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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

君子は豹変する

2016年05月04日 00時00分01秒 | 紹介

 中国から来た古典である格言は深い意味を持っている。しかし、必ずしも本来の意味とは異なる解釈がなされ、そうであると思っていることもある。君子豹変はその代表格かもしれない。君子とは些細なことに感情を動かしたり、誘惑にあって自分の初志を見失い、困難に遭遇してくじけたりすることがない、理想的な人格者のことである。君子危うきに近寄らずの格言もある。通常、為政者についていったりもするが、必ずしも、選挙で得票数を伸ばし、人望があるとされる議員が、賄賂を受け取り、陰では為政者としてふさわしくない行為に及び、タレこみ等で暴露し、失脚する例は多くある。

 

 前都知事は、その前の都知事の推挙があり、副知事に就任していたが、推挙した知事が辞めた後、選挙によって知事に就任した。しかしながら、東京五輪誘致を果たした後、多額の個人的資金が必要となり、然る人から借金したが、その授受を巡るトラブルで、失脚した。最近になって、現知事の公用車を私用として使っていたことが判明し、物議をかもしている。この段階で前都知事の出る幕がないにもかかわらず、テレビ討論等での発言があるようで、豹変の部類に入るかもしれない。

 

 豹変の本来の意味は、ヒョウの毛皮は美しいため、良い方向に向くとの意味である。その意味を反対に解釈している方が例示したように、多いと思われる。つまり悪い方向へ向かうこと、賛成の意向を示していた議案に対し、何かの契機で、反対にの意思表明を行うことについて、誰々は豹変したなどと使われている。何かの契機とは、上層部の圧力や、多額のわいろを受けることなどよからぬことが原因している場合が多い。間違った解釈の中に、優しかった猫が突如猛獣のヒョウに変わるなどと勝手な解釈がありそうである。

 

 時代は常にとどまるところを知らずに変化している。その中で人々は日々過ごしている。周りが変化しているのに頑なに固持する頑固者もいるが、変化に取り残されないように自らを変えていく必要があるのである。良い方向に発展し、向上し、変革していくことが望まれる。つまり豹変することなのである。

 

 君子危うきに近寄らずは世の中には誘惑が渦巻いている。賢い人は、そのような誘惑を避け、誘惑に負けることをしない意味である。詐欺なども言葉巧みに人を貶める目的で、誘惑や弱みに付け込む手口であるが、先ずは己に降りかからない状況を作り、賢くあれということであろう。