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各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

医学と統計(50)

2010-08-03 10:19:10 | 日記・エッセイ・コラム

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3群以上のノンパラメトリック法における多重比較において、Steel's test は対照群とその対照群と比較される他群との対比較検定です。Steel's test はセパレート型Dunnett ( separate type )と言われています。
用量に依存する実験データでのノンパラメトリックでは、セパレート型Dunnett である Steel を用います。

次の脂肪食餌を与えた群との血清 Cholesterol (mg%) の仮想データで検証してみましょう。

data:括弧内()は順位
  無  投与群 [ 135(1), 156(2), 178(3), 202(4), 226( 6) ]
  中度投与群 [ 208( 5), 244( 7), 254(8), 273(9), 317(11) ]
  高度投与群 [ 277(10), 333(12), 353(13), 357(14), 370(15) ]

図1 MS-Exceによる方法(1)


例えば、「無投与群:中度投与群」の比較だと、それぞれの順位の平均を次により求めます(詳しくはExcelマニュアルを参照)。
 Rank-1:=RANK.AVG(A2,$A$2:$B$6,0)
 Rank-2:=RANK.AVG(B2,$A$2:$B$6,0)

 R1^2:=(E2-$E$9)^2
 R2^2:=(F2-$E$9)^2

図2 MS-Exceによる方法((2):計算方法

 

n(n1, n2), N:各群の個数とその総和
E9(aveN):=(D9+1)/2
R2:=SUM(F2:F6), =SUM(G2:G6), =SUM(H2:H6)
S :=C10+D10
V2:=B12/C12

t2(統計量):=ABS((E9-B10/C9)/SQRT(D12))

「中度投与群:高度投与群」の組合せについても同様に行う。

ダネットの片側5%点(α=0.05)は d ( 3, ∞, 0.05 )=1.9163、 両側5%点(α=0.05)は d ( 3, ∞, 0.05 )=2.2121 ですので、
Steel's test ( セパレート型Dunnett )では次のようになりました。Steel's test ( separate type Dunnett ):
---------------------------------------------------------------
検定統計量(t0)     中度投与群     高度投与群
    無投与群              2.4023             2.6112
---------------------------------------------------------------
ダネットの片側5%点(α=0.05)は、d(3,∞,0.05)=1.9163、ダネットの量側5%点(α=0.05)は、d(3,∞,0.05)=2.2121(Rho;ρの補正なし)ですので、
中度及び高度投与群ともに統計学的に”有意差あり”と判断されます。



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