ah-面白かった
『心と心が出逢った季節は ah-面白かった』
吉田拓郎最後のアルバム、最後の楽曲、そして最後の歌詞です。このアルバムに込められているものは、吉田拓郎の回顧録のようで、時代時代に生きてきたありのままの心が曲に散りばめられている。だから、感謝の言葉や気持ちはモノトーンにして、「ah-面白かった」とアルバムタイトル通りを、貫き通しているように感じた。
アルバムには、拓郎に転機をもたらした「キンキ キッズ」も参加。出逢った瞬間から美の虜になった光一君にはジャケットのタイトル文字を、いつも静かな微笑みと平和をくれる剛くんには、編曲とギターのセッションを依頼です。
そして、圧巻・私の身体が止まったのは、「小田和正」によるアレンジ楽曲「雪さよなら」が流れた瞬間でした。拓郎の白い雪が、ロマンティック色に変わり気持ちがほっこりする感覚を、若かりし頃の心を思い出した瞬間でした。本人も『盟友小田和正・・・僕には発想出来ない小田ライクなボーカル・・・生涯の一作と・・・小田&拓郎コラボ・・・』
吉田拓郎の魅力の一つに群れない・友や仲間を求めない生き方がある。ある日の午後、小田和正のコンサート映像がテレビから流れていた。何気なくお茶をしていたら、「吉田拓郎さんを呼んできました」と小田和正の言葉が飛び込んできた。なんで小田和正、何時から仲良し・・・と、思考回路めちゃくちゃなまま画面にくぎ付けになった事を思い出した。拓郎70歳頃だったと思うけど・・・。吉田拓郎は小田和正の音楽を尊敬して、同年代の最後盟友だったんだと嬉しく納得です。
6月末、吉田拓郎引退のニュースが飛び込んできた。6月30日愛媛新聞地軸に「唄えぬお前に誰が酔う」の始まりで、吉田拓郎の記事が掲載された。昨日のNHK・ソングス「キンキキッズ」の番組でも拓郎とキンキの映像が紹介された。7月21日はTV最後の番組「ラブラブ愛してる」の番組が放映される。小さな一ファンとして、最後の勇姿を楽しみにしている。
吉田拓郎・最後のアルバムは、すべてオリジナル曲で終えた。全ての人々に伝えた言葉は『心と心が出逢った季節は ah-面白かった』と颯爽と締めくくった。私には、潔く、あっ晴れで、やったぜ!吉田拓郎様です。
地軸での作者最後に「転んで立ち上がる時人々の力になった歌がふと口をつく。今はまだ人生を語らず」と締めくていた。今日の私は「洛陽」を歌います。