宮応かつゆきの日本改革ブログ

●日本共産党
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公務員のあり方も問われる、”森友疑惑と文書改ざん事件”

2018年03月26日 | 憲法と民主主義

 明日、佐川宣寿財務省前理財局長の証人喚問が参院、衆院で行われます。 国民は佐川氏が真実を語ることを期待しています。 安倍政権の圧力が強くはたらいているだろうことは、国民は見通しています。 そうした中であっても、公務員の基本的な立場である「全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」(憲法第15条)ことを、この間の深い反省のうえに、正々堂々と示してほしいと思います。 

 元大蔵官僚、元財務相の藤井裕久さんが、「しんぶん赤旗」(日曜版3月25日付)紙上で、次のように語っています。

 「私も役人時代に決済文書を作りましたが、国民にとって大事な記録である公文書を、決済後に変えることなどありえない。 しかもその改ざんした公文書を国会議員に示している。 これでは立法府による行政府の監視が機能しません。 憲法に保障された民主主義が何重にも蹂躙された重大事態です」

 「私の経験からいっても、役人だけの判断で公文書の改ざんなどできるはずがない。 政治からの何らかの指示、サジェスチョン(示唆)があったとしか思えません」

 「安倍首相は昨年2月の国会答弁で『私や妻が関係していたならば首相も国会議員も辞める』と発言しました。 この発言が改ざんの”原点”です。 安倍首相夫妻が関係していたことは明らかで、首相には辞めていただきたい」

 元大蔵官僚の藤井氏の発言は、重みがあります。 私も旧大蔵省(現財務省)の現場である税関で働いてきました。 今回の事件で考えさせられることは、政権の近くで仕事している官僚やその組織が判断を誤ると、その尻拭いが現場に押し付けられ、犠牲者が出ると言うことです。 ほんとうに悔しく、怒りが収まりません。

 こうした事態を改革していくために大事なこととして私は、労働組合の存在と役割が大きいと考えています。

 公務の現場は、国民と直接関わる行政手続きの現場であると同時に政治政策執行の現場でもあります。 こうした職場で日夜働いている職員の労働諸条件の点検、改善要求を取り上げ、交渉で当局(政府)に解決を求めることは労働組合の重要な役割です。

 同時に、憲法の「全体の奉仕者」規定に基づいて、国民に対して公正で、平等な政策を執行する重要な任務が課されています。

 私も、現役時代に所属していた国家公務員労働組合連合会(国公労連)は、「全体の奉仕者」論について次のような見解を明らかにしています。

 「日本国憲法の施行が1947年5月3日、国家公務員法の成立が同年10月21日。 決して偶然ではありません」

 「天皇主権の明治憲法のもとでの公務員は、天皇に忠勤する『天皇の官吏』でした。 日本国憲法の施行で、主権者は国民となり、公務員は『国民全体の奉仕者』に変わりました(憲法第15条)。 その『質的な変化』に見合った民主的な公務員制度の整備が必要だったのです」

 「法科出身の文官高等試験の合格者が、天皇との距離を争う立身出世の競争に明け暮れ、トイレや食堂まで身分差別する『官吏制度』。 この一掃が、公務員制度整備の中核でした」

 「また、その目的を達成するために、労働組合の役割が確認されてきました。 憲法第28条に基づく労基本権が保障されたのは、『天皇の官吏の残り滓(かす)』を一掃することへの期待もあったのです」

 「しかし、めざされた公務員制度の民主化は、『1948年7月に労働基本権が剥奪され、1960年に上級甲種試験(現在のⅠ種試験)も『復活』するなどもあって、未達成なままです」

 「『もの言えぬ公務員づくり』に反対し、キャリア制度を告発する取り組みは、『全体の奉仕者』としての公務の役割を守る、護憲の運動の一つです」

 森友疑惑と関連決済文書の前代見聞の改ざん事件は、政治のあり方、行政のあり方、公務員のあり方、そして日本の憲法に基づく民主主義のあり方が根本から問われています。

 日本の民主主義を前進、発展させるために、この事件の徹底究明をその大きな出発点にしていくことが求められているのではないでしょうか。