前回の「統計のコツのこつ(39)」でご紹介した例題は誤解を招く恐れがありますので、言い訳みたいですが、説明させて頂きます。
統計のコツのこつ(36)~(39)までは、一元配置分散分析(ANOVA)における効果量の求め方についてご紹介してきました。
しかし、
例題は同一被験者の薬剤投与前後における値ではないか・・、だとすれば、これは「対応のある検定」を適用するべきだ・・、と言うことです。
すなわち、
各被験者の「投与前と投与後」の"平均値の差"ではなく、"差の平均値"が有意であるかどうかです(一般的には有意差の出やすい方法を採用します)。
しかし、
例題は同一被験者の薬剤投与前後における値ではないか・・、だとすれば、これは「対応のある検定」を適用するべきだ・・、と言うことです。
すなわち、
各被験者の「投与前と投与後」の"平均値の差"ではなく、"差の平均値"が有意であるかどうかです(一般的には有意差の出やすい方法を採用します)。
ごもっともですが、
この例題では、対応を考慮せず(前後の変化量=前後差を比較せず)に平均値差の検定と効果量の求め方をご紹介しました。
この例題では、対応を考慮せず(前後の変化量=前後差を比較せず)に平均値差の検定と効果量の求め方をご紹介しました。
対応する2標本の有意差検定については、
「すぐに役立つ統計のコツ」の「第3章:4.対応する2標本のの有意差検定(21ページ)」や「第7章:二元配置分散分析(100ページ)」、あるいは、「やさしい医学統計手法」(http://kstat.sakura.ne.jp/medical/med_016.htm)を参考にして下さい。
「すぐに役立つ統計のコツ」の「第3章:4.対応する2標本のの有意差検定(21ページ)」や「第7章:二元配置分散分析(100ページ)」、あるいは、「やさしい医学統計手法」(http://kstat.sakura.ne.jp/medical/med_016.htm)を参考にして下さい。
この様な誤解を避けるためにも、論文などでは「対応のあるt検定(Paired t-test)」と記載しておくと良いでしょう。
前回の「統計のコツのこつ(39)」では、効果量計算サイトで、
「2.Comparison of groups with different sample size(Cohen's d, Hedges' g)」
を選択しましたが、
「対応のあるt検定」を用いるときは、
「4.Calculation of d from the test statistics of dependent and independent t-tests」
「4.Calculation of d from the test statistics of dependent and independent t-tests」
を用いて下さい。
その結果は次の通りです。
***
Mode of testing [dependent]
Student t value [6.1052 ] # Paired t-test の値
n1 [6 ]
r [0.472 ] # 相関係数
Effect Size d [2.561 ]
Mode of testing [dependent]
Student t value [6.1052 ] # Paired t-test の値
n1 [6 ]
r [0.472 ] # 相関係数
Effect Size d [2.561 ]
なお、
「G*Power」から求めたPower(1-βerror prob)=0.997(99.7%)でした。
***
「G*Power」から求めたPower(1-βerror prob)=0.997(99.7%)でした。
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貴重なるご指摘に感謝致します。