米次期大統領選の共和党候補、ニューヨークの大富豪ドナルド・トランプ氏は、共和党から他に候補者がいなくなり事実上指名を獲得したという。
ネット上では、氏が吠えるように暴言を繰り返す写真が目につく。
米歴代大統領の風貌と比較すると明らかに異質、米もなにか変わってきたなぁと思う。
トランプ氏は対日政策で下記のような考えを持っている。
日韓核武装容認云々は、北の核実験、中国の南北シナ海の不穏な軍拡を見ると日本の核武装も必要になるかも知れないので「暴言」かどうか。米ソ冷戦時代はとっくに終わり、今は米中対峙となった。
米にとって中国は敵なのか仲間なのか、米国民の考えはいかに。
「なんで日本のために我が子の血を流さなければならないのか」「アジア地域への駐留は国益にならず」と考える人々も多かろう。
敗戦後日米軍事同盟が70年続いてきたが、そのありようも「自分のことは自分で」ということに変わるのかも知れない。
米でも判断が分かれているようだ。
ネット上では、氏が吠えるように暴言を繰り返す写真が目につく。
米歴代大統領の風貌と比較すると明らかに異質、米もなにか変わってきたなぁと思う。
トランプ氏は対日政策で下記のような考えを持っている。
■【米大統領選】トランプ氏が対日政策で暴言
「米軍駐留費全額負担に応じなければ撤退、日韓の核武装も容認」(ロイター)
http://www.sankei.com/world/print/160506/wor1605060016-c.html
「米軍駐留費全額負担に応じなければ撤退、日韓の核武装も容認」(ロイター)
http://www.sankei.com/world/print/160506/wor1605060016-c.html
日韓核武装容認云々は、北の核実験、中国の南北シナ海の不穏な軍拡を見ると日本の核武装も必要になるかも知れないので「暴言」かどうか。米ソ冷戦時代はとっくに終わり、今は米中対峙となった。
米にとって中国は敵なのか仲間なのか、米国民の考えはいかに。
「なんで日本のために我が子の血を流さなければならないのか」「アジア地域への駐留は国益にならず」と考える人々も多かろう。
敗戦後日米軍事同盟が70年続いてきたが、そのありようも「自分のことは自分で」ということに変わるのかも知れない。
米でも判断が分かれているようだ。
共和党下院議長、現時点で「トランプ氏を支持せず」
2016.05.06 Fri posted at 19:00 JST
写真:インタビューに答える共和党のポール・ライアン下院議長
http://www.cnn.co.jp/usa/35082193.html
下院議長、現時点で「トランプ氏を支持せず」
ワシントン(CNN) 米共和党のポール・ライアン下院議長は5日、今秋行われる大統領選で同党からの指名を確実にしている実業家のドナルド・トランプ氏について、現時点で支持できる段階にないことを明らかにした。事実上の指名獲得後、共和党幹部からはトランプ氏を支持しないとの発言が相次いでいるが、ライアン氏はこれらの有力メンバーの中で最も高位の役職にある。
CNNのインタビューに答えたライアン氏は、「(トランプ氏支持に回る)準備が整っていない。今はその段階にない」と述べた。最終的にはトランプ氏を支持し、「党をまとめる一翼を担いたい」との考えを示したものの、そのためにはまずトランプ氏の側から行動を起こしてもらう必要があると指摘した。
ライアン氏はトランプ氏に対し「共和党と保守運動にかかわる全ての派閥を結集させてほしい」と要望。その上で大統領選に向けた取り組みを「米国民が誇りを持って支持し、参加できるものにする」ことを求めた。
トランプ氏を支持できない要因としてイスラム教徒や不法移民に対する同氏の強硬な政策方針が影響しているのかと問われると、ライアン氏は「解決すべき課題だ」と答えた。
これに対しトランプ氏は、同日発表した声明で「今はライアン氏の方針を支持する準備が整っていない。おそらくこの先は、互いに協力できるだろう。そして何が米国民にとって最良なのか、意見を同じくすることになるのではないか」と語った。
