風になれ

大自然のふところで山歩きを楽しむ生活。
いつの日にか、森にそよぐ風になれたら・・

塩っぱい味のカレー

2015-06-21 | 薪ストーブ


 父の日のプレゼントを息子夫婦と娘からもらった。手動ミキサーと野菜を手軽に切れるキッチン用品だ。毎日の食事づくりをする主夫業を頑張ってねという子供たちからのメッセージが伝わってきた。
 朝から家の片付けをした。お昼に土曜日に作ったカレーをチンして食べていたら、ばあちゃんがパソコンの前で凍り付いていた。スクリーンセーバーにカミさんと一緒に旅した写真などフォトアルバムを設定しているので、切り替わる写真を食い入るようにばあちゃんが眺めていた。生前のカミさんの写真も数多くフォトアルバムに登場するため、それをじっと見つめていたのだろう。ばあちゃんが一言も言わずに食い入るようにパソコンのディスプレイを見つめている姿を見て思わず涙が頬を伝って流れ落ち出した。一人娘に先立たれた老母の心情を思うと、切なさで息苦しくなるほどだった。思わぬしょっぱい味のカレーを少しずつ食べ続けた。
 午後は工房に向かった。薪ストーブの薪作りの追い込みだ。夕方、6時過ぎにようやくチェーンソーの玉切りとスプリッターでの薪作りに一区切りつけて、シャワーを浴びた。


STIHL社製のチェーンソー

2015-06-15 | 薪ストーブ


 日曜日も薪割りを続けた。
 チェーンソーはHusqvarna社製(スウェーデン)と電動のマキタ社製の2台のチェーンソーを使い分けているけど、パワー不足を感じていた。木曜日の夕方、薪ストーブでお世話になっている薪ストーブ専門店HICKORY(岡山市)を訪ねて、3台目となるSTIHL社製(アメリカ)のチェーンソー(MS 271 C-BE)を1台発注した。土曜日の午後、チェーンソーが入荷したとの電話があり、早速受け取りにいく。



 まずは試し切り。力強いエンジン音とともに、太い木もまたたくまに切れ落ちる。パワーに満足。
 今回買ったSTIHL社製チェーンソー(MS 271 C-BE)は50ccの2サイクルエンジンなので、エンジン音はこれまで使ってきたHusqvarna社製と比べると音が大きく、重量もずっしりと重くなったけど、切れ味がよくて、とにかくパワフルだ。すぐに手に馴染んだ。
 息子と二人、チェーンソーで玉切りして、薪割り機(スプリッター)で薪にする作業を交代しながら黙々と続けた。日曜日の夕方、この2日間で作った薪を眺めると満足感でいっぱいになった。
 Nice weekend !



 一俗六仙という生き方に強いあこがれを持っている。一日は俗事に時間を費やし、残る六日間は仙人のように自由気ままに野や山に生きるというわけだ。まだ現役のサラリーマンなので哀しいかな六俗一仙の日々だけど、一俗六仙を夢見ながら来週も薪割りに精を出そう。


薪取り 2日目

2015-06-01 | 薪ストーブ


 日曜日も薪を取りに玉野まで3往復した。土曜日に2往復したので、2日間で5往復したことになる。
 チェーンソーをブンブン回して玉切りにした薪を軽トラとCR−Vに積み込む。気持ちのいい汗が吹き出る。
 薪を積み込んだCR−Vの車内には、切ったばかりの樹木から何とも言えない新鮮な森の香りが広がり、幸せな気分になる。まさにアロマテラピーの世界だ。



 2日間の収穫物の薪を眺める。宝の山だ。これらの薪が冬の寒い季節に工房を暖めてくれる光景を想像すると自然とほっこりする。寒さの厳しい冬が待ち遠しく思えてくるから不思議だ。冬よ、来い。早く来い、だ。お疲れさん、と息子と挨拶を交わして工房を後にした。
 薪を取りにおいでと親切に僕に声をかけてくれたKさんに今日お礼を言おう。


薪取り

2015-05-31 | 薪ストーブ


 薪ストーブ用の薪を取りに玉野まで行き、息子の工房と玉野市を二往復した。知人から、彼が所有する雑木林の木を切り倒したので取りに来ないかという話を少し前に頂いていた。
 土曜日の朝、チェーンソーを軽トラの荷台に積んで、貝殻山の山すその目的地に向かった。空いっぱいに青空が広がる快晴だ。静かな雑木林に入ると最高の気分になった。さっそくチェーンソーのエンジンを始動させる。楡の倒木を適当な長さに玉切りして軽トラに積み込む。息子との単調な共同作業だけど、とても楽しかった。
 夕方、息子夫婦が泊まりに来てくれた。久しぶりに近くの居酒屋に行くことにした。
 話には聞いていた地域限定のキリンの一番搾りがあったので初めて飲む。あっさりした味の爽やかなビールだった。大好きな白魚の天ぷらにうまく合った。明日もまた残りの薪を取りに行こうという話がまとまり、さらに酒の味が増した。 


