中共は周辺国の反撥をよそに2013年頃から南シナ海に軍事拠点を構築すべく埋め立てを始めた。
南シナ海に造成した人工島は中共の領海の基点になるのか、ならないのか米中まっ向対立の様相を呈してきた。
米がこの海域の航行に踏み切った裏には、日本で安保法案成立したことも前提に入っていることだろう。
中共もこの事態を想定済みで進めてきたはずで、中東に続き極東もキナ臭くなってきている。
南シナ海に造成した人工島は中共の領海の基点になるのか、ならないのか米中まっ向対立の様相を呈してきた。
米がこの海域の航行に踏み切った裏には、日本で安保法案成立したことも前提に入っていることだろう。
中共もこの事態を想定済みで進めてきたはずで、中東に続き極東もキナ臭くなってきている。
西村眞悟の時事通信 平成27年10月27日(火)
南シナ海は、戦争と平和の分岐点である
しばらくキーボードの前に座れなかったが、今朝、アメリカ軍が南シナ海の、中共が軍港と滑走路建設のために埋め立てたスプラトリー島嶼群周辺十二浬以内の哨戒活動を開始したとの報道に接した。
この哨戒活動開始が真実ならば、 アメリカ軍は戦争と平和の分岐点において、 平和の方向に流れを引き寄せつつある。
我が国の海上自衛隊もアメリカ軍と共同行動をとりつつあることを願う。
何故なら、平和を維持することは我が国の国是であるからである。
安倍総理の言う、積極的平和主義とはこのことだろうが。
さて、マスコミ(NHK)の報道には、アメリカ軍の哨戒行動を伝えるとともに、 その末尾に、「中共の厳しい反発は必至です」といういつものコメントがついていた。
このコメントは、 日本から、中共や韓国に反日非難を「輸出」する際に必ず末尾に付けられてきた。
それ故、中共はパブロフの犬だから「激しい反発」をする。
あの中共の男女の報道官の姿が目に浮かぶ。
無表情でウソを平気で繰り返す彼らを、パブロフの「サイボーグ」として見られよ。
そこで、何故、これが戦争と平和の分岐点かを独裁者の行動パターンから指摘したい。
その前提は次の二つ、
(1)ナチスドイツのヒトラーと中国共産党主席は、軍事力をのみ信ずる独裁者である。
(2)独裁者は、相手の平和願望と「力の空白」すなわち軍事的アンバランスにつけ込んで軍事行動をとる。
第二次世界大戦中のイギリス首相ウインストン・チャーチルは、戦後に大戦を回顧して 第二次世界大戦は、 しなくともすんだ戦争であった、 平和主義者が造った戦争だった、と言った。
では、チャーチルは、いつの時点を以て、戦争と平和の運命が分かれたとしたのか。
それは次の通り、
(1)一九三六年三月七日のドイツ軍のラインラント進駐が、分岐点であり、
(2)一九三八年のドイツ軍によるオーストリー併合に続く
チェコスロバキアのズデーデン地方割譲要求を、英、仏の諸国が認めたこと、
即ち、「ミュンヘンの宥和」(九月二十九日署名)が、 戦争へのトリガー(引き金)である。
以下の流れは次の通り電光石火。
まことにヒトラーは、戦争の為に生まれてきた男である。
一九三九年八月二十三日、モロトフ・リッペントロップ協定(独ソ不可侵条約)締結。
九月一日、ドイツ、ソ連、東西からポーランド侵攻・・・第二次世界大戦勃発
一九四〇年六月十四日、ドイツ軍、パリ入城
九月七日、ドイツ軍、ロンドン空襲開始
最初の分岐点となったライン川を越えたラインラント進駐に関して、 ヒトラーは次の通り回顧し、 戦後フランス軍の捕虜となったドイツ軍将官は次の通り述べた。
「ラインラントに兵を進めた四十八時間は、私の人生で最不安な時であった。
もしフランス軍が進軍してきたら、貧弱な装備のドイツ軍は反撃もできず逃げ出さねばならなかった」
「この時フランス軍が、ラインラントに侵攻していたらドイツは敗北し、ヒトラーは失脚していた」
しかし、此の事態が起きる前と最中において、 イギリスとフランスは平和のための軍縮を続け、ドイツは軍備増強を続けていた。
即ち、ドイツの周辺国は、武力を増強しなければ、平和が続く、と思っていたのだ。
これに対して、ドイツの独裁者ヒトラーは、 周辺諸国の平和を続けたいという願望を利用して戦争を準備し実行した。
また、独裁者は武力を行使して目的を達成するには、 常に「平和的解決、つまり話し合いによる解決」を呼びかける。
以上のことを「回顧」した理由は既にお分かりのことと思う。
この度の中共によるスプラトリー諸島埋め立てによる軍港と滑走路の建設は、 ラインラント進駐である!
