東京湾につながる川を、船で進みながら、カメラは水面を写し続ける。バックにAkeboshiのusual life という曲が流れている。世の中の不安をかき分けた先に、何か清々しいものが待っているのか、それは誰にもわからない。
橋口監督が追いかけているのは、いかんともし難い人の業を、淡々としたストーリーの中に浮かび上がらせることだと思います。
堅気を装った気弱な悪人、気弱な悪人の恩恵を受けながら、最後は仲間も見捨てる普通の悪人。そして善良そうな庶民のしたたかさ。
7年前の同監督作品『ぐるりのこと 』から注目していた安藤玉恵のスナックのママはリアル。