オーブ行政府、代表首長執務室の午後3時過ぎ―――
普段は凛々しいアルトの声がする重厚なデスク。しかし今日は少し甲高い、声変わり前の少年の声が聞こえる。
「今日はご指導、ありがとうございました。」
そう言ってトーヤ・マシマが丁寧に頭を下げると、画面の向こうのメイリン・ホークは恐縮するように<いえいえ!>と片手で手を振る。
<今日と明日は、うちのボスが予定不在なので、緊急連絡でも入らない限りは私も時間がありますから。>
鬼の居ぬまのなんとやら。メイリンが椅子をリクライニングにして、片手でコーヒーの入ったマグカップを取ると、画面の向こうの少年も同じようにして、高級そうな茶器から紅茶をゆっくりと、口に含む。
「でもありがたいです。僕もザラ一佐やメイリンさんの様に、少しでもカガリ姉様のお役に立てることを探したいので、こうしてネットワークのことを教えていただけるだけでもありがたいので。」
静かにソーサーをデスクに置きながら、瞳をキラキラと輝かせてくるトーヤ。ルナマリアの妹であるメイリンにとって、普段味わえない、自分が姉のようになった気持ちになって、どこかくすぐったい。
頬を無意識に人差し指で搔きながら、メイリンは答える。
<お役に立つかはわかりませんけど、私で良ければ少しでも教えてあげられると思うので。でも・・・>
「はい?」
<トーヤ君は、本当にカガリさんのこと好きなんですねv>
ここまで一生懸命になれるのは、好きな相手だからだ。メイリンにも覚えのある感情をニッコリ笑顔で代弁すると、トーヤはたちまち赤くなった。
「え!?ち、ちがいますよ!/// 尊敬しているだけです!あの若さでこの指導力・・・オーブの中でも一際支持率が高いんですよ。僕も将来、カガリ姉様の様に颯爽と、しっかりした代表でありたいんです。」
<もう十分しっかりしていると思うけど・・・>
自分が14歳だったころを振り返ってみれば、姉の後を追いかけているばかりだった気がするメイリンは、心から感嘆する。すると今度はトーヤが慌てて手を振った。
「いえいえ、まさか!僕も思うんです・・・ザラ一佐の様に、明晰な頭脳とか、誰一人敵わない身体能力とかあれば、カガリ姉様をもっとお支えで切ると思うのに…」
<う~~ん…アスランさんは例外中の例外だと思うけど・・・>
本当に自分と同じコーディネーターなのか、と思う程、思考の回転の速さ、身体能力、そして戦闘能力・・・全てが規格外だ。メイリンが答えに詰まって苦笑するが、トーヤは更に興奮する。
「でもザラ一佐は凄いですよ。あれだけの力を持ちながら、決して驕ることもなく、優しくて理知的で、男の僕から見ても憧れるくらいですから、女性には凄く人気があると思うんですよ。」
<まぁ、確かに人気は凄いよ。ミネルバに居た時も、艦内の女性乗組員全員アスランさんのこと、興味津々だったもん!>
「メイリンさんも、ですか?」
<私?私は・・・まぁ・・・>
先ほど思い出したあの時の感情。あれは憧れであり、愛情だったかと言われると確証はない。それでもトーヤは見事に見抜いてきた。
「そのご様子ですと、メイリンさんも・・・ですね?」
<もう!年上を揶揄うもんじゃありません!///>
慌てて誤魔化そうとするメイリン。こうなったらたった2歳であろうと、年上の権利でこの場を凌ぐしかない。だが流石はオーブの五大首長家の一人。家柄もよければこの歳で女性への扱いも心得ている。トーヤは落ち着いて頭を下げた。
「これは失礼いたしました。・・・でも、今こんなにお近くで、一緒に仕事をされていて、ザラ一佐とは・・・」
<ないない!だってアスランさんが見つめているのは、たった一人だけ、だもん。>
更に力強く両手を振って否定するメイリン。
そう―――いい寄る女性は数多あれど、彼は全くよそ見をしなかった。彼の視線の先にあるのはいつだって・・・
***
久しぶりにpixivにUPしました。
種自由時間軸での、アスカガほのぼの&イチャイチャ(笑)だけの話です。
前半はメイリンとトーヤが客観的に、そして後半はアスカガ本人たちが主観で二人の関係を思う形になってます。
キャプションの方に書きましたが、先週ティーチイン上映に参加しまして、アスカガの関係・・・主に指輪の件についての質問に対し、監督が回答してくださった話を基に書いてみました。
思うところはキャプションに解説を書きましたので、お時間ある方はご覧いただけましたら幸いです。
そして今日のかもしたは、値札を作って満足してましたw
一応こんな感じで最初は貼り付け型にしていたのですが、サークル主のお二方にご相談して、立体型に変えてみました。
・・・こんな感じで、当日並んでいると思いますので、お見掛けされた方は「あー、かもしたが作っていたやつだ(笑)」と笑ってやってください♪(^^ゞ
これでスパコミ当日用意できるものはできたので、明日発送しようと思います。
無事に届いてくれないと困るので、搬入ミスが起きないことだけをひたすら祈ってます(ー人ー)
明日はまた病院から宿題出されたので(まさか毎回こんなに宿題出されるとは思わなかったよ💧)やらなければ。
「深く考えないで答えてください」というのはわかるのですが、どうしても考え込んでしまう(哀)ちなみに前回「直感回答」の訓練をした時、思いっきり「ガンダムSEED FREEDOMのアスカガが好きです!」と叫んだあとで(やっちまった~~💦)と焦りましたが、先生から「好きなものがあるのはいいことですねw」とフォローしていただけました^^;
何でも一人ででも「好きなもの」があるなら、メンタルの逃げ道があることに繋がるので、精神的にはいいことだそうです。
ということで、双子誕生日も近くなったことですし、また妄想の時間にふけろうと思います♪