ノスリはトンビと異なり、飛んでいる姿を仰ぎ見ますと、白色に輝いて見えます。ハヤブサとは嘴の色と主翼の形が異なります。
大分県国東市は大分空港から車で30分のところにある国東半島の東に位置しています。
古くからこの一帯は六郷満山と呼ばれ、仏の里として観光地になっています。六郷とは、来縄(くなわ)、田染(たしぶ)、国東、武蔵、安岐、伊美地区のことで、天台宗の拠点が置かれ、本山(学問の地)、中山(修行の地)、末山、(布教の地)の3拠点に分かれています。
今回ご紹介する岩戸寺は28寺のうちの一寺で、すべての寺は1200年前に宇佐八幡神の仁門菩薩によって開基されたと言われています。旧暦の正月7日に行われている修正鬼会は、大晦日の夜に悪鬼を払う宮中行事である追な式が変化した鬼祭りと火祭り、正月行事である修正会とが合体したといわれる祭事です。儀式は、日没とともに、介添え役の青年が滝壺の水で清めた後、4本のたいまつを点火し、境内講堂に続く参道に立て、講堂での僧侶の読経開始後、下駄を履いた僧侶2名による香水の舞、荒鬼を招く鈴鬼の舞が行われます。
既にここまでで6時間は過ぎたのでしょうか、読経は続いていますので、僧侶も眠くなるようで、地域の氏子から竹にさして焼いた芥子餅が僧侶にまず振る舞われます。氏子の話では、芥子餅を食べて僧侶が眠るのを防ぐとのことでした。その後、参列した全員に芥子餅が振る舞われます。冷え切った身体に、焼きたてで、芥子で真っ赤に塗られた餅は体を温めてくれます。ようやく最大のイベントである、若い僧侶が全身を荒縄で縛り付け、鬼の形相の仮面を付けた荒鬼の登場です。
仮面には角がありません。家内安全、五穀豊穣、無病息災を祈願し、僧侶が扮した赤鬼(愛染明王の化身)の災払(さいばら)鬼と、黒鬼(不動明王の化身)の鎮(しずめ)鬼の2体がたいまつを持って境内を所狭しと、大声を立てながら、暴れ回ります。その後、午前0時を過ぎると、早朝まで境内から出て地区の家々をお祓いに回ります。(次回へ続きます)