おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
黄帝内経素問 寶命全形論篇 第二十五
第三節
帝曰。人生有形。不離陰陽。天地合氣、別爲九野、分爲四時。月有小大、日有短長。萬物並至、不可勝量。虚實呿吟、敢問其方。
岐伯曰。木得金而伐、火得水而滅、土得木而達、金得火而缺、水得土而絶。萬物盡然。不可勝竭。故鍼有懸布天下者五。黔首共餘食莫知之也。一曰。治神。二曰。知養身。三曰。知毒藥爲眞。四曰。制砭石小大。五曰。知府藏血氣之診。五法倶立、各有所先。今末世之刺也、虚者實之、滿者泄之。此皆衆工所共知也。若夫法天則地、隨應而動、和之者若響、隨之者若影。道無鬼神、獨來獨往。
語句の意味 1－3
形＝ケイ。ギョウ。カタチ。外形。すがた。からだ。ありさま。ようす。顔つき。カタ。いがた。アラワれる→現。アラワす。かたどる。
九野＝天地人三歳を自乗して九となり、九野に応じる。九野は即ち洛書の九官、禹貢の九州の意味。漢方用語大辞典
九野＝九州。九天・九方に分けた天、九天、鈞（キン）天(中央)・蒼（ソウ）天(東)・変天(東北)・玄天(北)・幽天(西北)・天(西)・朱天(西南)・炎天(南)・陽天(東南)、異説もある。
九臓＝五種の神蔵(肝心脾肺腎)と四種の形臓(胃・大腸・小腸・膀胱)
神藏＝神気の居る所の臓で、すなわち五臓の神をそれぞれ蔵する心・肝・脾・肺・腎をさす。心は神を蔵し、肝は魂を蔵し、脾は意を蔵し、肺は魄を蔵す、腎は志を蔵する。宣明五気篇参照。漢方用語大辞典
九野＝→九州。九方に分けた天、→九天。
九州＝シナの古伝説によるシナ全土の九区分。
イ 冀（キ）・兗（エン）・青・徐・豫（ヨ）・荊(ケイ)・揚・雍（ヨウ）・梁（リョウ）(禹（ウ）貢)
ロ 冀・豫・雝・荊・揚・兗・徐・幽・営(爾雅)
ハ 冀・荊・豫・青・兗・雍・幽・冀・并(周礼)
ニ シナ全土
我が国の西海道の九か国、筑（チク）前・筑後・肥前・肥後・豊（ブ）前・豊後（ブンゴ）・日向（ヒュウガ）・大隈（すみ）・薩（サツ）摩
萬物並至＝「いろいろなものが肩を並べて生じ、そして長じて行く」ことを意味するものである。鍼灸医学大系
勝げて量るべからず＝あげてはかるべからず。「あまりにも、その数量が多いので、それをいちいち量ることなどできるものではない」という意である。鍼灸医学大系
敢問其方＝王冰・その他の解説書が「鍼法による治療法を問うているのだ」とのべているが、次の岐伯の答え等から判断して、必ずしも今日いう鍼法と限定することは適当ではあるまい。従って本文の大意は、「人体に虚実呿吟という状態が起きた場合の対応の方法について聞きたい」という意である。鍼灸医学大系
伐＝バツ。キる→切。立ち木をきる。たつ。ウつ→打つ。罪人を征伐する。敵をうつ。罰する。なじる。たたく。づづみをうつ。引っこぬく。ホコる→誇。功労。
滅＝メツ。ベツ。ホロびる。消えてなくなる。ホロぼす。なくす。たやす。キえる。消滅。けす。たやす。〔仏〕死ぬこと。
達＝タツ。至る。通る。みぬく。しとげる。あまねく。賢人。世間によく知られる。大通り。進める。よろしい。共通。ほしいまま。
缺＝欠。缺は旧字。欫は俗字。ケツ。カける。不足する。不完全となる。こわれる。へる。ぬける。きずつく。官職にあきがでる。カく。こわす。へらす。不足させる。ぬかす。おこたる。カけ。かけら。きず。空位。欠けたところ。ケン。アクビ。
絶＝ゼツ。タえる。きれる。続かない。尽きる。息がとまる。タやす。なくす。ほろぼす。タつ。横に切る。とめる。
竭＝ケツ。ツクす→尽。たおれる。
漢方用語大辞典、明解漢和辞典
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