枯れ枝にモズがとまっていました。この時期、単独で行動しています。鳴き声は甲高くよく響きます。
この方法が採れる原因と考えられることは、下位の職員が上位の職員の業務内容を知っているからに他ならない。言い換えると、下位の職員の業務姿勢は、トップの立場や考えを日頃から知り得る機会が構築されていることになる。この話をすると、トップは不要と言うことか?との疑問を投げられる。それぞれの役職は役職としての業務があり、職員管理、外部機関からの資金調達や、関係グループとの協力体制の調整等、管理者としての業務はなくなるわけではないと答えるが、残念ながら、納得してくれない。同様に、我が国独自のQC活動としての小集団活動や、5S、ZD運動や提案制度など社員からの発案は、改善を期待してのことで、意志決定の根底に流れる企業文化なのであろう。
更に、ジョブローテーションの役割が大きいといえる。ジョブローテーションは、将来を見越した人材育成や、不満分子の左遷をも含むが、主たる機能は、意志決定を素早く行うことを意識した制度と考えられる。関係部署を異動することによって、関係部署が抱える問題や、業務内容を直接担当するため、精通することができる。この経験の蓄積が、全社的な広い視野を持つことに貢献しているといえる。
自分の考えとしては、経済活動の低下が叫ばれており、短絡的な批判も多い中、意志決定方法まで簡単に変わるとは思えない。我が国独自といえる企業文化の中で、年功序列制賃金体系が作られたのであり、現在でも企業のコア社員や官公庁のほとんどの職員の給与は年功序列制賃金である。
転勤やジョブローテーションのない欧米企業のような資格一辺倒で同一職種同一賃金が理想であって、迎合する要素はあったとしても、長年培われ、洗練されたボトムアップ意志決定方法が持つ様々な企業文化までも、強調して言うが、本質的に換えていく原動力にはなり得ないと信じている。(今回で最終回です)