落葉松亭日記

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スパイ防止法がない日本

2021年05月07日 | 政治・外交
菅首相は日本学術会議を廃止し、新たなシンクタンクを2023年をメドに創設するという。
日本学術会議は防衛研究に過度にブレーキをかけてきたことに、経済安全保障にかかわると判断したとみられる。
日本学術会議はお役御免! 軍民両用の先端技術強化へ“安保シンクタンク”創設、防衛省や警察庁の権限を強めた組織にすべき 【ニュースの核心】 2021.5.1
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/210501/pol2105010002-n1.html

菅首相は、経済安全保障の観点から、日本学術会議を「廃止」「民営化」するのか
シンクタンク新設を決めた「統合イノベーション戦略推進会議」=27日、首相官邸(共同)

 菅義偉政権が、激変する経済安全保障環境に対応するため、新たな調査研究機関を2023年度をメドに創設する方針を固めた。政府直轄で、民生と軍事の「デュアルユース」(軍民両用)の先端技術開発を強化する狙いがある。年間10億円もの税金投入を受けながら、特定の政治勢力の影響力が強く、自国の防衛研究に過度なブレーキをかけてきたとされる日本学術会議については、新たな有識者会議で議論したうえで、将来、お役御免となりそうだ。安倍晋三前首相が提言した「情報機関」設置の必要性とは。ジャーナリストの長谷川幸洋氏が、国家の存続と発展に不可欠な、シンクタンクと情報機関の新設に迫った。

 政府は27日、首相官邸で「統合イノベーション戦略推進会議」(議長・加藤勝信官房長官)を開き、経済安全保障に関わる技術について調査研究し、政策を提言する新たなシンクタンク組織を創設する方針を決めた。米国防総省の「国防高等研究計画局(DARPA=ダーパ)」を手本に、軍事と民生の両面で活用できる先端技術の開発を促す、という。

 ようやく、「日本にも安保分野の技術系シンクタンクができるか」という思いがする。遅すぎた感もあるが、この際、日本学術会議のような左翼学者に牛耳られた組織のスクラップ・アンド・ビルドも同時に進めるべきだ。

 科学技術支援や政府への提言といえば、これまで国立研究開発法人の科学技術振興機構(JST)や、日本学術会議がその役割を担っていた。

 ところが、JSTの所管官庁は、霞が関でも「頭の固さ」で知られた文部科学省だ。組織面でも人材面でも、事業運営に際して安全保障の観点に配慮してきたとは言い難い。

 日本学術会議に至っては、言わずもがなだ。新規会員任命問題で明らかになったように、そもそも学術会議は「学問の自由」を錦の御旗に掲げる一方で、軍事研究を否定してきた、とんでもない組織である。とても安全保障への貢献など期待できない。

 それどころか、学術会議は中国科学技術協会と研究交流する覚書を結んでいる。日本の技術流出をチェックするどころか、覚書締結によって、中国の海外人材獲得作戦である「千人計画」を実質的に側面支援してきた形だ。

 ■技術・情報力で相手を圧倒するしかない

 読売新聞や産経新聞によれば、政府が創設を目指す新たなシンクタンクは、日本からの技術流出を阻止するとともに、軍民両用の先端技術開発を支援する、という。

 インターネットの発明が象徴するように、いまや「時代のゲームチェンジャー」となるような先端技術の多くは軍民両用だ。最近でも、製薬ベンチャーのモデルナは、先のDARPAから約2500万ドル(約27億2000万円)の支援を受けて、新型コロナのワクチンを開発した。

 米国は最初から「ワクチン開発は国防政策」と位置付けて、巨額の先行投資を続けていたのである。「感染症対策は公衆衛生問題」としか捉えられない日本の厚生労働省とは大違いだ。ワクチン接種の遅れも、根源をたどれば、その違いに起因している。

 新組織が「安全保障への貢献」を掲げるのであれば、文科省や厚労省などの影響力を排して、防衛省や警察庁の権限を強めた組織にすべきだ。この分野で先行している米国の知見にも学んでほしい。

 折から、安倍前首相は27日、出演したインターネット番組で「日本の情報組織をしっかりつくる必要がある」と指摘し、情報機関の拡充強化を訴えた。

 技術の流出防止や軍民両用の先端技術開発に加えて、情報・諜報機能の拡充強化は、日本が専守防衛の安保戦略を掲げているからこそ、不可欠になる。「戦わずして勝つ」には、日本が備えた技術力と情報力で相手を圧倒する以外にないからだ。

 米国と英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国による機密情報共有の枠組み「ファイブアイズ」に、日本が参加する機運もあるなか、こちらも喫緊の課題である。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。
日本にはスパイ防止法がないと云われる。
国際的には、独立国ならば自衛権の行使として認められている。
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル(2021年5月3日号)
https://ameblo.jp/karasu0429/

*戦争は避けられない。
 4月24日号「今こそスパイ防止法を!」について新唐人テレビで話した。3分程度に簡潔にまとめてもらった。下記をクリックしても無効な場合はブログからアクセスされたい。(音量注意)
https://www.ntdtv.com/b5/2021/04/30/a103107912.html

 憲法改正を巡る世論調査ではいずれも、改憲が護憲を上回っている。昨今の中国の動きを見れば、中国が戦争への道を邁進しているのは誰の目にも明かだろう。憲法9条を掲げていれば戦争は避けられるなどという幻想を信じる人が減ってきているのも当然である。
 中国に憲法9条はない。彼らは戦争を恐れもしないし、悪いことだとも考えていない。台湾を武力併合すると以前から明言しており、そのために法外な軍拡を続けてきたのだ。

 その台湾を長い間、米国が守ってきた。だが中国の30年にわたる法外な軍拡は、世界最強の軍事大国である米国をも脅かすに至った。東アジアに局限すれば今後数年以内に中国の軍事力は米国のそれを凌駕するだろう。
 だが財政赤字と貿易赤字に苦しむ米国は、中国に対抗した軍拡ができない。つまり数年以内に台湾を守れなくなるわけだ。そこで先月の日米首脳会談で台湾海峡の平和と安定を守るために日本が防衛力を強化することが決まったのである。

 つまり中国の軍拡に対抗した軍拡を日本もしなければならない。だが22兆円の国防費が年率6%ずつ増える中国の軍拡に5兆3000億円の防衛費の日本が対抗するためには年率25%の防衛費の増額を決断しなくてはならない。
 これは財務省が許すまい。おそらく年率10%増も覚束ないのではないか。だとすれば抑止の均衡は10年以内に崩壊する。中国は公約通りに台湾に侵攻するだろう。

   米国は台湾関係法に従って参戦することになる。米中戦争となるが、中国は米軍基地の置かれている日本を攻撃することは間違いない。
 かくて日本も戦争に突入することになるが、そのとき戦争放棄を謳った憲法9条が日本国内にどんな混乱を引き起こすかは、想像するだけでも鳥肌が立つ。おそらく中国の直接攻撃による被害よりも9条に伴う混乱による被害がはるかに上回るだろう。

   軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
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