薪割り機の作業性と斧の楽しみ

2015-03-09 | 薪ストーブ


 午後、息子の工房に行き、薪ストーブの薪割りをした。この冬にかなり薪を消費したので、ストックヤードはかなり寂しい状態になっていた。
 まずPLOW社製の電動モーター式薪割り機で玉切りした薪を割り始める。節のある薪でも難なく割れて作業性は高い。手に負えないほどの太い薪は外側をはつる感じで削いでいくとなんとかなる。斧で割るのとちがって薪割り機を使うとどんどん薪ができるけど単調すぎる。それに、スローライフで安易に電気の力を借りてしまったという後ろめたさもある。
 ぜいたくは言えないけど、log splitterよりもaxeの方が楽しい。振り上げた斧でうまく薪が割れた時の快感がたまらないが、残念ながら薪割り機ではまるで快感が湧かない。移動手段として退屈な車で行くか躍動感のあるバイクでいくかの違いのようなものだ。悩ましい。
 玉切りの山が少しだけ減った。作業性をとるか快感をとるかの選択にこれからも悩まされそうだ。

 薪割りを終えてハンバーグの夕食をご馳走になってから工房を後にした。

 

薪ストーブの伐採木集め

2015-02-22 | 薪ストーブ


 土曜日は軽トラで玉野まで薪ストーブの伐採木を取りに行き、玉野と息子の工房を3往復した。伐採木はただの粗大ゴミにすぎないけど、薪ストーブをする者にとっては宝の山。すでに適当な長さに切り揃えられた伐採木だったので、チェーンソーの出番はなかった。
 息子の工房に3回目の薪を下ろして本日の作業は終了。そして、本日の成果、積み上った薪をしみじみと眺める。
 ただ薪の量が増えるだけで幸福感に満たされる脳の単純回路は薪ストーブを楽しむ人に共通する一種の病気かもしれない。心地よい汗がかけた。筋肉痛とともに、今も幸福感に包まれている。今年は吉井川や旭川の河川敷の伐採がなさそうなので、この伐採木の提供はありがたかった。


古い手帳

2015-01-03 | 薪ストーブ


 バイクで息子の工房に行き、片隅の「秘密基地」で薪ストーブに火を入れる。
 枝木から薪に次第に火が移り、全体が熾り出してくると気持ちがほっこりする。持ってきた去年の古い手帳を繰る。一枚一枚、めくりながら、一つひとつの出来事を愛おしむように思い出す。
 3月初めにカミさんと二人で旅した金沢。8月の終わりに自宅で子供たちと一緒に祝ったばあちゃんの米寿祝い。9月の終わりには息子夫婦と里帰りをして、池田町にも足を伸ばした。そして11月の国立劇場と皇居。
 昨年一年間を振り返ると、そこには常にカミさんの笑顔があった。なのに、今はもういない。
 たった数ヶ月前のことなのに、遠い昔のことのようにも思えるし、昨日のことのようにも感じられる。
 新年を迎えたのに、気持ちは新たになることなくまだ過ぎた日々の中に生きている。
 

置かれた場所で咲きなさい

2014-10-15 | 薪ストーブ

 渡辺和子さんの『置かれた場所で咲きなさい』を読み終えた。岡山のノートルダム清心女子大学で長く教鞭をとられた渡辺和子さんは現在、同学園理事長を務められている。
 新聞広告を見て、Amazonでポチして買ってから長く机の上に積まれたままだった。読み始めたら一気に読み終えた。短い文章に心に染み入る珠玉の言の葉が散りばめられていて、内容は重かった。



 Bloom where God has planted you. 
 置かれたところで自分らしく生きる、じぶんの花を咲かせる努力をする生き方は若い人にはすごくハードルが高いと思う。置かれたところの理想と現実の大きなギャップに、我が身の不遇を若い頃は強く思ったものだ。僕でも今の歳になると、置かれたところで自分らしく生きる考え方を素直に受け容れることができる。そういう境地の大人になったということは喜んでいいだろう。
 今までできたことができなくなるし、物忘れはひどくなるけど、老いることは悪いことばかりでもなさそうだ。謙虚に素直に、できることなら美しく老いたいものだ。


