ではどのような態度や心構えで臨むかということになるが、体験できる環境があり、適切な指導者がいるに越したことはない。指導者は、親や家族も含まれるが、できれば、血縁や地縁がない者の方が良い。身内といわれる世界は甘えが自然であり、厳しさの世界を体験できないことが多い。マンツーマンの体制がベストである。指導者は、学校教育では、先生と呼ばれるが、指導者は親方、指導員、教導、教師、教育者、教授、講師など呼び方もさまざまで、所属する組織によって異なるが、要は、教育訓練の専門家である。マンツーマンであれば、四六時中付き添うことによって、受講者や弟子・生徒が、集団教育とは異なり、個人の能力に応じての教育訓練プランを作成してくれるし、進捗度に合わせて丁寧な指導が可能となる。(実際の現場では古風な指導もあり、何も教えないことを旨とする等、ある意味ばかげた世界もあるかもしれない)
この場合、指導者も生活しなければならないので、かかる費用も膨大となり、保護者としては教育費用が必要となる。車で言えば、お抱え運転手のようなもので、受講生が数人まとまれば、負担も分散されるため、安価で済む。教わる内容にもよるが、高度な技術や専門性の付与には、できるだけ公共施設を利用することが考えられる。特殊な専門性を求めるならば、選択可能な範囲も狭まるし、対象となる受講者も選別される等誰にでも門戸が開かれているわけではない。
少数精鋭を目的とする場合には、良い指導者との出会いは偶然性が高く、必ずしも一般的ではない。そこで、個人的な教育はさておいて、同学年が通う地域の施設等を利用することになろう。施設の評判等を参考にして選択されればよいが、向き不向きもあるので、子ともにとってふさわしい環境かどうか、事前に見学する等体験入学的な機会を利用された方が良い。
職業訓練に長年従事した関係で申し上げれば、短期間の訓練の成果は、就職に必要な技術的要素を段階的にまた知識については体系的に指導する。訓練は、見るだけではなく、自らが、道具を使い、工程通りに実施することが大切で、指導員がやって見せて、それと同じ動作ができるように繰り返し練習させる。ただやらせるのではなく、次の工程を考え、失敗すれば、その理由を考え、成功する方法を編み出すのである。指導者は決してすべてを教えない。世間でいう、出し惜しみや、教えてしまって立場が逆転するなど言われるが、そのようなことはない。指導者であっても、すべてが分かっているわけではなく、教えてすべてを無くすなどは考えすぎというものである。