◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

11月8日

2013-11-08 07:28:52 | Weblog
●小口泰與
冬耕や風のえぐりし岩襖★★★
北風に対い自転車懸命に★★★
夕暮れや赤城颪に対いゆく★★★

●小川和子
新しき朝よ聖なる山茶花よ★★★★
新しい朝が来て、山茶花が咲く。山茶花のきよらかなこと。季節の新鮮さが山茶花を「聖なる」と呼ばせた。(高橋正子)

風に乗りからからと舞う桜紅葉★★★
絹糸のごとき雨脚冬に入る★★★

●多田有花
よく晴れし冬の窓辺に鳥の声★★★★
気持ちよく晴れた窓辺はそれだけでも嬉しいが、鳥の声が聞こえればなお楽しくなる。鳥も冬晴れの天気を喜んでいる。鳥は友だ。

冬ぬくし薄き上着を脱ぎにけり★★★
冬菊やいま頂点に咲き誇る★★★

●桑本栄太郎
大根の味のしみ込む冬来たる★★★
バスを止め徒歩の家路や冬ぬくし★★★

散り頻る桜紅葉の落葉踏む★★★★
散る紅葉を惜しみつつも、色とりどりの紅葉を踏むちょっとした楽しさ。俳句だから言えるような心の内である。(高橋正子)

●古田敬二
木の実落ち三度踊ってから止まる★★★

落葉道桜欅と続きけり★★★★
落葉の降る道が、桜の紅葉、次に欅の黄葉と続いて、もみじの美しい変化が楽しめる。桜並木、欅並木と続いているのであろうが、はるか遠くへ続く道である。(高橋正子)

筋播きの大根芽生えやや曲がり★★★

●小西 宏
新しき風の匂いや冬初め★★★

篠懸の落葉踏み行き風の澄む★★★★
篠懸の落葉が続く道は瀟洒な風景だ。落葉を踏んでゆけば、風の澄む世界に入る。作者の目が澄まされたのだ。(高橋正子)

初冬の木立に細き夕の月★★★
コメント (2)
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