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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

PDCAの意味(3回シリーズその1)

2013年01月07日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 Plan-Do-Check-Action の頭文字を取ってPDCAとよんでいる。物事の過程を4つのステップで表し、計画-実行-評価-対応(改善)のことである。行政の手法にも取り入れられているが、本来は生産現場の不良品対策から生まれてきた品質管理手法(QC活動)で、提案制度とともに職場改善に役立て、職場の合理化や生産効率の向上を目指している。
 PDCAはサイクルさせるのでAの後にはPがくる。唯単に、ぐるぐると回わすのではなく、スパイラル性を持つ。つまり段階的に螺旋を昇るイメージである。

 職業能力開発の現場でPDCA方式を活用し、訓練計画が実施された結果を一定の評価基準でスクリーニングし、改善点を見つけたら次の訓練計画に取り込んでいく。理想的にはその通りであるが、問題点も含んでいる。
 例えば、大型構造物を造る場合を考えてみよう。設計図を描き、工事をし、完成させた後、不具合が生じたら改善できればよいが、基礎からやり直しとなると構造物を壊し再度建て直さなければならない。壊す費用や手間を考えると、PDCAは向かないことがわかる。
 人材育成においては国際基準のISO(10015品質管理部門に訓練のガイドラインが設定されている)にも取り入れられており、開発途上国への導入が図られているが、そもそも人材育成で評価が低い場合、改善を行っても、間違った教え方はそう簡単に改善できるものではない。人材育成はそもそも失敗が許されないのである。

 指導の原則に、最初経験の法則といって、最初に間違った方法を覚えると後まで習得が悪く、正しいやり方で最初から覚え直さないと悪いやり方は改まらず、修正するには、ほとんど不可能だからである。したがって、PDCAをどのような目的に使うかが導入の前提となる。古来、文章作成の世界で使われている起承転結とは意味が異なる。(次回へ続きます)