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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

年度初めの震災その2

2016年04月21日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 地震の怖さは次に発生する地震の規模や地域に予想が付かないことであろう。一瞬のうちに安全とされる家屋を崩壊し、大切な人命を奪う。生活に必要なインフラを変えてしまう。道路網は崖崩れや、地盤の変形等の発生は、安定した物流を不可能にしている。高速道路の閉鎖、新幹線の脱線、航空関係では、離発着が不可能になる。この地震に伴う復旧は目途が立たない。このような状況にたいし、被災者は想定すら不可能な状態に直面することになり、判断力が低下し、主体的に行動できなくなる。

 

 今回発生している地震の特徴が僅かではあるが明らかにされつつあり、そのメカニズムもいずれ、分かることになるが、解明には検証が必要となり、一定の時間を要する。解明したとしても現状復帰だけでも莫大な人出と時間、費用がかかる。特に課題であるのは、被災者の立場に立った精神面のケアの重要性である。震災体験は大切なことであるが、それを他者へ伝達しても、経験していない方への共有はほとんど成果は上がらないのが実態である。決して、一過性の物ではない。その理由は、規模が特定できないし、被災現場が同じではないからで、ケースバイケースとならざるを得ない。

 

 安全な身の確保は、せめて、シェルターを至る所に作る他はない。いざというときの非常持出品も、役に立たないばかりか、長期間の生活を想定していない。地震に遭わないようには出来ないため、地震列島という我が国には時を選ばず、場所を選ばずの地震発生の可能性が排除できないのである。

 

 地震予知は過去の経験をベースによって組み立てられてきた。そのパターンは地殻変動のひずみの蓄積という説で、一定の蓄積が何かの契機で発散すると起こるとするものである。この発散は、劇的な物からゆっくりと起こる物までいくつかあるようで、津波のメカニズムと連動している。予兆は、地震発生前に起こるとされるP波とS波である。しかし、総ての地震の蓄積量が把握されているわけではない。現在の地震予知手段は総てに適合できるような判断が不可能であることは分かっていて、予知の適応困難性がある。人は自然を制御できていないともいえるが、予兆自体もある場合と無い場合とがある。

 

 地震の研究は今後も国を挙げて持続していかなければならないであろう。情報の蓄積と分析、想定範囲を拡大し、その対策をケースごとに地道であるが行っていく必要がある。度々の地震発生が、経済活動の停滞や生活への意欲や気力を失うことのない状態へ持っていくための情報発信と施策を国に求めたい。自然災害を理由として、諦めるのではなく、優先順位第一は震災による早期の被災者救出と行政の怠慢による二次災害だけは極力避けなければならない。