これを放置すれば、 中共による南シナ海と東シナ海の「併合」につながる。
これを放置することは、 中共のフィリピン領土割譲要求にアメリカと日本が「宥和する」ことである。
これは、戦争と平和の分岐点であり、戦争への引き金である。
アメリカの国務長官が、昨年から哨戒活動をすべきと主張していたことは知っていた。
また、オバマ大統領が、その哨戒活動に踏み込めないことも分かっていた。
しかし、この度、大統領も哨戒活動に同意したと見られる。
中東におけるオバマ大統領の不決断が中東の危機を造った。
その中東の結果に鑑み、アメリカの決断はアジアの平和に貢献することになる。
そして、繰り返すが、我が海上自衛隊は、アメリカと共同行動を執るべきである。
これは、個別的自衛権の領域にある行動であり、 同時にアジアの平和を維持する行動ではないか。
他方、中共は、 此のアメリカ国内の意見のせめぎ合いに乗じて何を言っていたのか。
それは、「話し合いによる解決」である。
此の中共の呼びかけに乗れば、既に明らかなように、 「平和主義者が戦争を造る」ことになる。
まことに偶然であるが、一昨日の夜、山梨県の山中で、 フィリピン人の高等学校の校長さんと話をした。
彼は言った。「平和を望む」と。
私は答えた。
You want peace.
OK.Therfor We must Prepare War.
お問い合わせ:西村眞悟事務所
TEL:072-277-4140 E-mail:sakaioffice@n-shingo.com http://www.n-shingo.com/
南シナ海は、戦争と平和の分岐点である
しばらくキーボードの前に座れなかったが、今朝、アメリカ軍が南シナ海の、中共が軍港と滑走路建設のために埋め立てたスプラトリー島嶼群周辺十二浬以内の哨戒活動を開始したとの報道に接した。
この哨戒活動開始が真実ならば、 アメリカ軍は戦争と平和の分岐点において、 平和の方向に流れを引き寄せつつある。
我が国の海上自衛隊もアメリカ軍と共同行動をとりつつあることを願う。
何故なら、平和を維持することは我が国の国是であるからである。
安倍総理の言う、積極的平和主義とはこのことだろうが。
さて、マスコミ(NHK)の報道には、アメリカ軍の哨戒行動を伝えるとともに、 その末尾に、「中共の厳しい反発は必至です」といういつものコメントがついていた。
このコメントは、 日本から、中共や韓国に反日非難を「輸出」する際に必ず末尾に付けられてきた。
それ故、中共はパブロフの犬だから「激しい反発」をする。
あの中共の男女の報道官の姿が目に浮かぶ。
無表情でウソを平気で繰り返す彼らを、パブロフの「サイボーグ」として見られよ。
そこで、何故、これが戦争と平和の分岐点かを独裁者の行動パターンから指摘したい。
その前提は次の二つ、
(1)ナチスドイツのヒトラーと中国共産党主席は、軍事力をのみ信ずる独裁者である。
(2)独裁者は、相手の平和願望と「力の空白」すなわち軍事的アンバランスにつけ込んで軍事行動をとる。
第二次世界大戦中のイギリス首相ウインストン・チャーチルは、戦後に大戦を回顧して 第二次世界大戦は、 しなくともすんだ戦争であった、 平和主義者が造った戦争だった、と言った。
では、チャーチルは、いつの時点を以て、戦争と平和の運命が分かれたとしたのか。
それは次の通り、
(1)一九三六年三月七日のドイツ軍のラインラント進駐が、分岐点であり、
(2)一九三八年のドイツ軍によるオーストリー併合に続く
チェコスロバキアのズデーデン地方割譲要求を、英、仏の諸国が認めたこと、
即ち、「ミュンヘンの宥和」(九月二十九日署名)が、 戦争へのトリガー(引き金)である。
以下の流れは次の通り電光石火。
まことにヒトラーは、戦争の為に生まれてきた男である。
一九三九年八月二十三日、モロトフ・リッペントロップ協定(独ソ不可侵条約)締結。
九月一日、ドイツ、ソ連、東西からポーランド侵攻・・・第二次世界大戦勃発
一九四〇年六月十四日、ドイツ軍、パリ入城
九月七日、ドイツ軍、ロンドン空襲開始
最初の分岐点となったライン川を越えたラインラント進駐に関して、 ヒトラーは次の通り回顧し、 戦後フランス軍の捕虜となったドイツ軍将官は次の通り述べた。
「ラインラントに兵を進めた四十八時間は、私の人生で最不安な時であった。
