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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

技術・技能・知識の伝承背景その1

2016年07月30日 00時00分01秒 | 紹介

 過去においても技術・技能・知識の伝承が的確に行われ、問題なく現在に至っているわけではなく、技術・技能分野においては特に後継者が現れずに技能を持った方が他界すれば、その代限りとなる場合もあるし、再現ができず、廃れてしまう分野もある。

 

 幸い、知識分野においては、文字や写真等で、保存すること技能や技術分野に比べて保存しやすいため、ドキュメント化できる。ドキュメント化についても技術分野は機械のメカニズムや原理、操作手順等はドキュメント化できる。しかし、技能の分野では、そもそも、カンやコツといった個人の感覚に依存しているため、文書としてや言葉としての表現方法で表すことは不可能であいまいとなりやすい。映像による記録で、かろうじて伝えることは行われているが、再現性となると完全な技能のコピーは難しい。

 

 技術と技能の定義自身もその境界があいまいであり、流派が生まれているように、所作の違いがある。技術は、原理原則を具現化したもので、再現性は高く、理論的な整合性を取りやすい半面、技能は、個人に内在するため、マニュアルだけでは完成せず、再現のためには個人の繰り返しによる習得が必要である。

 

 個人に依存する技能が、伝播するには、できるだけ、個人の能力に依存しない方向で、改善が加えられ、多量生産化も可能となっている。工業用ロボット生産技術など、不安定な個人に依存したテクニックを分析し、ロボットにティーチングする等が当初行われてきた。人間に代わって生産に携わる機械類は、製品完成までの工程ごとのテクニックだけではなく、システム全体の効率化を図り、ムリ、ムダ、ムラを省き工程間に発生する段取りまで組み入れている。

 

 こうして考えると、技能分野は機械等に置き換わることができる技術にとって代わり、誰でも、どこでも、いつでも生産可能となるし、技能分野は狭まってきているともいえるが、完全に置き換えることをしないのは、コストが原因している。つまり、人間が行った方が低コストで行え、人力の方が優れている分野である。例えば、セッティング、材料の選別、不良品の検査、発生する不良品対策、メンテナンス・機械の清掃等のシステム管理、危険の除去、定期的なチェック、システム改善、報告等事務部門は機械では置き換えることが難しく、どちらかといえば機械化する必要がない分野といえる。

 

しかし、今まで人間が介在していた分野においても、情報機器の導入等で、無人化の傾向が強く、センサーの導入や、監視カメラ等の導入で、完全自動化システムも取り入れられている。