中国は世界の工場を引き受け、工業技術や情報処理技術を手中にし、今や経済大国に成長した。
それに合わせ軍拡著しく、欧米は中国を脅威とみるようになった。
日本でも河野防衛大臣(2019年第4次安倍第2次改造内閣)が、中国は「安保上の脅威」と明言している。
それに合わせ軍拡著しく、欧米は中国を脅威とみるようになった。
日本でも河野防衛大臣(2019年第4次安倍第2次改造内閣)が、中国は「安保上の脅威」と明言している。
「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和三年(2021)5月9日(日曜日) 通巻第6904号
http://miyazaki.xii.jp/
米中戦争は事実上、はじまっている
米国の生命線パイプラインにサイバー攻撃、動脈が停止された
「数日以内に復旧しなければ、商品市場は大荒れになるだろう」(ウォールストリートジャーナル、2021年5月8日)。
東海岸の大動脈、石油パイプラインがサイバー攻撃で停止に追い込まれた。ランサムウエアが仕掛けられてコンピュータが作動しなくなり、暗号通貨による身代金を要求されていたと全米のメディアが大きく報じた。
ランサムウエアは中国とロシアのハッカー集団が執拗に西側の行政機関、企業、そして産業設備から病院に到るまで頻繁に攻撃を仕掛けてきた。北朝鮮も便乗してワナクライというハッカー部隊が、かなりの身代金を西側企業からせしめたと言われる。
とくにこの数ヶ月は露西亜による「ソラー・ウインド」(ソフトウエア企業)への襲撃、中国のよるマイクロソフト社のメールシステム襲撃が報告され、国土安全保障局とFBIが本格捜査を展開してきた。
このパイプラインはコロニアルパイプライン社(本社ジョージア州、ロイヤルダッチなどが出資)が、テキサス州からNYへ敷設した全長5500マイル。東海岸の全消費の45%のガソリン、航空機燃料などを輸送している。
テキサス州に端を発し、ルイジアナ、ミシシッピー、アラバマ、ジョージア、サウスカロライナ、ノウスカロライナ、バージニアを抜け、ペンシルバニア州とデラウエア州の州境をぬけてNYへと到る。ガソリンだけでも一日250万バーレルを輸送する。
不幸中の幸いで、コロナ禍のため需要が減少中という市況にくわえ、備蓄が相当あるというが、数日、操業に支障がでると、ガソリン代金が急騰する怖れがある。
それにしても米国産業の大動脈が狙われた。インフラが、ハッカーの攻撃に脆弱な実態が晒された。
トランプはカナダから米国南部へのガスパイプライン工事も許可したが、バイデンはこれを撤回し、産業界からは猛烈な反対の声があがっていた。安全保障上、代替ルートがないと、産業のインフラも日常生活も危殆に瀕することは明らかである。
過去のサイバーアタックによる被害はイランのハッカーがサウジアラビアのアラムコに仕掛けたハッカー攻撃で、同社の30000代のコンピュータが破壊された被害が最悪のケースだった。
これは隠れた戦争であり、中国とロシアはハイブリッド戦争の一環として、明らかに戦争を仕掛けているのである。戦争は戦車やジェット戦闘機やミサイルが飛び交う旧来の発想を超えて、まったく新しいサイバー空間に移行しているのである。
http://miyazaki.xii.jp/
米中戦争は事実上、はじまっている
米国の生命線パイプラインにサイバー攻撃、動脈が停止された
「数日以内に復旧しなければ、商品市場は大荒れになるだろう」(ウォールストリートジャーナル、2021年5月8日)。
東海岸の大動脈、石油パイプラインがサイバー攻撃で停止に追い込まれた。ランサムウエアが仕掛けられてコンピュータが作動しなくなり、暗号通貨による身代金を要求されていたと全米のメディアが大きく報じた。
ランサムウエアは中国とロシアのハッカー集団が執拗に西側の行政機関、企業、そして産業設備から病院に到るまで頻繁に攻撃を仕掛けてきた。北朝鮮も便乗してワナクライというハッカー部隊が、かなりの身代金を西側企業からせしめたと言われる。
とくにこの数ヶ月は露西亜による「ソラー・ウインド」(ソフトウエア企業)への襲撃、中国のよるマイクロソフト社のメールシステム襲撃が報告され、国土安全保障局とFBIが本格捜査を展開してきた。
このパイプラインはコロニアルパイプライン社(本社ジョージア州、ロイヤルダッチなどが出資)が、テキサス州からNYへ敷設した全長5500マイル。東海岸の全消費の45%のガソリン、航空機燃料などを輸送している。
テキサス州に端を発し、ルイジアナ、ミシシッピー、アラバマ、ジョージア、サウスカロライナ、ノウスカロライナ、バージニアを抜け、ペンシルバニア州とデラウエア州の州境をぬけてNYへと到る。ガソリンだけでも一日250万バーレルを輸送する。
不幸中の幸いで、コロナ禍のため需要が減少中という市況にくわえ、備蓄が相当あるというが、数日、操業に支障がでると、ガソリン代金が急騰する怖れがある。
それにしても米国産業の大動脈が狙われた。インフラが、ハッカーの攻撃に脆弱な実態が晒された。
トランプはカナダから米国南部へのガスパイプライン工事も許可したが、バイデンはこれを撤回し、産業界からは猛烈な反対の声があがっていた。安全保障上、代替ルートがないと、産業のインフラも日常生活も危殆に瀕することは明らかである。
過去のサイバーアタックによる被害はイランのハッカーがサウジアラビアのアラムコに仕掛けたハッカー攻撃で、同社の30000代のコンピュータが破壊された被害が最悪のケースだった。
これは隠れた戦争であり、中国とロシアはハイブリッド戦争の一環として、明らかに戦争を仕掛けているのである。戦争は戦車やジェット戦闘機やミサイルが飛び交う旧来の発想を超えて、まったく新しいサイバー空間に移行しているのである。
インフラ狙うサイバー攻撃 米石油、大動脈の脆弱さ露呈
北米
2021年5月9日 8:05 (2021年5月9日 10:44更新) [有料会員限定]
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN090460Z00C21A5000000/
【ニューヨーク=中山修志、ワシントン=中村亮】サイバー攻撃により7日に停止した米東海岸の石油パイプラインは8日夜(日本時間9日朝)時点で復旧していない。コンピューターウイルスを送り込んでシステムをダウンさせ、復旧と引き換えに金銭を要求する「ランサムウエア」型の攻撃だった可能性が高まっている。米南部と北東部をつなぐエネルギーの大動脈が寸断し、サイバー攻撃に対する生活インフラの脆弱さが浮き彫りになった・・・
北米
2021年5月9日 8:05 (2021年5月9日 10:44更新) [有料会員限定]
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN090460Z00C21A5000000/
【ニューヨーク=中山修志、ワシントン=中村亮】サイバー攻撃により7日に停止した米東海岸の石油パイプラインは8日夜(日本時間9日朝)時点で復旧していない。コンピューターウイルスを送り込んでシステムをダウンさせ、復旧と引き換えに金銭を要求する「ランサムウエア」型の攻撃だった可能性が高まっている。米南部と北東部をつなぐエネルギーの大動脈が寸断し、サイバー攻撃に対する生活インフラの脆弱さが浮き彫りになった・・・