朝4時に起きて名頃駐車場で登山の準備を始めた。名頃登山口を6時に出発。お天気になりそうな空模様なので気分も高揚して気持ちよく登る。ハナちゃんも跳ねるように僕をリードして前を歩く。
青空が澄み渡り、ハナちゃんも気持ちよさそうだ。リズミカルに歩いていた。
三嶺ヒュッテに到着。三嶺の山頂(1,893m)に立つと360度の眺望が楽しめた。剣山につながる稜線もきれいに見える。眼下の三嶺ヒュッテと池の景観はためいきがでるほどの絵になる美しさだ。三嶺は徳島県側では「みうね」と呼び、高知県側では「さんれい」と呼ばれている。僕は「みうね」という優しい言葉のひびきの方が好きだ。そよ風を肌で感じながら、山頂でしばらく憩う。
三嶺から縦走に入る。頂上直下は急斜面の下降になるのでハナちゃんをザックに収容する。ここまでハナちゃんもよく歩いたので、すでに疲れた表情を見せていた。
白髪避難小屋の前の木陰で昼食だ。飲み水を補給するために沢の水を汲みに行った。水場まで50mという標識があったけど、実際は50mを数倍するほどの距離を下ったところに水場があった。沢は豊富な水量の冷たい水が勢いよく流れ落ちていた。
白髪避難小屋から剣山に向けた縦走路はアップダウンも小さくて快適だ。テンポよく歩いた。石立分岐から登りきると高ノ瀬の頂(1,741m)に着いた。
ここから下って石丸の奥祖谷二重かずら橋分岐に17:00に到着。日没までに下らなくてはと思い、ここから一気に奥祖谷二重かずら橋めがけて勢いよく下った。長い下山路を休まずに歩いた。
陽も落ちて、すっかり暗くなった。かずら橋の手前1kmほどのところでザックからヘッドランプを取り出して点灯させた。丸石谷川の絶壁につけられた山道を慎重に下る。ひとけの無いかずら橋を渡り、国道439号線に出る。車も通らない時間だ。ひと気もまったくない。ヘッドランプで道路を照らしながら、バイクを停めてある名頃県営駐車場までハナちゃんと一緒に30分ほどかけて歩いて戻った。
駐車場に戻ると、駐車場の緑地にテントを張り、遅い夕食の準備を始めた。
この日、Fitbitが計測した歩数は60,007歩だった。朝6時から夜の8時まで14時間も歩く、想像以上のハードな山行となった。
ハナちゃんも疲れた様子で、食欲もなく、テントの中でぐったりと横たわっていた。ハナちゃん、ごめんな。ハナちゃんにはちょっと酷な山歩きだったね。