拝啓、世界の路上から

ギター片手に世界を旅するミュージシャン&映画監督のブログ(現在の訪問国:104ヶ国)

Final Session/シンジのパート「はじめの1歩」

2012-03-03 | ニッポンジン!



拝啓、カズさん。シンジです。

もうそろそろ成田空港に到着した頃でしょうか。


カズさんがドイツに来てくれて、そしてカズさんとフランクフルトのスタジアムで、サッカー女子日本代表の"なでしこジャパン"を一緒に応援できて、すごく嬉しかったです。

試合は終始アメリカリードで進み、本当に、本当に苦しい展開でしたね。

でも最後まで諦めずに、「ニッポン!!!ニッポン!!!」とカズさんと二人で力いっぱい、声がかれるまでスタジアムで叫んだこと、そして小さな小さな日本の女子代表チームが、ワールドカップで初めての"世界一"に輝いたその時の感動は、これまで生きてきた中で経験したことの無い、大きな大きな宝物だと感じています。

そしてカズさんが日本に向けて飛び立った今でも、その感動の余韻がまだ冷めません。


2-1のアメリカリードで迎えた、延長後半開始前の小休止で、ピッチ上の日本代表選手達に向かって叫んだ、「俺達はまだ諦めてないぞ!最後まで絶対諦めないぞ!」というカズさんの言葉を聞いて、僕の胸の奥にある何かが、すごく熱くなるのを感じました。

圧倒的なアメリカペースだったのに、日本は同点に追いつき、そしてPK戦を制して世界一に。

僕はこの試合から、「最後まで諦めずに全力を尽くすことの大切さ」を学びました。


試合後にウチで朝まで2人で飲んだ時、カズさんは僕に言いましたよね。

去年の男子ワールドカップでは、日本代表が決勝トーナメントに進み、今や多くの日本代表選手が、ドイツを含むヨーロッパ中で活躍していて、そして今日、日本女子代表がワールドカップで世界一になって、新しい歴史を作ってくれた。Jリーグが発足した約20年前に、誰が日本サッカーにこんな日が来ることを想像しただろう?と。

そして同じように、僕達も10年先、20年先にもっともっと、今の僕達が想像できないような未来を作る事だって、可能なんじゃないかと。


日本国内の経済状況を見ていると、10年後は間違いなく、もっともっと沢山の日本人が世界に出ていかなくてはいけなくなると思います。

ドイツに来てこれまで沢山大変なことがありましたが、カズさんの言葉を聞いて、そんな10年後、20年後の日本の未来にとって大切なヒントを、今僕のように海外の最前線で働く、現場の日本人が学んでいるんじゃないかって感じました。


欧州で働いていると感じるのが、ニッポン人は間違いなく世界でも屈指の「頑張り屋さん」だということです。

誰に言われなくても自ら進んで、そこで求められていることを一生懸命頑張れる人達は、本当に本当に貴重だと思います。

長く日本の強みは「製品のクオリティ」だと言われていましたが、日本の製品やサービスのクオリティを支えている「ニッポンジン」も同じように、日本が世界に誇れる大きな強みだと、僕は思います。

これまで多くの日本人は、"言葉のコンプレックス"を抱えて、この小さな島国の内側ばかりを見ていたと思います。

でも自分がドイツに来て学んだことは、「言葉の問題はそこへ来れば、時間が解決してくれる」ということ。そして「一番大切なのは、異なる文化・習慣の中で、いかに自分達の良さを発揮し続け、結果につなげられるか」ということでした。

以前カズさんがこのFacebookを通して言ってくれた、「シンジが辛いと感じる時、きっとそれはシンジが開拓者としての道を歩いているから。シンジのその経験は、いつかきっと誰かの助けになる」という言葉は、ずっと僕の支えになってきました。

そして昨夜、「僕のこの経験をもっと沢山の日本の人達に伝えたい」って僕が話したとき、カズさんは言ってくれましたよね。


「はじめの1歩を踏み出す勇気だよ。シンジ!」と。


僕はドイツで経験したことを、Facebookやインターネットを通して、日本の人達へ伝えようと思っています。

そしてカズさんが言ってくれた"はじめの一歩"を、今日、踏み出してみます。




P.S.
カズさんと一緒になでしこジャパンを応援した、フランクフルト・スタジアムでの表彰式の写真をアップします。

昨夜カズさんが僕に言ってくれた、「シンジ、お前も日本代表だ。日の丸背負って戦っているつもりで頑張れ」という言葉、すごく嬉しかったです。

カズさんと一緒に体験した"新しい歴史が作られた瞬間"に立ち会えたこの日を、僕は一生忘れないと思います。



Copyright (C) 2012 http://blog.goo.ne.jp/katokitijp All Rights Reserved