◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

11月29日

2013-11-29 07:58:57 | Weblog
●高橋秀之
冬の蝶風が吹くまま流れゆく★★★
紅葉散る大川沿いの並木道★★★★
「大川沿い」であるのがよい。爛漫の桜を咲かせた大川沿いも、紅葉を散らす季節となった。紅葉の散る大川沿いの桜並木もまた風情がある。
(高橋正子)
冬の朝遠くの生駒が近く見え★★★

●小口泰與
枯れ切って夕日透け行く薄かな★★★★
枯れ切ってこそ薄は白く透明感が増す。夕日に透けて枯れの美しさを見せている。(高橋正子)

虎落笛静かにさせよ赤城山★★★
声冴ゆる赤城の襞の迫りおり★★★

●河野啓一
日の中にひときわ明るし桐枯葉★★★★
桐の枯葉が、日差しの中にひときわ明るい。その明るさが季節の寂しさを救っている。(高橋正子)

山道を冬のドライブ県境★★★
冬彗星陽に近付きて砕けけり★★★

●桑本栄太郎
<京都四条大橋南座界隈>
四条大橋渡りまねきや京時雨★★★

顔見世のまねき高々あがりけり★★★★
南座の顔見世は、これから一年間興行をする役者の顔を紹介する興行。歌舞伎の新年のようなもの。そのまねきが高々とあがり、見るものの心を逸らせている。(高橋正子)

鴨川のしぶきか顔に時雨降る★★★

●川名ますみ
冬紅葉樹下の二人が三人に★★★★
立冬後の紅葉は、時雨などに傷められ、色もあわれ深さが見える。そうとは知らずか、樹下に二人が話しているのだろう。もう一人加わり話が弾むようだ。(高橋正子)

初菊の花瓶の側にパスタ皿★★★
パスタ巻く菊の花瓶と隣り合い★★★
コメント (2)
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