 今朝は一段と寒い。短パンで過すのもそろそろ終わりかなあ。年寄りの冷や水と言われる前に衣替えをしたほうがよさそう。




吉田調書の公開を望む

2014-08-26 | 薪ストーブ

 僕が東京電力福島原発の吉田昌郎元所長の存在を知ったのは門田隆将氏の著書『死の淵を見た男』を読んでからのことだった。本書は門田氏が吉田元所長に直接インタビューも行って、真面目で控えめな筆致で丁寧にまとめたドキュメントの力作だ。
 学生時代から長年、朝日新聞を読み続けているが、最近の朝日は特にオカシイと感じている。「福島原発で9割撤退」の記事には正直、幻滅した。もちろん朝日に対してだ。門田氏の著書で描かれた現場の状況からあまりに乖離しすぎていたから、命令に反してなんてことはありえないと直感した。表現が不正確で、あまりにもセンセーショナルに煽りすぎる。朝日は言論界のリーダー的存在の自負と誇りを失っている。週刊誌的な煽り報道は巨大メディアの報道姿勢として間違っている。従軍慰安婦問題でどれだけ朝日新聞社が国家を毀損したか、そして日本国民を貶めたか、どれだけ罪を犯したかを社をあげて反省して出直さないといけないと思う。

 そういう朝日の迷走を受けてのことだと思うけど、東京電力福島第1原発事故を巡って、政府の事故調査・検証委員会が行った吉田元所長の聴取記録が公表されることになりそうだ。この政府の判断は正しいと思う。吉田元所長は非公表を望む上申書を政府に提出されていたようだけど、このようにメディアが都合よく調書を切り取って事実をねじ曲げるのであれば、吉田調書のすべてを公表されることに故人も納得されるだろう。公表されることにより、国民の知る権利によって、吉田元所長の「肉声」の記録から何が真実だったのかを国民が自由に読み取る、感じ取ることがベストだと思う。そうしないと吉田元所長もうかばれない。9月の公表される日を楽しみにしている。

『My brother,My sister,and I』がAmazonから届いた

2014-07-02 | 薪ストーブ

 『My brother,My sister,and I』がAmazonから届いた。Yoko Kawashima Watkinsさんの『So far from the bamboo grove』の続編だ。終戦後、帰国してからの体験が描かれているようだ。筆者Yokoと姉と兄の三人で極貧の生活を力を合わせて生き抜いていく話を読むのはとても楽しみ。
 日本が攻撃を受けていなくても武力行使を認める集団的自衛権を容認する閣議決定が昨日なされた。最近、中国のアジアでの覇権的な動きをみると安全保障対策をどうするのか真剣に考えざるを得なくなってきたし、集団的自衛権を早急に明確化する必要性は日に日に感じる。Yokoが経験したような悲惨な生活を日本国民が誰も二度としないための国民の知恵が今試されているのだろう。ただ平和を唱えていれば得られるものではないだけに、きれいごとではすまされない。日米同盟を軸に安全保障を確保することが現実的な方向性だとは思う。

『So far from the bamboo grove』、平和な日本

2014-06-30 | 薪ストーブ

 『So far from the bamboo grove』を読み終えた。満鉄に勤務する父親とともに北朝鮮に渡り、終戦時に脱出して命からがら引き揚げる家族の実話だ。
 アメリカでは中学校の教材に採用されたり児童の推薦図書になっている。1986年にアメリカで出版されて数々の賞を受けているが、日本では昨年、『竹林はるか遠く』という翻訳本が出たり、アメリカ韓国人のこの本の排斥の動きで話題になった。僕もそれでこの本のことを初めて知り、原作を取り寄せた。何冊も併読する習慣のため、薄っぺらな本なのに読了するまで時間がかかったけど、とても感動的な本だった。ロシアや朝鮮の共産軍から身を隠して38度線を越えて逃げ帰る苦労は想像を絶する。日本に帰っても敗戦で混乱するなか、日々の暮らしはこれまでの極貧と何ら変わらないという悲惨さに胸が詰まった。
 藤原てい氏の『流れる星は生きている』も同じような引き揚げ家族の話だけど、大人の目線で描写されているのに対して、この『So far from the bamboo grove』では11歳の子供の目線で描かれている。あらためて今の日本での平和な暮らしに感謝するけど、その平和にこのような悲惨な家族の歴史が刻まれていることに思いが至った。
 

