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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

修正鬼会(しゅじょうおにえ)(2回シリーズその2)

2013年01月19日 00時00分01秒 | 緑陰随想


修正鬼会に登場する荒鬼は神仏の化身であり、祖先が姿を変えた霊(言霊)とされています。現在では隔年交代で成仏寺と岩戸寺で行われ、豊後高田市の天然寺では毎年行われています。

修正鬼会という全国的でも珍しく、この時期にはふさわしい祭事である反面、最近では、観光行事となり、地元の居住者よりも観光客や、カメラマンなどが多く、見物に訪れるようになり、前年の厄を落とし、新年を迎える本来の素朴な神仏との交流の場とは異なる側面もあるのですが、過疎の村落はますます過疎となり、檀家が減り、廃寺が増え、出張僧侶も見られ、徐々に祭事の継続を危ぶむ声も聞こえるようになりました。

観光化することには依存ありませんが、唯珍しいだけで過ぎてしまう虚しさを感じ、歴史や風俗、習慣がなぜ行われてきたかの背景まで踏み込んだ考察が必要であると想いました。たぶん、伝統の継承には、子供の頃からのすり込みが繰り返されることによって定着する長い時間が関与しているようです。

神と仏とが複雑に絡み合う独特の文化が西国の国東で発展し、年中行事として現在まで引き継がれてきたことや、寒中の屋外では氷点下のこの時期に徹夜で行われている祭事であることに驚くとともに、いにしえの風習に想いを馳せることができたことを思い出した次第です。(今回が最終回です)