トランプ氏は5日夜ウェストバージニア州チャールストンで選挙イベントを行ったが、演説ではライアン氏の発言に言及しなかった。トランプ氏の選挙対策責任者は、ライアン氏による不支持の表明が陣営にとって打撃になるとの見方を否定した。
一方、共和党全国委員会の広報担当者はCNNの取材に対し、ラインス・プリーバス委員長が間に立つことでトランプ氏とライアン氏の会談が実現する可能性を示唆した。
トランプ氏が共和党からの指名を確実とした状況を受け、2012年の大統領選で同党の指名候補となったミット・ロムニー氏は7月にクリーブランドで開催される党大会への出席を拒否する意向を表明した。ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領や息子のジョージ・W・ブッシュ前大統領、2008年に同党指名候補だったジョン・マケイン氏も欠席の意向を示している。
写真:インタビューに答える共和党のポール・ライアン下院議長
http://www.cnn.co.jp/usa/35082193.html
下院議長、現時点で「トランプ氏を支持せず」
ワシントン(CNN) 米共和党のポール・ライアン下院議長は5日、今秋行われる大統領選で同党からの指名を確実にしている実業家のドナルド・トランプ氏について、現時点で支持できる段階にないことを明らかにした。事実上の指名獲得後、共和党幹部からはトランプ氏を支持しないとの発言が相次いでいるが、ライアン氏はこれらの有力メンバーの中で最も高位の役職にある。
CNNのインタビューに答えたライアン氏は、「(トランプ氏支持に回る)準備が整っていない。今はその段階にない」と述べた。最終的にはトランプ氏を支持し、「党をまとめる一翼を担いたい」との考えを示したものの、そのためにはまずトランプ氏の側から行動を起こしてもらう必要があると指摘した。
ライアン氏はトランプ氏に対し「共和党と保守運動にかかわる全ての派閥を結集させてほしい」と要望。その上で大統領選に向けた取り組みを「米国民が誇りを持って支持し、参加できるものにする」ことを求めた。
トランプ氏を支持できない要因としてイスラム教徒や不法移民に対する同氏の強硬な政策方針が影響しているのかと問われると、ライアン氏は「解決すべき課題だ」と答えた。
これに対しトランプ氏は、同日発表した声明で「今はライアン氏の方針を支持する準備が整っていない。おそらくこの先は、互いに協力できるだろう。そして何が米国民にとって最良なのか、意見を同じくすることになるのではないか」と語った。
トランプ氏は5日夜ウェストバージニア州チャールストンで選挙イベントを行ったが、演説ではライアン氏の発言に言及しなかった。トランプ氏の選挙対策責任者は、ライアン氏による不支持の表明が陣営にとって打撃になるとの見方を否定した。
一方、共和党全国委員会の広報担当者はCNNの取材に対し、ラインス・プリーバス委員長が間に立つことでトランプ氏とライアン氏の会談が実現する可能性を示唆した。
トランプ氏が共和党からの指名を確実とした状況を受け、2012年の大統領選で同党の指名候補となったミット・ロムニー氏は7月にクリーブランドで開催される党大会への出席を拒否する意向を表明した。ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領や息子のジョージ・W・ブッシュ前大統領、2008年に同党指名候補だったジョン・マケイン氏も欠席の意向を示している。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)5月7日(土曜日)弐 通算第4898号
http://melma.com/backnumber_45206/
トランプ現象を読み解く 宮崎正弘
大統領予備選が進行中の米国で、実業家のドナルド・トランプが共和党レースの先頭を走る。 ジャーナリズムは彼に冷たく非難と罵倒の嵐だ。ところが痛罵、批判の度にトランプ人気は不思議にも上昇した。この奇妙な現象の源泉は何か?
なぜ「トランプ現象」がいまの米国で出現したのか、特別な社会的変化によって新しい時代への胎動なのか、一時的なテロと難民への反撥でしかないのか。いったい米国は何処へ向かおうとしているのか?
