特集「コニー・ウィリス特集」。
コニー・ウィリスはやっぱりおもしろい。その中でも、代表的なシリーズがオックスフォード大学史学部シリーズ。
最初に『ドゥームズデイ・ブック』を読んだときは衝撃的だった。SF的なネタというよりは黒死病時代のヨーロッパで、ただの史学部生でありながらペストに対して絶望的な戦いを挑むキヴリンの姿に感動した。それはもう、『JIN -仁-』どころの騒ぎじゃないわけで。「来てくださると思ってました」という最後のセリフは本当に感涙ものだった。
その時は、実は『わが愛しき娘たちよ』の著者と結びついていなくって、「見張り」が史学部シリーズだったというのも後から知ったんだったよな。
その後、『犬は勘定に入れません』がコメディで、『ブラックアウト』+『オールクリア』はサスペンス。どれもおもしろくて、途中から読み返してでさえ、引き込まれてしまう。『オールクリア2』も、さっさと入手しなければ。
もうひとつの特集は「攻殻機動隊特集」。すでに懐かしい未来になりつつある世界がさらに変貌を遂げ、新しく生まれ変わるらしい。でも、これはあんまり詳しくないので、ふーんという感じ。しかし、この特集のせいか、最寄りの書店では、この号は普通以上に売れていたようで、危うく入手できないところだった。まぁ、たまにはそういうこともあるか。
◎「エミリーの総て」 コニー・ウィリス
美少女ロボットは女優になりえるのか。いくつもの見方ができそうな事件ではあるが、メインの視点をハッピーエンドに持ってきているところが素晴らしい。おそらく、考えれば考えるほど深みにはまる罠を隠している。読み方が意地悪いだけ?
○「ナイルに死す」 コニー・ウィリス
本当に死んだのか、目覚めない夢なのか。悪夢っぽいショートストーリー。エジプト好きで、行ったこともあるので笑いながら読んでしまった。
○「天の誉れ」 菅浩江
自分自身による思考の矯正。これを悍ましいと思うかどうかは、確かに微妙ではあるが……。個人的には、やっぱり気持ち悪い。
-「偽アカシヤ年代記(第2部)[後篇]」 野阿梓
諦めました。単行本が出たら読む。