鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

インテリジェンスの意味

2016年05月27日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 インテェリーというと、日本語では、知識を持つ高度な人間を指し、一目置かれる存在である。インテリゲンチャー、ドイツ語からの派生した日本語であり、知識階級に属するとされる知識人を指していた。最近はさほど語源の意味を忠実に表す言葉として用いられていないが、単なるインテリといえば、しちめんどくさく、理屈っぽく、頭でっかちを指し、卑下して言う場合もある。インテリジェンスといえば、知性、理知的など英語の直訳で用いられる。古くはルンペンインテリゲンチャーと呼ばれる集団があり、貧乏学生を指していたようである。

 

 そのことをもっと時代を遡れば、、ギリシャの哲学者を形容していった、太った豚になるより、痩せたソクラテスになれ、鶏口となるも牛後となるべからず、武士は食わねど高楊枝等、貧乏学生を指していったようであった。これは、インテリジェンスの一義的な意味を受けた言葉であるが、最も一般的な意味は重要な情報を指し、軍事的、政治的な秘密情報を集めることをいうのに使われる。つまり、情報(諜報)機関、情報部をいうのである。諜報機関といえば、ジェームスボンドが所属する機関、スパイ活動そのものである。インテリジェンスビューロといえば、KGBやICA等の諜報機関を指し、我が国では既に消滅しているが、陸軍中野学校がそうである。

 

 ボーイスカウトで使われているスカウトとは、斥候(せっこう)の意味であり、軍事作戦上の諜報の意味も含めている。自分が子供時代に父親が健在の頃、ボーイスカウトに入りたいといったところ、やめておけといわれたことがあった。その理由は、子供を集めての戦争ごっこだとのことであった。最近でも地域にはボーイスカウトやガールスカウトが活動を行っていて、細々と多摩川で野営等をしているのに出くわす。今のボーイスカウトはだいぶ様相が違っていて、一種の野外スポーツ教室に変貌している。

 

 スカウトの意味を承知しているのかどうかは知り得ないが、戦争を経験した者にとっての諜報、スパイ、情報は現代の我々とは異なる意味合いがあったのであろうと推察しているところである。しかし、安全で生活できている裏には、防衛活動であるジェット機によるスクランブル発進は連日おこなわれていて、中国やロシアが我が国に対する脅威となっており、諜報活動が消滅しているわけではない。最近のコンピュータによるウイルスの拡散や、口座を盗み見するスキミング、バスワードを見破り、本人になりすまして犯罪を行う一種のサイバーテロも意識していないといけない事態にある事を考えれば、インテリジェンスの意味ぐらいは分かっていてほしいと思った次第である。