鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

トレーサビリティ

2015年05月02日 00時00分01秒 | 紹介

 最近良く聞く言葉にトレーサビリティ(traceability)追跡可能性がある。Trace+abilityの結合語であるが、流通の場で用いられている。食品の分野では、BSE問題、狂牛病にかかった牛肉の流入規制があった。遺伝子組み換えの作物、産地偽装、食物アレルギー問題等食の安全の意識は高まっているが、誰が、何時、どこで、どのようにして生産されたのか等を追跡し、問題の原因を探し出す必要性から生まれてきた言葉である。

 

 流通の範囲は広く、食品に限ったことではないのは明らかで、流通革命といわれているほど、我が国の流通システムは発展している。世界中を見ても、ネットで注文した翌日に注文した製品等が我が家に届くことは、世界中の国で驚愕の目で見られている。配送料も無料であるときもあるが、居ながらにして何から何までネットで購入できる。更に重要な展開は、宅急便業者のサイトにはいると注文番号を入力すれば、現時点での製品の出荷状況が明らかになることである。これはまさしく、トレーサビリティの技術が使われている結果である。

 

 これを可能にしたのは、流通の各段階における集荷ターミナルを持ち、海外との窓口も持っていて、集荷から配送、到着地点までのリアルタイムで判る情報端末としての荷物それぞれに付いたICタグによっている。先日もご紹介した宅急便のヤマトが持つ横浜ターミナルであるクロノゲートと呼んでいたが、ベルトコンベアによるほぼ無人化で行っている区分け作業のスピードと正確性は飛び抜けていた。

 

 トレーサビリティは対象となる物品を観測可能な物理量により定量的に記録される。しかしながら、計測結果が一定でなく、バーコードなどの限界もあり、完全化するまでは暫く時間がかかりそうである。一部家電製品や自動車などのリサイクル資源の処理についてもトレーサビリティが求められている。総ての生産品等に適用できるかがポイントとなるが、生産段階での製品テストが万全でも、経時変化や、消費者に亘ってからの取り扱いなどによって、人が介在する事による人的ミスも起こりうる。欠陥商品かどうかなどは、流通過程が複雑化するとトレーサビリティをバックさせても原因にたどり着かない場合も起こり得る。

 

 物流管理の前提は、介在する人間のモラルによっていて、幾らバーコードで管理していても、意図を持って不正を行えば、最終消費者までいってしまう。盗難や運搬時の雑な取り扱い、製品の保管場所等の管理の上に成り立つ世界で、信頼性の持続的管理が徹底されていなければ、産地偽造や、原材料の不正表示は無くならないのかも知れない。