新 風のふくままに 

写真付きで日記や趣味を書く。プロフィールを変えました。

火打山諦め-高谷池で撤退2023.7.8-9

2023-07-10 | ハイキング・登山

7日の夜行バスを予約して、長野から北しなの鉄道で妙高高原駅に出て、バスで笹ヶ峰登山口に行く予定を立てていた。個室が取れたので、友人を誘ったら、その友人の山パートナーも誘ってよいかとおっしゃるので、心臓の手術をなさって1年以上たっても歩行は遅いとお聞きしていたが、高水三山で夕方6時ごろまでかかった時は道迷いもあったらしいから、まあ大丈夫かなと思って、良いですよとお返事した。その時点では、私も高谷池までのコースが老人グループにとって、これほど大変とは思っていなかった。

行程表は標準の1.1倍で設定して、しかも休憩多めに取って、笹ヶ峰7:30発、高谷池12:30に到着に設定していた。

お天気は長野あたりまで雨天でも新潟の境界だから大丈夫かも、と思っていたら前日に北陸方面も大雨予報。登山口から沢沿いで吊り橋を渡るんだったと思って、増水時大丈夫かなと、出発の前日も眠れなかった。

アメダスの予報も新潟あたりまで、かなりの雨予報だったが、雲の隙間で登れることもあるかも、と出発を決行。高谷池ヒュッテが2日前まではキャンセル料かからないが、前日とかは30%、当日は50%、連絡なしでキャンセルなら100%かかるというのもキャンセルを躊躇してしまった原因だった。バスも新幹線も直前までキャンセル料かからないのだが。珍しい山小屋でした。しかし、こういう山小屋は今後増えるらしい。

ということで出かけたのだが、駅で朝用の弁当や非常食、お菓子や薬、一部の衣類が入ったサブザックを置き忘れてバスタ新宿に行ってしまった。ハッと気づいて取りに戻ったが、もう電車は発車してしまって、後の祭り。一応駅の方に報告したが、電車は次は調布とのことで、連絡入れて下さるとのことだったが、私はバスの発車時刻があるので、その場を離れた。明日7時過ぎに連絡してみてくださいと言われたが、山なので電波が入らないと連絡できないと言っておいた。

ともかくもリーダーが朝食用のパンを余分に用意してくれていたので、バスタの売店で少しだけ食料を買い足して、出発。発車前に運転手さんが、長野は雨かもしれないので、傘を持っている人は手元に置いておいてくださいと言って下さり、土砂降りでは大変と、荷物入れから傘とレインウェアの上を出した。

バスは前回と同じく後ろの方にしたのでほとんどフラットにできたのだが、なんといってもタイヤの回転音などがすごく、眠りを誘う薬も置き忘れのサブザックに入れていたので飲めず、なかなか寝付かなかった。

夜中どのへんか雨音がすごかった。こんな中登山なんて大丈夫かしら?いざとなったらキャンセルして帰るしかないかなと思っていた。

長野の相当手前から降車バス停ごとに放送があり、眠れなかった。

ほんの少し眠っただけという感覚で長野に着いた。幸い雨は小降りで傘なしでも駅まで行けるくらいだった。

妙高高原までの切符は、ボタンを切り替えて購入できた。往復切符があったかどうか分からないが、単純に切符を購入(北しなの鉄道はスイカが使えなかった)して、飯縄山の時に入った待合室に。パンと魚肉ソーセージとバスタで買った半熟卵を頂き、野菜ジュースを飲んだ。トイレもすませて、長野前泊組と合流。

無事に電車に乗り込んだ。通学生などいるのかなと思ったが、6時発はガラガラ。しばらく走ると緑の中の単線が続いた。少し寝たのかもしれない。予定通り妙高高原に着いた。少しでも早く登山が開始できるように、タクシーを予約しておいたので、タクシーが待機していたのだが、長野でトイレをすませて置いて、と言っていたが、トイレを利用したいという方がいて、タクシーの運転手さんに待っておいていただいて、5分後に出発。でも7時30分ごろに笹ヶ峰駐車場に到着。バスなら8時10分頃になる。

駅で私だけバタバタしてトイレに行けなかったので、登山口のトイレを利用したので、出発は7時40分ごろになった。そのあたりにはウツボグサやアザミなどの花が彩を添えていた。

遅いという二人組を待ちながら、ゆっくり目にリーダーには歩いて頂き、長い木道を進む。雨でぬれているので滑りやすい。最初に小さな木の橋を渡ったことは帰りには忘れていた。木道を進む。

