神なる冬

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コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] オールクリア2

2013-06-29 00:10:01 | SF

『オールクリア2』 コニー・ウィリス (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

 

まさしく怒涛の解決篇。

『ブラックアウト』、『オールクリア1』、『オールクリア2』と続いたシリーズ(というより、一つの作品)において、これまで小説中のテーマであった誰もがヒーロー、ヒロインであるという部分よりも、なぜ3人の史学生(+ダンワージー先生)が第2次大戦下のロンドンに隔離され、戻れなくなってしまったのかという謎の真相がクローズアップされたミステリ解決篇のような様相。

しかし、その謎も二転三転のうえ七転八倒するくらいのどんでん返しがつぎつぎと襲ってくるので油断ができない。

前回の感想で書いたように、「ほら、やっぱりすべてダンワージーのせいじゃないか」という結論も一旦は出てくるので、逆にびっくりした。

『ブラックアウト』の最後に出てきたトラベラーは誰だったのか、マイクを探しに来た二人組は誰だったのかといった伏線をすべて回収しつつ、本当の救助チームが姿を現すに至る流れは、いろいろつじつまが合いすぎて、思わず絶叫したり。

イギリスがナチスの攻撃に持ちこたえ、最終的に勝利をつかむために必要だった最終兵器とはなんだったのか。その意味が分かった時の驚きと楽しさ。これも斜め上な真実で面白すぎる。時空連続体もふざけるのをいい加減にして欲しい(笑)

驚くべきことは、サー・ゴドフリーも、ビニーも、彼らが未来人ではないにしても、どこかへ帰らなければならない存在であることに気づいていたということだろう。だからこそ、あの物語が生まれたわけだ。

さらに、新たに1995年のパートが挿入され、ここがまた涙を誘う物語の終着駅となる。あきらめずに何年も憧れのポリーを探し続けたコリンの愛情と執念。そして、必然的な選択をしたアイリーンの優しさと使命感。

1995年のビニーがコリンの話を聞き、「まさか、そんなはずはない」と言った意味に思い当ったときが、一番の俺的感動のクライマックス。

時間的にも分量的にも長かったけれど、あまりの擦れ違いに途中でイライラして不愉快だったけれど、結末にたどり着いたときには本当に読んでよかったと思った。確かにSF賞を総なめにしたのも納得だ。