2日の参議院予算委員会は、「一瞬、委員会室が静まり返りました。 昨年来、『いずも』でのF35B運用に関する報道が相次いでいましたが、『調査』の事実が初めて公になったからです」(「しんぶん赤旗」3月5日付より)
日本共産党の小池晃議員の質問に対し、小野寺防衛相が、次のように答弁しました。
「『ひゅうが』『いずも』型は現在、有人ヘリを運用しているが、運用していない有人の固定翼機や無人の回転翼機や固定翼機について調査している。 米軍が運用しているものとして、F35B、回転翼無人機としてMQ8C、固定翼無人機としてRQ29Aを調査している」
安倍首相に、小池氏が質問しました。
小池議員 「次期中期防衛力整備計画で、F35Bの導入を検討しているのか」
安倍首相 「導入を前提にしているわけではないが、『いずも』の拡張性についてさまざまな検討を行うのは当然だ。 危機が生じてから装備を導入するというのは泥縄式になる」
小池議員 「事実上導入を認める発言だ。 F35Bを検討対象として認めた。 これは重大だ」
「攻撃型空母」に該当する米艦船として、原子力空母に加え、F35Bの運用を開始している強襲揚陸艦があります。 今年1月佐世保基地(長崎県佐世保市)に配備された強襲揚陸艦ワプスは、全長253㍍で、「いずも」(248㍍)とほぼ同じです。 小池議員が「ワプスのような強襲揚陸艦なら憲法上保有は可能だということか」とただしました。
寺防小野衛相 「強襲揚陸艦ワプスが憲法に抵触するような攻撃型空母に該当するか否かについては、そのときどきの国際情勢を踏まえる必要がある」
「国際情勢」を軍備増強に、自衛隊と米軍との一体運用に都合よく解釈し、実行しているのが安倍政権です。
小池議員は「空母を持つ、巡航ミサイルも持つ、F35Bも持つ、安保法制を強行して、歯止めなき大軍拡をすすめて、『専守防衛』の建前さえ投げ捨てて、そして米軍と一体になって軍事行動を展開しようとしている。 こんな中で9条に自衛隊を書き込んだら、なんの制約もなく海外で戦争する国になってしまう。 絶対にこんなことは許されない」と強く主張しました。
「いずも」は、横浜市にある「ジャパン・マリンユナイテッド」(旧IHI)造船所で建造されました。 そして、自衛隊横須賀基地に配備されています。 在日米海軍司令部と海上自衛隊の司令部が横須賀に置かれています。
米軍横須賀基地は、米海軍唯一つの原子力空母の母港とされ、「いずも」は海自の横須賀基地を拠点にしています。 米軍の原子力潜水艦も頻繁に寄港を繰り返しています。 さらに、米軍はイージス艦を多数配備しています。 こうした状況の中で、「いずも」の空母化が現実になろうとしています。
厚木基地の運用にも大きな変化が考えられます。 沖縄とともに、神奈川県が戦争の最前線基地に組み込まれる危険性を強く感じさせられています。