とりわけ「反知性主義」というトランプ批判が目立つ。なぜなら彼はTPPに反対したり、不法移民排除、イスラム敵視など共和党の主流派、穏健派の神経さえ逆なでしている。
共和党のエスタブリシュメントやメディアの論調とは正反対に「物言わぬ大衆」(サイレント・マジョリティ)のトランプ支持が全米くまなく拡がっているのは米国民の大半がメディアの論調を信じていない証拠でもある。
異変は続いた。典型がローマ法王の発言だった。「トランプ氏はキリスト教徒ではない」という強いメッセージにアメリカの大衆は支持率アップで応じたのだ。
トランプ現象の基底にある第一は「反グローバリズム」ではないのか。
欧州を襲うテロ、シリアからの難民に対してEU指導者たちの無策。その怒りがフランスでルペン率いる国民戦線の大躍進、英国のEU脱退の流れ、ドイツの「ペギータ運動」の勃興を産んだ。そしてドイツの付録のようなオーストリアも、親米派とされたマケドニアも国境にフェンスを築き、夥しい難民の流入を阻止した。
これらはEUの理念に反する政治的措置である。フランスでFN(国民戦線)のマリーヌ・ルペン党首が[イスラム移民排斥」と「国家資本主義」をスローガンに次期大統領の座を目指している。
まさにトランプは、こうした欧州の動きを見ながら「メキシコ国境に壁を構築し、不法移民を阻止せよ」と獅子吼した。
「反知性主義」とは日本で言えば東大法学部卒のエリートが日本を動かすエスタブリシュメントを形成してきだが、彼らの主知的で官僚的な政治が行き詰まると、学歴のない田中角栄が強引に日本を引っ張ったように、学問、知識は問題ではなく経験豊かな世間智が重要な要素になりうる。
「シンプルで、パワフルで、トップダウン」の強い指導者像をトランプは売り込み、宣伝戦争においてリベラリズムの攻撃に対して効果的な反撃ができた。
トランプ現象のもう一つの裏側にある重大要素はWASP(ホワイト、アングロサクソン、プロテスタント)の反撃という特徴である。
この重要なポイントがあまり論議されていない。米国はすでにWASPの国ではなく、トランプはプアホワイトという固定票を越えたWASPの怒り、そしてカソリック・エスタブリシュメントへの反撃が集約されているのである。
共和党大会は7月中旬、トランプが正式候補となるか、どうか。結論はまもなく出る。
(この文章は「北国新聞」こらむ「北風抄」5月2日着けの再録です)
平成28年(2016)5月7日(土曜日)弐 通算第4898号
http://melma.com/backnumber_45206/
トランプ現象を読み解く 宮崎正弘
大統領予備選が進行中の米国で、実業家のドナルド・トランプが共和党レースの先頭を走る。 ジャーナリズムは彼に冷たく非難と罵倒の嵐だ。ところが痛罵、批判の度にトランプ人気は不思議にも上昇した。この奇妙な現象の源泉は何か?
なぜ「トランプ現象」がいまの米国で出現したのか、特別な社会的変化によって新しい時代への胎動なのか、一時的なテロと難民への反撥でしかないのか。いったい米国は何処へ向かおうとしているのか?
とりわけ「反知性主義」というトランプ批判が目立つ。なぜなら彼はTPPに反対したり、不法移民排除、イスラム敵視など共和党の主流派、穏健派の神経さえ逆なでしている。
共和党のエスタブリシュメントやメディアの論調とは正反対に「物言わぬ大衆」(サイレント・マジョリティ)のトランプ支持が全米くまなく拡がっているのは米国民の大半がメディアの論調を信じていない証拠でもある。
異変は続いた。典型がローマ法王の発言だった。「トランプ氏はキリスト教徒ではない」という強いメッセージにアメリカの大衆は支持率アップで応じたのだ。
トランプ現象の基底にある第一は「反グローバリズム」ではないのか。
欧州を襲うテロ、シリアからの難民に対してEU指導者たちの無策。その怒りがフランスでルペン率いる国民戦線の大躍進、英国のEU脱退の流れ、ドイツの「ペギータ運動」の勃興を産んだ。そしてドイツの付録のようなオーストリアも、親米派とされたマケドニアも国境にフェンスを築き、夥しい難民の流入を阻止した。
これらはEUの理念に反する政治的措置である。フランスでFN(国民戦線)のマリーヌ・ルペン党首が[イスラム移民排斥」と「国家資本主義」をスローガンに次期大統領の座を目指している。
まさにトランプは、こうした欧州の動きを見ながら「メキシコ国境に壁を構築し、不法移民を阻止せよ」と獅子吼した。
「反知性主義」とは日本で言えば東大法学部卒のエリートが日本を動かすエスタブリシュメントを形成してきだが、彼らの主知的で官僚的な政治が行き詰まると、学歴のない田中角栄が強引に日本を引っ張ったように、学問、知識は問題ではなく経験豊かな世間智が重要な要素になりうる。
「シンプルで、パワフルで、トップダウン」の強い指導者像をトランプは売り込み、宣伝戦争においてリベラリズムの攻撃に対して効果的な反撃ができた。
トランプ現象のもう一つの裏側にある重大要素はWASP(ホワイト、アングロサクソン、プロテスタント)の反撃という特徴である。
この重要なポイントがあまり論議されていない。米国はすでにWASPの国ではなく、トランプはプアホワイトという固定票を越えたWASPの怒り、そしてカソリック・エスタブリシュメントへの反撃が集約されているのである。
共和党大会は7月中旬、トランプが正式候補となるか、どうか。結論はまもなく出る。
(この文章は「北国新聞」こらむ「北風抄」5月2日着けの再録です)