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二・ニ六事件とは

2016年02月27日 00時00分01秒 | 紹介

 日本近代史の中で学ぶ事件である。昭和11年(1936年)2月26日朝、陸軍青年将校が反乱を起こし、内務大臣斉藤実、蔵相高橋是清、陸軍教育総監渡辺錠太郎等を暗殺し、首相官邸付近を占拠した事件である。東京に厳戒令が敷かれたのち、29日までにほとんど全員の帰順が終わった。五・一五事件、新兵隊事件、永田軍務局長暗殺事件等を経て、急遽高まったファッシズムの現れであり、この結果、議会は全く無力化し、軍部独裁がますます強化されることになる。

 

 高橋是清は1854年に誕生し、1936年に死亡した。政治家、財務家であり、日本銀行に入り、43年に総裁、後、政友会に入って、重職となる。原内閣のときに蔵相、原の死後、首相となり、政友会総裁であった。

 

 二・ニ六事件は鎮圧されたが、軍部はこの勢いを利用し、さらに勢力を伸ばし、ついには直接・間接に政治を掌握し、陸軍の独裁制を樹立する。1940年、大政翼賛会が成立して、政党はすべて解散させられる。ファッショ体制はいよいよ強化され、間もなく太平洋戦争の敗戦によって、ファッショ体制が崩壊するのである。

 

 ファシズムとは、第一次世界大戦後、イタリアに出現したファシスト党の名称によって付けられたもので、極端な国粋主義、全体主義、軍国主義に立脚して、自由民主性を真っ向から否定する一党独裁の独裁政治である。それは国家による社会主義を標榜し、ある程度資本家の利潤を図るものであった。ドイツのナチス党の政治もこの類である。日本のファシズムはドイツ、イタリアのファシズムのように、特定の政党に率いられた大衆運動として起こったものではなく、軍部・官僚・財閥の上層部の思惑として展開された。ここに、ヨーロッパのファシズムとの相違はあるが、その政治的・経済的・社会的性格から見て、一つのファシズムとみなすべきものであろう。

 

 すなわち、満州事変後の陸軍は、明治憲法下で保証された軍事上の特権たる統帥権を持つことで、政府からの独立を利用して、政権獲得の歩みを進め、政党政治を排し、言論の自由を奪い、共産主義、社会主義、自由主義運動を弾圧し、日華事変・太平洋戦争を遂行してついに失敗する。ここにファシズムは一挙に崩壊した。

 

 その経過を見ると、満州国の独立宣言が発せられて間もない時期に軍部革新派の青年将校たちは、総理大臣、犬飼毅を暗殺し、ここに政党内閣は否定された。いわゆる挙国一致内閣が生まれた。歴史がくりかえされることがないよう、衆目が必要なことは間違いない。