竹藪の住処から飛び出したシメです。
明日は立春、暦の上では春に入る。今日はあちこちの神社や家庭で豆まきが行われ、福を招き、災いを追い払う儀式である。数年前より、誰が仕掛けたのか、西方から恵方巻きを食べる習慣が生まれ、関東でも根付くかに見える。ちなみに今年は丙(ひのえ)で、恵方は南南東といわれている。こちらの方角に向いて海苔巻きにかぶりつくようであるが、その食事風景はどうもいただけない。
とはいえ、毎年自家製の恵方巻きを作ることにしている。炊飯は5合を2回、1升であるが、炊飯ガス釜が5合炊きのため、2回である。作った恵方巻きと細巻きは、太巻き8本、中太巻き4本、細巻き15本である。具材はマグロ柵取り2枚、かんぴょう、椎茸、キュウリ、芹、かにかま、デンブ、納豆、卵焼きである。仕込みは2日前から、乾燥椎茸とかんぴょうは水に浸し、戻すことから始める。市販品は、マグロ、かにかま、デンブ、いくら、卵焼きであり、納豆は挽き割りを注文した。
昨日には椎茸の甘露煮とかんぴょうの味付けを済ませた。椎茸の甘露煮はコツがいる。一昼夜水に浸すとだしが出るのでそれを捨てないで使う。へたを取り、乾燥椎茸200グラムに対してカップ3の砂糖を加え3~5時間弱火で煮込む。最後にカップ半分の醤油を加え、一煮立ちしたら火を止める。併せてかんぴょうは塩でもみ洗いをし、15~20分間熱湯でよく煮る。水にさらした後、椎茸の煮込む途中(1時間ほど前がよい)で一緒に煮込む。これによって椎茸が一層柔らかくなる。火を止めて味を椎茸とかんぴょうに含ませる。煮物に共通することであるが、冷めていく段階で味がしみ込んでいく。
海苔巻きに使う具材が揃うといよいよ仕込みにはいる。海苔は縦方向に使い(のの字巻き)、太巻きと細巻き用に海苔を半分に切って準備する。卵焼きは1パックを8本の細長い四角柱に切っておく。マグロも同様に四角柱に切りそろえる。含め煮の椎茸は細く切り、かんぴょうの海苔の横方向の長さに切る。芹は熱湯で1~2分茹でて長さを揃えておく。キュウリも長いまま縦に切り目を入れ四角柱にする。
酢飯は、昆布を入れて炊くと良い。炊飯後15分放置し、酢に砂糖と塩を入れた液を準備し、すし桶にシャリを入れて上から全体にかけ、混ぜながらうちわで風を送り、あら熱を取る。巻きすに海苔の上にシャリを5ミリほど載せて広げ、さらに半分に切った海苔を載せ、5ミリほどシャリを載せる。手前に具材を載せて巻き込めば太巻きのできあがりである。