鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

和風総本家番組より(2回シリーズその2)

2013年12月11日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 バヌアツテレビ局の若手スタッフ4名は、カメラマン、録音、レポーター、総括責任者で、男2女2名であった。日本の紹介といえば、名所旧跡や、日本食、近代国家としての高度な技術力などお決まりのパターンであるが、バヌアツの企画はそれらもあったが、彼ら独自のテーマとして、祖国の童謡で歌われる動物のカバは見たことがないため、動物園での紹介、都内でのゴミの分別収集、温泉の紹介、日本庭園枯山水波紋の意味等であった。

 日本が高度に発展した国の背景に、ベースとなっている伝統文化との共存があり、自然との融和や子供の頃からのしつけや教育が緻密に係わっていることの賛辞があった。日本人の我々でも日頃当たり前と思っていたことが、羨望の目で賞賛されると、うれしい思いをするが、そうではない国にとっては感動を与えるようである。

 レポーターの離日前の一言は来日が初めてであったが、来日前に知った日本はファンタジックの国で、日本の文化に触れ、これが現実であると絶賛していた。そのように評価されると日本人にとっては大変名誉なことでもあり、再認識した次第である。

 以前来日した開発途上国の行政官との雑談で、あまたいる生物の中で、人間として生まれることの偶然は、確率からいうと殆ど0に近い。四季があり、平和で、高度な文明を享受できる日本人に生まれることは、更に、可能性として全くないといっても過言ではないとのことであった。

 果たして日本人に生まれて現代を生きる者にとって、多くの外国人が持っている、このような考え方を知っている者がどれだけいるのであろうか。日本は異国であり、特別な国であり、原爆を落とされ、敗戦を経験し、最近では地震による津波被害、原発の放射能汚染で被災した特殊な国である等と、異端児的な発想を強調して、対外的に発信してきたのではないであろうか。一方、外国人から見た、日本人を羨む思いはこの日本紹介のビデオでも貫かれているのであるが、放映を見て自画自賛するだけでは意味がない。
 利己的で便利さや贅沢を求め続けることは止めようもないが、日本からの情報発信は、謙虚な気持ちに立って、他国の幸せに積極的に手をさしのべることの必要性を実感した。(このシリーズ最終回です)