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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

後継者の育成(3回シリーズその3)

2013年01月03日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 更に、OJTの特徴として、マンツーマンによるため、多数の人材育成には不向きで、短期促成にも向かない。では、OFF-JT(Off the Job Training)の様に一人の指導者(講師)に複数の後継者をつけると、危険な作業等は安全性からいっても薦められない。指導者を増やす場合は、事前に指導者同士のレベルあわせや専門性のすりあわせも必要で、後継者に多くの指導者が同時に関与すると混乱を生じることにつながる。また、文字通り外部の研修機関へ委託する場合も多く、指導の成果が期待どおりには得られないことも多い。
 後継者をレベルでグループに分け、製品の設計から最終仕上げまで責任を持たせた製品作りが成功した例もあり、日頃からの実践指導の中に後継者育成があるのであって、付け焼き刃の指導ではかえって良い結果を生まない。

 では、経済活動の活性化としての後継者育成の特効薬は何であろうか?老婆心ながら言わせてもらえば、職業能力開発の横断的な職種別組織を持たない我が国においては、効率は悪いが、それぞれの企業が一定の評価基準の下に、人材育成システムの総点検から始めるべきと思っている。具体的な視点として、たとえば、経費削減が優先し、形ばかりのシステムになっていないか、成果ばかりを追い求め、効率だけが優先していないかなど生産現場の実態と人材育成システムとが遊離することなく、特に、後継者育成の視点での指導面の見直しが必要となってくる。手薄となった能力開発分野がなかったかどうか、手薄となっていればそこを重点的に強化していくことが最善策と思われる。他方、指導者の育成にあっては、監督者訓練等を参考に、計画性を持った育成を導入し、後継者の可能性を信じ、決して指導者の過去の経験を過信することなく、押しつけず、己がそうであったように未来への展望を約束し、工夫と創造性を確保する取組が重要であろう。(今回で最終回です)