落葉松亭日記

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北朝鮮・政変?

2020年03月25日 | 世相
鍛冶俊樹氏の軍事ジャーナルによれば、北朝鮮の金正恩は実権を失い、集団指導体制に移行しているという。
武漢肺炎騒動の陰で目立たないが、大きな変化だろう。
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル(2020年3月25日号)
https://ameblo.jp/karasu0429/

*北朝鮮の実権は誰の手に?

 1月2日号「北朝鮮にクーデタ!」で、金正恩が実権を失い北朝鮮は集団指導体制に移行したと書いたが、
https://ameblo.jp/karasu0429/entry-12564054215.html
その後も北朝鮮内部の変化は著しいものがある。

 今月2日、北朝鮮は3カ月ぶりに短距離弾道弾を日本海に発射し、これに抗議した韓国に対し翌3日に金正恩の妹、金与正(キムヨジョン)が反論の談話を出した。これは異例な事で、従来はこうした場合、北朝鮮外務省が反論の談話を出してきていた。
 彼女の肩書は労働党第1副部長であるが、昨年まで米国との交渉の窓口だった李外相が1月に解任されている。従って、この談話は今後、外交の窓口は金与正が担当すると宣言しているとも考えられよう。

 真意を確かめるべくトランプ大統領は、武漢ウィルス対策での協力を名目に金正恩にあてて親書を出した。返事はまたも異例な形だった。金正恩当人ではなく妹の金与正がまたも談話で返答したのだ。
 その中で、金正恩は親書を喜んだとしながらも、両首脳の個人的な親交が両国の関係改善につながるかは未知数だと述べている。これは金正恩が独裁的権力を維持しているとすれば、あり得ない発言である。独裁者は何だって決めることができるのだ。

 トランプと金正恩との関係を「個人的な親交」としているのは、もはや金正恩が公的な立場にない事を示している。こうなると金正恩は既に死亡しており、今、報道写真に現れる金正恩は替え玉だという、仮説は説得力を増す。
 昨年秋に金正恩は金与正を後継者に指名していたとの情報もあるが、この談話では、北朝鮮の外交として何一つ明確な姿勢が示されていない。おそらく集団指導体制のスポークスマンに過ぎず、独裁的権力を掌握していないのであろう。

 かつてソ連では、独裁者スターリンの死後、中国では毛沢東の死後、それぞれ集団指導体制に移行したが、ともに血なまぐさい権力闘争を避けることは出来なかった。北朝鮮は同じ轍を踏まないように金一族の団結を演出しているが、果たして、その試みが成功するかは予断を許さない。
前号「中国の世論工作」の動画解説がUPされた。前号に含まれない情報も追加してあるので是非ご視聴を!下記をクリック
https://youtu.be/fiD8T88OM2w
 軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
プロフィール・バックナンバー等は公式ブログを参照。下記をクリック
https://ameblo.jp/karasu0429/

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2020年1月2日号)
https://ameblo.jp/karasu0429/

北朝鮮にクーデタ!

賀正
 年賀状は激減しているらしいが、日本人にとって年末年始は相変わらず神聖な意味を持つ。しかし、そこを狙って異変を起こす人達がいるという現実を直視しなければなるまい。そう思い知らされた年末であった。
 ゴーンの逃亡劇などはその過小な一例に過ぎない。北朝鮮では、遥かに深刻な事態が進行している。年末4日間にわたって平壌で党中央委員会総会が開かれた。金正恩委員長は核戦力の維持を宣言した。

 「米国を牽制した」と言うのがマスコミの分析だが、北朝鮮内部に何が起きているのかに踏み込まない表面的な見解だ。総会は例年、予告なく開かれ一日で終わり、参加者も200人程度、ところが今回は3週間前に予告され、二日間の予定がさらに二日延長され、参加者も約1000人だ。
 しかも総会に合わせるかのように、金正恩の叔父、金平一が欧州から31年ぶりに帰国した。もう一人の叔父であり後見人だった張成沢を処刑し、異母兄の金正男をマレーシアで暗殺した金正恩の支配する北朝鮮の地に舞い戻るには、相当な理由がなければなるまい。
 金正恩は総会で、非核化を否定した形だが、非核化は金正恩が自ら選択し中国、ロシアの合意を取り付け、米国と交渉してきたのである。つまり非核化路線を否定する事は自らの失敗を認めたに等しい。

 金平一帰国は独裁体制確立に失敗したことを認めたに等しいから、年末に北朝鮮で起きていたことは、事実上のクーデタであり、北朝鮮は金正恩の独裁体制から集団指導体制に移行したと見るべきなのである。
 かつてソ連ではスターリン死去で、中国では毛沢東の死去でそれぞれ集団指導体制に移行した。金正恩には健康不安説もあり、中には今回の総会に現れたのは替え玉だという未確認情報もある。やはり今年が波乱の年なるのは避けられそうにない。