もしフランス軍が進軍してきたら、貧弱な装備のドイツ軍は反撃もできず逃げ出さねばならなかった」
「この時フランス軍が、ラインラントに侵攻していたらドイツは敗北し、ヒトラーは失脚していた」
しかし、此の事態が起きる前と最中において、 イギリスとフランスは平和のための軍縮を続け、ドイツは軍備増強を続けていた。
即ち、ドイツの周辺国は、武力を増強しなければ、平和が続く、と思っていたのだ。
これに対して、ドイツの独裁者ヒトラーは、 周辺諸国の平和を続けたいという願望を利用して戦争を準備し実行した。
また、独裁者は武力を行使して目的を達成するには、 常に「平和的解決、つまり話し合いによる解決」を呼びかける。
以上のことを「回顧」した理由は既にお分かりのことと思う。
この度の中共によるスプラトリー諸島埋め立てによる軍港と滑走路の建設は、 ラインラント進駐である!
これを放置すれば、 中共による南シナ海と東シナ海の「併合」につながる。
これを放置することは、 中共のフィリピン領土割譲要求にアメリカと日本が「宥和する」ことである。
これは、戦争と平和の分岐点であり、戦争への引き金である。
アメリカの国務長官が、昨年から哨戒活動をすべきと主張していたことは知っていた。
また、オバマ大統領が、その哨戒活動に踏み込めないことも分かっていた。
しかし、この度、大統領も哨戒活動に同意したと見られる。
中東におけるオバマ大統領の不決断が中東の危機を造った。
その中東の結果に鑑み、アメリカの決断はアジアの平和に貢献することになる。
そして、繰り返すが、我が海上自衛隊は、アメリカと共同行動を執るべきである。
これは、個別的自衛権の領域にある行動であり、 同時にアジアの平和を維持する行動ではないか。
他方、中共は、 此のアメリカ国内の意見のせめぎ合いに乗じて何を言っていたのか。
それは、「話し合いによる解決」である。
此の中共の呼びかけに乗れば、既に明らかなように、 「平和主義者が戦争を造る」ことになる。
まことに偶然であるが、一昨日の夜、山梨県の山中で、 フィリピン人の高等学校の校長さんと話をした。
彼は言った。「平和を望む」と。
私は答えた。
You want peace.
OK.Therfor We must Prepare War.
お問い合わせ:西村眞悟事務所
TEL:072-277-4140 E-mail:sakaioffice@n-shingo.com http://www.n-shingo.com/
米イージス艦 中国が領海主張の海域を航行
NHK 10月27日 14時39分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151027/k10010284161000.html
中国が南シナ海で人工島を造成している問題で、これに反対しているアメリカ政府は27日午前、中国が主権を主張する人工島から12海里以内の海域でアメリカ軍のイージス艦を航行させ、今後、米中間の緊張が高まることが予想されます。
日米外交筋によりますと、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で中国が浅瀬を埋め立てて人工島を造成していることに対し、アメリカ政府はアメリカ軍の艦艇を人工島から12海里=22キロの海域の中に派遣することを決め、27日午前、アメリカ軍のイージス艦「ラッセン」がこの海域を航行したということです。
12海里は沿岸国の領海と認められる範囲で、中国政府は人工島の造成により主権の主張を強めていますが、アメリカ政府は人工島は領海の基点にならないとしてこれを認めていません。
さらにアメリカ政府は、人工島の軍事拠点化が進めば地域の安全保障を不安定化させるとして、中国側に再三、すべての作業をやめるよう求めてきました。
しかし、中国は滑走路などの建設を強行し、先月の米中首脳会談でも基本的な姿勢に変化が見られなかったことから、アメリカとしては中国の主張を認めないことをより明確に示す必要があるとして、今回の派遣に踏み切ったとみられています。
アメリカ政府は今のところ公式には今回の派遣の確認を避けていますが、中国外務省は「アメリカの軍艦『ラッセン』は、中国政府の許可を得ずに、中国の南沙諸島に近接した海域に不法に進入した」と強く反発しており、今後、米中間の緊張が高まることが予想されます。
元海将「譲れないところまで来たか」
