鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

爆買いの契機

2016年05月09日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 ゴールデン連休が終わり、海外へ旅行していた若者や家族連れは、カートに山積みとなった荷物とともに空港出口へと向かう。例年おなじみの光景であるが、最近は宅配便を利用する帰国者が多いように思う。到着カウンターには旅行ケースやゴルフバッグ、サーフィンや自転車まで並んでいる。大方の大型荷物は宅配便のカウンターで手続きすれば、受け取りの日時を指定できるため、若干の荷物を持って帰ることで済むようである。

 

 一時ほど爆買いによる主として中国人観光客と思われるが、少なくなったようである。大量に買い入れた家電製品や化粧品、薬等は、梱包を解いてバッグに詰め込む、従って空港の出発口のゴミ箱はゴミの山となったそうである。購入した店にとっては有り難いお客様であるが、空港にとってはいささか迷惑とのつぶやきも聞こえそうである。そこで、観光客の目的が変わってきたとの話を聞くが、日本文化の体験を希望する観光客が増えているといえる。和服の試着、うどんそばの作り方、すしの握り方や海苔巻きの作り方、理美容、歯科や眼科、エステサロン等我が国ならではの体験は、衣食住にわたって人気のようである。

 

 このトレンドは、掘り下げればもっと広い範囲があると思われる。家電製品の良さばかりではない。また自動水洗トイレも世界中で称賛されている。薬や医薬品も品質が良く、衛生的で効能がはっきりしているからに他ならない。あらゆる製品が品質を重視してきた特性を知っているからであろう。国内では作り手やなり手が減ってきた職人の世界が海外から評価を受けている。

 

 すべての伝統産業が必ずしも職人にとってよい作業環境ばかりではないが、海外からの評価が国内に伝われば、職人にあこがれる若者も増えることが期待される。そうなれば、再考のチャンスは生まれてくる。華やかさはないが、長い下積みを経て、多くの経験を重ね、消費者のニーズにこたえるための努力は惜しんではならないであろう。

 

 ここに至るまでに培われた制度、システムが功を奏してきたともいえる面が多いに考えられる。下水道一つとってもそのルーツは庶民文化であり、江戸時代に遡ることができる。

 建造物における耐震性は、芯柱を固定しない五重塔で実証済みであり、千年の時を刻んでいる。母子手帳、医療分野における高度医療システム、道路交通網(信号システム)、鉄道の正確な運行(ダイヤグラム)等多くのシステムに実績を持つ我が国である。次はシステムの爆買いが生まれることを期待している。