川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

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美の巨人たち:クリムト

2009-10-07 21:29:38 | 美の番組紹介
「美の巨人たち:クリムト」


番組での紹介は、「極限の美」
現在、世界で人気のこの画家は一体何を語ろうとしたのか。

実は、芋太郎ブログで一度取り上げております。
「日曜美術館:クリムト」というテーマにて。
本ブログと違う側面で描いておりますので、
御読みください。

日用美術館クリムト:芋太郎ブログ紹介


番組では、「切り立った断崖の上の抱擁する男女」を描いた作品
からクリムトを紐解く。

二人が立つ断崖は、一面の花園。
その花園で、抱擁する男女。
女の脚は、まさに断崖に踏みとどまる。
絶対絶命の状況下。
女の服の文様は○
男の服の文様は□
二人を描いた真四角のキャンパス。
黄金に包まれた二人の姿。
遠近法も陰影も無視した非欧州的な技法。


クリムト自身が私を理解する方法は、
「絵をじっくりと観察して、人となりと意図を捜して欲しい。」
と語ったそうです。

なにもかもが、当時の欧州社会から理解できない絵画であった。
しかし、足下の花園と断崖との組み合わせは、生と死の狭間。
黄金に輝く光に包まれた抱擁は、愛の賛歌を謳うウリムト自身を
描いていたようです。

彫金師の家系であると同時に、日本のある作品たちの影響も強い。

当時の画風は、オーストリア・ハンガリー帝国の崩壊時期と重なり、
退廃的な社会と化していた。
彼は人物を描きながら、人物以外の意次元の世界観を描いたのかも
知れない。

また、クリムトは、日本の琳派に強く影響を受けていた。
俵宗達・緒方光琳・酒井抱一・クリムト・?
それぞれ各人、100年から80年の時間差がある。
そう、琳派の画家達は相互に交わることなく、その作品が時を越えて
影響したといえる。

琳派の芸術家達は「孤高の芸術」家といえる。
そして、クリムトから100年が経過する現在、
楽しみが一つできた思いがある。
新しい孤高の琳派の画家が舞い降りる可能性を期待して。


なお、クリムトに関する時代考証や背景は、上記芋太郎ブログを
参照願います。
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