中国が領海だと主張している南シナ海の海域で艦艇を航行させたアメリカのねらいについて、海上自衛隊で自衛艦隊司令官を務めた香田洋二元海将は「海洋の自由利用、航海の自由、中国が造成している人工島は国際法上領海の起点にはならないという、3つの点を国際社会に訴えるのが主な目的だと思う。
航海の自由はアメリカの基本的な理念で、中国の主張を容認できないという姿勢を行動で示す必要があったのではないか」と話しています。そのうえで、「アメリカは、人工島についてこの半年以上中国への警告を続け、目に見えないところでも交渉を続けてきたと思うが、進展が見えず、これ以上引き延ばすと国益に反するという譲れないところまで来たのだと思う」と分析しています。
武力衝突の可能性については、「今の米中関係を踏まえれば、中国にとっては一方的に武器を使用することはみずからの国益を台なしにすることになり、警告といった武器を使用しない選択肢を優先すると思う。アメリカとしても中国から大きな軍事的な反発はないという判断があったのだろう」と指摘しています。
そして、今後の見通しについては、「アメリカとしては、航海の自由を主張するにはこの1回では不十分で、この先、何度となくこうした行動に出ることはありえる。その意味で、米中の緊張状態は続くだろう。日本としてもアメリカと協調しつつ、中国に訴えるべきことは訴えていくことが必要だ」と話しています。
中国の人工島造成の現状は 中国が人工島を造成する南沙(スプラトリー)諸島は南シナ海の南の海域に位置するおよそ200の島や岩礁、浅瀬からなる島しょ群で、中国のほかにフィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、台湾が領有権を主張しています。
このうちブルネイ以外の5つの国と地域がそれぞれ一部の島や浅瀬を実効支配しており、中国は自国の実効支配下にある7つの浅瀬を埋め立て、人工島を造成しています。
アメリカ国防総省などによりますと、中国はおととし12月にジョンソン礁で埋め立てを開始したとみられ、その後、去年夏ごろまでにガベン礁、クアテロン礁、ヒュージ礁、ファイアリークロス礁、スビ礁で埋め立てに着手、さらにことしに入りミスチーフ礁でも作業が確認されるなど、急速にその規模を拡大させました。
その結果、アメリカのシンクタンク、CSISの分析では、埋め立てた面積は7つの人工島で合わせて12.82平方キロメートルに及んでいます。
人工島ではインフラの整備や建設作業が続いており、大型船舶も停泊できる大規模な港湾施設のほか、コンクリート建築のビルなどの大型施設、さらにレーダー用とみられる施設の整備などが確認されています。さらに、ファイアリークロス礁では戦略爆撃機も離着陸できる3000メートル級の滑走路がほぼ完成し、CSISではすぐに運用できる段階にあると分析しています。これに加えて最近、スビ礁とミスチーフ礁でも同様の規模の滑走路を建設する動きが確認され、アメリカ太平洋軍のハリス司令官は、最新鋭の戦闘機やミサイル施設などが配備されれば南シナ海全域を実効支配することも可能になりうるとして強い警戒感を示していました。
これについて中国側は、埋め立ては国防上の必要性と民間の需要を満たすためのものだなどと説明する一方、習近平国家主席は先月、ワシントンでオバマ大統領と会談した際、軍事拠点化するつもりはないという考えを明らかにしたため、アメリカ政府はその後の中国側の動向を注視していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151027/k10010284161000.html
中国が南シナ海で人工島を造成している問題で、これに反対しているアメリカ政府は27日午前、中国が主権を主張する人工島から12海里以内の海域でアメリカ軍のイージス艦を航行させ、今後、米中間の緊張が高まることが予想されます。
日米外交筋によりますと、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で中国が浅瀬を埋め立てて人工島を造成していることに対し、アメリカ政府はアメリカ軍の艦艇を人工島から12海里=22キロの海域の中に派遣することを決め、27日午前、アメリカ軍のイージス艦「ラッセン」がこの海域を航行したということです。