『女チャリダーふれあい日本一周ひとり旅』

2014-06-17 | 薪ストーブ

 モンベル会長の辰野勇氏の講演会会場で買った久保田さんの『女チャリダーふれあい日本一周ひとり旅』を読み始める。
 自転車で700日間かけた旅が20代の女性らしい瑞々しいタッチで綴られていて、なかなか面白そう。
 今、月刊誌BE-PALで映画監督の平野勝之氏の「旅人失格」という連載記事が載っていて、毎号届くとまっ先に読んでいる。恋人か友達か分からない関係の中年の男女が北海道を自転車で旅する話だけど面白い。もちろん女チャリダーの独り旅とはまったく違い、女チャリダーを清純な「青い山脈」の旅だとすると、平野監督の旅はおどおどした熟年の心が絡み合う演歌の旅だ。この先、どうのような展開になるのやら。
 僕の読書方法は常に5~7冊を併読しながら読み進めるので、女チャリダーを読み終えるのはいつのことになるかわからないけど、700日間はかからないはず。自転車一人旅の追体験は楽しみだ。

林原健氏は岡山の誇り

2014-06-14 | 薪ストーブ

 Krystian Zimermanが奏でるピアノ曲、Frederic Francois Chopinの4 Balladesを聴きながら、『林原家』を読み終えた。読後感はすごくよかった。林原健氏の弟の靖氏の『破綻』を読み終えた後の気分悪さとは対照的だった。読み終えて、爽やかな気持ちになれた。
 岡山に学生時代から住み始めて以来、林原の破綻は最大級の衝撃だった。同族経営の超優良バイオ企業の林原がなぜ潰えたのか、あれから3年も経つのに自分の中で未だ消化しきれずにいた。
 この本に記されているように、大企業とステージが違う基礎研究に社長の独断で長期間取り組むことはオーナー経営者にしかできないことだろう。同族経営だから良いとか悪いとか言えるものではなく、インターフェロン、トレハロース、マルトースなどを生み出した事実が、同族経営の可能性と彼の事業家としての優秀性を証明している。企業経営のガバナンスの問題点は少なからずあるけれど、不動産価値の下落による担保力の低下が、多額の借入金に依存する長期研究型の事業スキームに狂いが生じてしまったことは不運だった。それに乗じて企業エゴむき出しの行動に出た金融機関にその正体と本質を見た。
 この健氏の著書のお陰で、今まで胸に痞えていたものがきれいにとれた。健氏の冷静で客観的な分析と問題提起がすばらしい。あらためて林原という未公開会社が岡山という一地方にあり、林原健氏がリーダーシップを発揮して素晴らしい製品を生み出した林原の歴史は岡山の誇りだと確信した。

『林原家 同族経営への警鐘』を読む

2014-06-11 | 薪ストーブ

 林原健氏の『林原家 同族経営への警鐘』(日経BP社刊)を読んでいる。
 岡山では未公開会社の雄、盤石な財務基盤の企業と信じられてきた林原家。インターフェロン、トレハロースのバイオ企業、林原美術館、モンゴル恐竜調査のメセナなど語ればきりがない。
 その企業が3年前に会社更生法によって整理された。これまで口を閉ざしてきた研究肌の兄・健氏がついにこの著書で静かに語ってくれている。
 弟・靖氏が書いた『破綻』とは異なり、感情を抑えた冷静な分析で綴られている。その兄が、弟・靖氏に「二度と会うことはない」と切り捨てる言葉に、胸が詰まった。
 絶対的主従関係の兄弟による企業経営だから、コーポレートガバナンスやコンプライアンス上も問題アリで、かなり歪んだ経営実態だけど、『破綻』とは違って読後感が爽やかなのが救いだ。
 もうしばらく、時間をかけながら読み進めよう。

独白「北の国から」ノーツ

2014-06-04 | 薪ストーブ

 倉本聰さんの『独白「北の国から」ノーツ』を読み終えた。
 ちょうど2年前に一度読んだ本だけど、先日本棚でこの本を見つけたら、二度読みしたくなってしまった。
 いつでもコンビニに行けばたちまち必要なモノは何でも買える便利な世の中になったけど、そういう豊かさや便利さに対する本質的な疑問が心の隅にある。本物の幸せってなんだろうって思ってしまう。
 読み終えたら急にまた「北の国から」を見たくなり、24話目のDVDを見た。純と蛍の幼さが懐かしく、五郎さんが子供達と真剣に向き合う姿が新鮮だった。今夜は富良野の平原と真っ青な空を流れる白い雲を夢見て寝るとしよう。