまでに世界各国からこの教会を見に人々が訪れると想像していたでしょうか。


内部は美しいステンドグラスに彩られています。
陽の向きが変わるごとに、日中は緑茂る森の中にいるような光。


午後から夜には日が暮れてゆく森の中にいるような光、
が礼拝堂に射しこむよう考えられています。


その様な光が白い木々を模した柱に映りこむ姿は本当に美しく、時間を忘れるほどです。

この中で、まだまだ見るべきもの、考えるべきことはたくさんあるのですが、
観光旅行者は時間になったので次に向かいます。


バスに乗りカサ・ミラなどを眺めながら港の方に向かいます。


レストランの予約時間まで少し時間があったため、海岸の方に歩いてみます。
ここは熱海のように人工のビーチですが、たくさんの人たちが憩いと日差しを求めてやって来てます。


ピレネーから地中海までやって来ました。 一応標高0メートルの水面に触れてみる。
ご高齢のお姉さまたちもみんなビキニ。 お孫さんを両手に引いてトップレスな方も。w


さて、お昼ご飯です。 スペイン名物パエリア。 
と言っても、やはり地方に寄っていれる具材、お米の種類、サフランを入れるか、入れないか、など違いがあるそうです。
この大皿を見せてくれてから、お皿に盛ってサーブしてくれます。
魚介類がおいしいのは日本人にはうれしい。
お米はパサついていないタイプ、硬さもちょうど良くて、とても美味しくいただきました!


 食事が終わるとそのままバルセロナ空港へ。 往路と同じくドバイ~成田となりますので長旅ですが、映画をいっぱい見るのを楽しみに、あまり悲しい気持ちにならないよう、現地ガイドさんに手を振って別れました。

 2回目の山行海外旅行もこれ以上ない程のお天気と、各種状況に恵まれました。 自然の中での山行ですから、せっかく登っても霧や雲で大圏谷、大渓谷の壁が全く見えない、ローランの裂け目も見ることができずひたすら歩き、いつ国境越えしたのかすらわからない、ということだってあるのです。 それを考えれば本当に幸運な旅となりました。

 また、現地には訪ねるべき素晴らしい場所はたくさんあるでしょうが、初めてのフランス~スペインのこの旅行は私にとってどこも感動的! 移動時間、休憩時間、山行時間などの配分もとてもちょうど良かった。 都市部観光ができたのも良かった。 成田~ドバイ~バルセロナが長いのは仕方ない。 エミレーツ航空サービス良かったし、ドバイ空港は面白かった。
 ホテルは贅沢なくらいで、もう少し安宿でも良いくらいでしたが、長旅ですからシャワーでちゃんとお湯が出る、セキュリティがしっかりしている、のはやっぱり良い。 同じく山小屋も一人ひとつの布団をもらえるだけでありがたい。 景色は日本だってそうだが、山小屋に泊まって見られる景色はどこも最高だ! 食事も、私は何でも食べられるし、現地のものがいただけて、どこもとても美味しかった!

 そのような基本的な生活面だけでなく、ツアーリーダー、現地ガイドさんたちはみな良い人たちばかりで、さらにはご一緒いただいたツアーメンバーも皆さん良い人たちばかりだった。 山行の話、普段の話も楽しく、再び山をご一緒したいくらいだ。 10日間ご一緒するので、実はここが一番楽しく過ごせた原点だったかもしれない。

 個人的には高山病や、写真撮影がどれほどできるか、遅れを取らずに歩けるか、は最も心配なことでした。 到着した日の不調を振り返ると非常にダメな出だしでしたが、到着したホテルですぐに寝て回復できたことは本当に良かった。 その後は日々の適切な睡眠、運動、食事により、本当に快調な毎日を送ることができました。 これ、本当に大事ですね。
 撮影は私にとっては最も重要なことだったのですが、このようなツアーだとすごく撮影できるかどうかはツアーリーダーにもよるのかな、と言う気がします。 おそらく、撮影好きのツアーリーダーならみんなから遅れても一緒に撮影してくれます。 ただし、その後みんなに追いつけるほどの余裕は自分で持っていなければなりません。 皆に追いつけないほど時間を掛けて撮影していることはもちろんダメです。 が、ツアーリーダーによっては決してみんなから外れないで、と言う方もいらっしゃるかもしれません。 それは安全面を考えれば妥当なことです。 今回はそういう点でもラッキーでした。

 長い夏休みがとれる仕事のおかげで、行こうと思えばこのようなツアーに参加できます。 また、現在自分を含む家族も健康面で心配のないことは本当にありがたいことです。 それなくしては家を空けられませんから。
 そしていつも言っていることですが、そういう状況がいつまで続くかわからない、という歳になっています。 日本はもちろん素晴らしい国です。 が、違う国、人種、文化、自然に触れることは、人間にとって本当に大きな影響力を持っています。 できることならまた海外に出てゆきたい、と思っています。
 近年私の所に来る小、中学生がよく「海外なんて」と言います。 確かに海外は危険なイメージが強いのですが、安全を確保したうえで、若い人たちこそ海外を見て、影響されて、色々な考えを受け入れられる、困難にも乗り越えられる、人たちになってほしいな、と思います。
 なんだか話がそれましたが、おばさんも健康に注意して、またどこか海外に飛んで行きたいです!!
コメント (2)
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