普段の生活において、当たり前のことの理由がわからないでいるのは、どうも落ち着かない。人に聞いても分からないとか、質問自体の理由を問われる。相手も分かっていないのだなと思いながらいるが、その中で、1年は365日であり、4年に1回366日になるうるう年(閏年)がある。日数からすると4年に1度どこかの月で1日を加えればよいだけであるが、地球が太陽を1周する周期に誤差があるためで、その調整日としてうるう月があり、その月を含む年がうるう年となるのは誰でも知っていることである。
ではなぜ2月だけが28日で、あるのかということである。閏年は28日に1日加え、29日にするが、これでは答えにならない。その理由はローマ時代にさかのぼることになる。紀元前8世紀ごろにローマで使われていたロムルス暦では1年は10月分しかなく、3月から始まり12月で終わっていた。3月は31日、4月は30日、これが交互に繰り返される。しかし、9月は8月に続けて30日であり12月の30日であった。1年に日付は304日と冬の期間であった。冬の期間は月がなく農作業中心の社会は休眠期で日付は必要なかった。
その後ローマの王で、マヌ・ポンピリウスは冬に期間に月を3か月間加えるヌマ暦を制定する。30日や28日は偶数日であるが、偶数が不吉であるとの迷信があり、31日と29日に改められた。トータルすると355日で、どうでもよい2月は28日であった。残る10日は2年に一度うるう月を設け、うるう月の調整には2月が用いられていて、23日や24日となっていたようである。
その後(紀元前45年)、ジュリアス・シーザ(ユリウス・カイサル)が現在使われているユリウス暦を制定した。そして始まりの月は1月(ジャヌアリ)となり、31日と30日の暦ができた。この時も古くからの習慣となった2月での調整が行われ、閏月は2月で調整されたため、28日と29日がある。8月(オーガスト)は、古くは29日であったが、アウグスタス(カエサルの後継者)が勝手に彼の誕生月を自分の名前にし、併せて31日と決めたようで、7月・8月が31日となったといわれている。現在はこのシリウス暦が世界標準となっていて、平年は365日であり、うるう年は4年に1回2月が29日になっている。
ローマ時代とはいえ、為政者が暦を制定する仕事とともに自分の名前を月の呼び名にし、日数を変えるなどすごいことを行ったのには恐れ入る。2月が名前もなく、調整に使われていたため、うるう月に使われたことが分かった。現在では秒単位での修正が行われていて、今までに何度か経験している。うるう秒である。