鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

大分雑感 食材(2回シリーズその1)

2013年12月12日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 大分で油揚げといえば三角形が定番である。それも分厚くて大きい。軽く炙ると香ばしい香りがして、醤油に浸けて頂くと酒のツマミには良く合う。いなり寿司はこの三角形の油揚げを使う。湯通しし、余分な油を取り除き、油揚げを甘辛く煮るのは関東と同じであるが、三角形の頂点から底辺に向かって二等分に切り分けると、三角形が二枚出来る。そこに酢飯を詰め込むと三角形のいなり寿司が二個出来る。酢飯を詰め込むと切り口が楕円となり、その面に飾りの紅ショウガの千切りや寿司の花(ピンク色をしたデンブのこと)を置く。寿司飯に味付けした椎茸や山菜を入れることもある。これを二個も食べると満腹となる。

 結婚後は川崎で暫く生活していたが、母子福祉の仕事をしていた母親と一緒に住んでいた。食事は女房が主に作っていたが、仕事に出かける母親の注文で、いなり寿司を造ることになった。女房は近所の豆腐屋に行き、三角の油揚げを注文したが、関東では長四角の油揚げしか売っていない。仕方なくそれを購入し、さて半分に切ると大変長い三角形となり、こんな長いいなり寿司は見たこと無いと考え、両端を三角形に切る。2枚出来るが、余分な部分が多すぎる。結局、これらは具にすることにし、小さな三角形のいなり寿司を沢山造った。

 母親が仕事から帰って食卓を見て、「まあ、小さくてかわいいお稲荷さんだこと、良く造ったわね!」賞賛の声をあげた。女房の苦労した話をし、大笑いとなった。後日談であるが、長四角を斜めではなく直角に半分に切るとは気が付かなかったとのことで、三角のいなり寿司しか知らなかったようである。寿司の花を食品店に行って聞いたところ店員が「カンピョウですか?どちらから来られたの?」と聞かれ、このピンク色のものを指さし購入できた。カンピョウはカンピョウであり、全く失礼な店員だと憤慨することしきりであった。

 近年焼酎党が増え、居酒屋では全国の焼酎が並ぶ店も多い。大分では二階堂酒造の麦焼酎が吉四六(きっちょむ:民話のとんちの主人公)という商標で販売されている。当時から大分で酒といえば焼酎であった。すっきりとした味で、二日酔いはしない。40度の焼酎をそのまま茶椀に入れて飲む、豪傑が多かった。日本酒が飲みたければはっきりと日本酒といわなければ焼酎になってしまう。(次回へ続きます)