劇場といえば、SEED FREEDOMばっかり見に行っていましたが、今日は珍しく別のものを見に行きました。
昨年アカデミー賞で7部門受賞した「オッペンハイマー」。
かもしたは、洋画はむしろ金ローとかで見るものばかりで、あんまり劇場まで足を運ぶことはないんですよ。「タイタニック」以来かな?
種自由の124分をはるかに超える3時間の上映時間!最後まで見ていると本当に腰が痛くなってきましたが、でも流石見ごたえ十分でした。
ネタバレになってしまうので、ストーリーはなるべく追わないようにしていきますが、少しだけ書き込みしますので、PCの方は反転してください。
オッペンハイマーは、史実の方で、あまりにも有名な「原爆の父」と呼ばれた物理学者です。しかも実験物理ではなく「理論物理」という、いわゆる「数式上での量子科学」を行い、その理論が原子爆弾・・・つまりは「核兵器」を産み出したわけです。
おりしも第二次世界大戦がはじまって、オッペンハイマーは元々はブラックホールの研究家だったにもかかわらず、マンハッタン計画(原爆開発)でロスアラモスという国立研究所の所長に任命され、そこから核兵器を作り出していきます。
映画自体は「オッペンハイマー事件」という、第二次大戦後、ソ連との争いのために「水爆研究」を推進する合衆国に対し、オッペンハイマーは過去に共産党の集会に参加したことがある経歴に加え、ロスアラモスを閉鎖しようとしたため、挙句「ソ連のスパイ」と見なされてしまう―――その事件での取り調べを受ける”挫折”と、原爆を開発し、トリニティー実験(初めての原爆実験)を成功させ、英雄とあがめられる”栄光”の頂点に達するまでの遍歴を交互に挟みながら描いていってます。
栄光の光が眩しいほど、転落していくその後の人生の落差の凄さもですが、栄光にたどり着く彼の足元には、広島と長崎で死んだ被爆者たちの遺体が累々と転がっているわけですよ。その真っ黒焦げの遺体を踏み抜いた瞬間、彼の中で「この栄光は、実は間違いなんじゃないのか??」という思いが芽生える訳で。
特に放射線による被ばくの話は、そこまで彼自身も計算していたことはなく、初めて聞いたあまりにも悲惨な状況に、どんどん心も蝕まれていく訳です。トルーマン大統領の前で涙し、後悔する彼を大統領は蔑みましたが、涙するほどの後悔は、まだ彼を人間足らしめたんだ、ということが伝わってきます。軍の人間じゃないですもの。確かに兵器として使うことは理解していましたけど、納得できなかったんでしょうね。襲い掛かってくる後悔に。
最後はアインシュタイン博士の皮肉と同じ結果になりました。
余談ですが、この事件の後、史実では日本に来て被爆地の様子を見ているんですよね、オッペンハイマーさん。その時どう思ったんだろう・・・映画ではやりませんでしたが、実際肉声があったら聞いてみたいものです。
―――さて。ここで思うのは核兵器バンバン撃ちまくっている(哀)『ガンダムSEED』シリーズですよ。むしろSEEDのお陰で、この作品を見に行こうと思ったくらいです。
やっぱり映画の中でもやっていましたが「核兵器は『抑止』だ」と言ってました。研究者たちは。バルトフェルドさんの台詞と同じです。でもアメリカ軍は、ドイツにもソ連にも核の研究が遅れている事実に、自国が一番進んでいる!一番強い国!という主張と世界への知らしめのために、兵器として使いました。アズラエルじゃないですけど「核はただ並べて置いておく美術品じゃありません。使わなくてどうするんです?」ですよ。まぁアズラエルはある意味ヒトラーに似ていて、子供の頃コーディネーターとの力の格差にいじめられた過去を持つため、その恨み+人知を超えた力を持つ恐怖の対象を抹殺したいがために、核を使いました。力の誇張ではなく、本当に抹殺しようとしたところにアメリカとの違いはありますけどね。
作ってしまったが故、後の生涯悔い、悩み続けたオッペンハイマーさん。物理学者としては成功だったと思います。ただ使われ方の問題で。これで戦争がない世界だったら、どうだったのかな・・・
SEEDの世界では、その後も核兵器が使われてます。最新作のFREEDOMなんて、自国に2個も核攻撃しましたからね、ファウンデーション(==;)2つも撃ち込まれたら、もう国土の再生は難しいですよ💧
CEの世界ですと、もうこの先「レクイエム」まで出来てますからね。ジェネシスはγ線でしたっけ。大量殺りく兵器は、作り始めると加速が止まらず、「うちの国が一番強いんじゃー!ヽ(`Д´)ノ」を互いに重ね続けることになって、不毛な争いに拍車をかけるだけ。米ソの争いは一旦冷戦はおさまったに見えましたが、またもロシアは侵攻し、イスラエルは・・・orz
本当に近いうちにSEEDと同じ「認め合わない者同士が争い合い続けるコズミックイラ」の様になるんじゃないかな。
オッペンハイマーさんが後悔したこの世界を、死後もなお後悔させ続けるような世の中にならないで欲しいものです。(T人T)