12海里は沿岸国の領海と認められる範囲で、中国政府は人工島の造成により主権の主張を強めていますが、アメリカ政府は人工島は領海の基点にならないとしてこれを認めていません。
さらにアメリカ政府は、人工島の軍事拠点化が進めば地域の安全保障を不安定化させるとして、中国側に再三、すべての作業をやめるよう求めてきました。
しかし、中国は滑走路などの建設を強行し、先月の米中首脳会談でも基本的な姿勢に変化が見られなかったことから、アメリカとしては中国の主張を認めないことをより明確に示す必要があるとして、今回の派遣に踏み切ったとみられています。
アメリカ政府は今のところ公式には今回の派遣の確認を避けていますが、中国外務省は「アメリカの軍艦『ラッセン』は、中国政府の許可を得ずに、中国の南沙諸島に近接した海域に不法に進入した」と強く反発しており、今後、米中間の緊張が高まることが予想されます。
元海将「譲れないところまで来たか」
中国が領海だと主張している南シナ海の海域で艦艇を航行させたアメリカのねらいについて、海上自衛隊で自衛艦隊司令官を務めた香田洋二元海将は「海洋の自由利用、航海の自由、中国が造成している人工島は国際法上領海の起点にはならないという、3つの点を国際社会に訴えるのが主な目的だと思う。
航海の自由はアメリカの基本的な理念で、中国の主張を容認できないという姿勢を行動で示す必要があったのではないか」と話しています。そのうえで、「アメリカは、人工島についてこの半年以上中国への警告を続け、目に見えないところでも交渉を続けてきたと思うが、進展が見えず、これ以上引き延ばすと国益に反するという譲れないところまで来たのだと思う」と分析しています。
武力衝突の可能性については、「今の米中関係を踏まえれば、中国にとっては一方的に武器を使用することはみずからの国益を台なしにすることになり、警告といった武器を使用しない選択肢を優先すると思う。アメリカとしても中国から大きな軍事的な反発はないという判断があったのだろう」と指摘しています。
そして、今後の見通しについては、「アメリカとしては、航海の自由を主張するにはこの1回では不十分で、この先、何度となくこうした行動に出ることはありえる。その意味で、米中の緊張状態は続くだろう。日本としてもアメリカと協調しつつ、中国に訴えるべきことは訴えていくことが必要だ」と話しています。
中国の人工島造成の現状は 中国が人工島を造成する南沙(スプラトリー)諸島は南シナ海の南の海域に位置するおよそ200の島や岩礁、浅瀬からなる島しょ群で、中国のほかにフィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、台湾が領有権を主張しています。
このうちブルネイ以外の5つの国と地域がそれぞれ一部の島や浅瀬を実効支配しており、中国は自国の実効支配下にある7つの浅瀬を埋め立て、人工島を造成しています。
アメリカ国防総省などによりますと、中国はおととし12月にジョンソン礁で埋め立てを開始したとみられ、その後、去年夏ごろまでにガベン礁、クアテロン礁、ヒュージ礁、ファイアリークロス礁、スビ礁で埋め立てに着手、さらにことしに入りミスチーフ礁でも作業が確認されるなど、急速にその規模を拡大させました。
その結果、アメリカのシンクタンク、CSISの分析では、埋め立てた面積は7つの人工島で合わせて12.82平方キロメートルに及んでいます。
人工島ではインフラの整備や建設作業が続いており、大型船舶も停泊できる大規模な港湾施設のほか、コンクリート建築のビルなどの大型施設、さらにレーダー用とみられる施設の整備などが確認されています。さらに、ファイアリークロス礁では戦略爆撃機も離着陸できる3000メートル級の滑走路がほぼ完成し、CSISではすぐに運用できる段階にあると分析しています。これに加えて最近、スビ礁とミスチーフ礁でも同様の規模の滑走路を建設する動きが確認され、アメリカ太平洋軍のハリス司令官は、最新鋭の戦闘機やミサイル施設などが配備されれば南シナ海全域を実効支配することも可能になりうるとして強い警戒感を示していました。
これについて中国側は、埋め立ては国防上の必要性と民間の需要を満たすためのものだなどと説明する一方、習近平国家主席は先月、ワシントンでオバマ大統領と会談した際、軍事拠点化するつもりはないという考えを明らかにしたため、アメリカ政府はその後の中国側の動向を注視していました。