鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

緑風

2016年04月24日 00時00分01秒 | 紹介

 新緑の風に当たりながら植物のことを考えてみた。時期的に早いが、青葉を渡る風を緑風という。初夏の風のことで、新緑といえば、初夏の若葉のことで、みずみずしい緑が印象的である。新緑が燃えるとの表現もあるが、萌えるといった方が雰囲気が出る。今の時期にふさわしく、身体に当たる風がなんとも心地よい。きっと若葉から発散する物質が森林浴と同じような効果があるのかもしれない。

 

 ソメイヨシノに変わって八重桜や山桜が満開となっている。八重や山桜は花よりの葉が先に出るため、鼻より歯が先に出ているので出っ歯の人を揶揄して言うこともあることを思い出した。

 

 サクラやそのほかの植物が一斉に開花するのは、同族・同種同士の受粉に影響する。花が開花する花粉が飛ぶことで、受精するため、できるだけ雑種を作らないようにするためのくふうであり、種の保存のためのようである。開花するにはそれなりのエネルギーを使うため、できるだけ短期間に受精できるように何らかの情報物質が関与している。

 

 植物のこのような性質や能力は、自然界の温度、湿度、日照時間等の変化を多分に利用していて、まだわからないホルモンやどのような条件が揃えばスイッチが入り活動に結びつくのかなど、知らないことが多すぎる。動物のような脳に変わる感覚器官があり、全体として、または部分において様々な反応が起こる。枝に葉が生える順序や、形等も不思議なことが多い。

 

 医薬品の多くや、漢方薬は、植物の葉や根、樹皮、果実等を利用している。南米のアマゾンで暮らす原住民のシャーマンは2000種に近い薬用野草を知っていて、実際の治療に使っている。世界の代表的な医薬品メーカーも、植物を原料とした薬品の研究に熱心であると聞く。未だ発見されなていないガンに効果的な漢方薬なども見出せるかもしれない。

 

 実際に現在でもコカインはコカの葉を利用しているし、アヘンは鬼ケシの果肉部から出る乳液を精製したものである(モルヒネを成分とする麻薬)。植物には様々な薬用成分があることは知られている。植物のさらなる研究は環境にも、食物としても、医薬品としてもまだまだ利用できる可能性を秘めている。化学薬品に取って変わることで、快適で、リサイクルが効く循環社会の実現はまだ緒に着いたばかりである。ミドリ虫から航空燃料を作り出して、飛行機を飛ばすなどの研究は実用化に近い。