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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

イチジクジャム

2016年07月14日 00時00分01秒 | グルメ

 我が家のイチジクの木には昨年より果実がなり始めた。今年は新芽が出てからすぐに小さな果実をつけていたが、今の時期、収穫できるようになっている。しかし、梅雨期は、大きくなっても、甘みは少なく、完熟しない。仕方なくジャムにすることにした。大きさは大変大きく、握りこぶし大である。こんなに大きいイチジクが育ったことに驚いている。

 

 すでに、成長している枝には、イチジクの実がついていて、大きくなるのにはしばらくかかると思われる。このように、二回収穫できるとは知らなかった。雌雄同株であり、受粉する必要もない。無花果と書いてイチジクと読ませるが、不思議な果実である。被子植物で、クワ科である花を咲かさずに実をつけるように見えるが、花軸が肥大化し、花嚢の中に無数の花(小果)をつける。このような花のつき方を隠頭花序(いんとうかじょ)というそうである。

 

 中国から伝来したようで、蓬莱柿、南蛮柿、唐柿ともいわれていた。古くから栽培されていたようで、原産地はメソポタミア、6000年以上前から栽培されていた。地中海、古代ローマではありふれた果物であったようである。我が国には、江戸時代の初期、長崎に伝来した。果実は生食のほかドライフルートとして利用されている。果実には、果糖、ブドウ糖、たんぱく質、ビタミン類、カリウム、カルシウム、ペクチン等が含まれている。

 

 ジャムの作り方はさほど難しいわけではない。果実の外側を取り除き、短冊に食って、砂糖とともに鍋で煮込む、出来上がり前にはレモン汁を加えて風味を出す。特徴的なことといえば、ペクチンが多く含まれているので、短時間加熱で仕上がることであろう。 あくが出るわけではないし、作りやすいジャムの部類に属する。

 

 この時期イチジクは走りで、価格も高い。ジャムにするイチジクは完熟していた方が、香りが出るし、風味も強いようである。作りながら思ったことは、アダムとイブが、イチジクの葉を腰ミノに用いていたとの伝説である。イスラム世界でコーラン(クルアーン)といえば、イスラム教経典であり、この経典の95番目にイチジクのことが記されているという。

 

 宗教と密着していることは、日常生活に関係が深いということで、不老不死の果物(薬)として古くから多くの民族で愛されていたのであろう。イチジクジャムを食しながら、古人(いにしえびと)の食生活に思いを馳せたところである。