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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

市民アカデェミー16前期第4回目

2016年05月21日 00時00分01秒 | 日記

平成28年5月20日

 

 映像の世紀が終わり、今回からは海のシルクロードが始まった。15後期で講演者であったNHKシルクロード取材団団長鈴木肇氏の再登板である。自己紹介の後、最近、莫高窟で有名な敦煌(とんこう)へゴールデンウイークを利用して見学に行ってきたことのエピソードが語られた。

 

 陸のシルクロードの後編としてNHKスペシャル「シルクロード」の後に企画されたもので、現在、中国が海洋権益を増大させていて、その政策路線に重なるようであるが、ヨーロッパへの海上交通に力を入れる事で、貿易や人の流れを作る目的のようであるが、今回の講座ではどこまでそのあたりに踏み込まれるのか興味が湧くところである。

 

 今回は、地中海のシリア沖合での古代沈没船発掘調査についてであった。その企画は、奈良県と奈良市が企画した奈良シルクロード博覧会とうまく重なり、NHKでは調査費用が出せない中、奈良県の方での予算化ができたおかげで、撮影が可能になったとのことであった。企画制作にあたった鈴木講師の弁によれば、NHKでの上層部との意見の相違等があり、DVDとして作品ができるまでには、人事問題もありで、難産であったようである。

 

 前回も紹介したが、シリアのアサド大統領との面会で、調査がスムーズにいった話や、パルミラでの日本人獣医師がもめ事を上手に解決してくれた話も出た。海中の調査は調査機器を台船に乗せて現場まで曳航し、そこから海中に潜って沈没船の荷であったアンフォラを5000個以上発掘したようである。後日の年代鑑定によると13世紀ぐらいの品で、マルコポーロが東方見聞録を書いた時代であったとのことである。

 

 海上ではロシア製の軍艦が行き来していて、シリアとの関係が良好であったのは、最近のイスラム国との内紛でもロシアがシリアを支援しており、古くからの同盟関係であることを伺わせていたとの印象が語られた。海が荒れるため、年間で、期間的にも3か月の調査しかできず、3年に上る調査であったようである。DVDへ落とせば、1時間足らずの録画であるが、多くの人材と費用、時間を要する膨大な成果である。因みに調査費用は10億円とのことであった。

 

 さりげない口調で語る鈴木氏は、こうした大事業を企画され、本人も取材班の責任者としてご苦労されたわけであるが、改めて立派な人物であることが分かった。本音で語る世界は大変面白く、90分の講義はあっという間に過ぎてしまった。