15~20分ほどでグリーンハウス(笹ヶ峰周遊コース)との分岐があり、木道をさらに進んだ。途中木の小さな橋があった。

最初の内は本当に緩やかに登って行った。ブナだろうか大きな木もある。

石ころも道も出てきた。

しかし、何回か小さな橋を渡り、かなり進んだと思っても黒沢橋までなかなかつかなかった。やっと沢の轟音が響き、黒沢橋に出た。9:04ごろ。友人のグループもまもなく到着。

橋の上流側

下流側

橋の手前で休憩の人たちがいらして、その方達が出発して、私達は仲間を待ちながら休憩。まもなく仲間も到着した。反対側には団体が下りてきて、休憩を取っていらした。かなり長い休憩を取っていた。12曲りという急なジグザグの坂が続くとあったので、大変なのかなとちらっと思った。それほどでもないというブログも見たのだったが。

反対側の狭い広場の左側に急な登り口があった。もう12曲りが始まったのかなと思っていたが、12曲りは大分先だった。

急坂のわきにゴゼンタチバナが咲いていた。

スダヤクシュ街道のようにスダヤクシュが咲いていたが、写真は目立ちませんね。

ツバメオモトも沢山あって、6月初め頃なら白い花が見られただろうと思った。種が付き始めていた。秋には青黒くなるのだったと思う。

石ごろの道や階段を登ると、12曲りの小さな標識があった。9:38

特に坂が急になったようには感じず、ひたすら階段や岩を登る。奇数のみ写真を撮った。

なんの花か分からない小さな黄色の花(白い花が多く黄色は珍しかった)

オニシモツケソウ?

このあたりの階段脇にはヨツバムグラやオククルマバソウらしい草に花が付いていた。

霧が晴れて少し明るい空の下に、カニコウモリの花が付いていたが、目立ちません。友人は開けたところの反対側にハクサンコザクラが咲いていたと言っていたのに私はカニコウモリの方に気を取られて、見損なったらしい。帰りも結局気づかなかった。残念。

12曲りの7はぶれてしまって良く写っていなかった。その後の急階段(これもぶれていますが)

ボケてしまったが、キソチドリだろうか?

霧がさらに晴れてきた。晴れると良いな。

12曲りの12に到着。やっとジグザグの急坂が終わって、緩やかになると期待したのだが... 12曲りの途中から、後続の仲間の姿が見えなくなってしまった。大声を出してみたり笛を吹いて見たり。ちょっと心配。後から知ったのだが、ここが一番電波が入りやすいらしい。

 

まだまだ急坂は続いたのだった。

ツクバネソウ(葉が4枚)

大岩の急坂が出てきたのだった。ストックを抱えて、3点支持でよじ登る。

この岩場、後続の仲間は大丈夫だろうか?引き返した方が良いのではないかと思って10:40に友人の山パートナーの方に電話したが繋がらなかった。

登り終わって少し岩が小さくなった。花が落ちていたので見上げたら目の前にピンクの花が。サラサドウダンかと思ったが、花にはっきりすじが見えないから違うのかな?

電源減るのを心配してリーダーはメールとか電話しない方が良いと言ったが、11時ごろ友人の方にメールを入れてみたが、電源切っていて連絡が付かない。追い抜いてきた人に様子をお聞きしたら、大丈夫そうだとのことだったので大丈夫なのかなと思った。その人たち、後で知ったが山小屋のアルバイトの方達だった。一人の方からは、「先に行ってください」との伝言を聞いた。まあ、経験も豊富な方々だから、大丈夫なのだろうと思っていた。

このあたりから下の方では種が付きだしていたマイヅルソウの白い花やオオミズホウズキの黄色の花が増えてきた。

しかし道は険しい。

山頂まで9分の4という標識があった。高谷池までそうかからないのかなと思ったのが間違いだった。やや緩やかになったが歩きにくい道が続いた。

この先はイワカガミが多くなり、キヌガサソウやサンカヨウも見られてきた。

イワカガミ(ブレた)。群落沢山あったが写真撮らなかった。

キヌガサソウ

散り始めたサンカヨウ。雨で透き通っています。ガラスのようなと表現されるみたい。

ミツバオウレンも咲いていた。

相変わらず岩の道が続く。

富士見平の分岐があったのだが、写真が見当たらない。リーダーに撮ってもらったのかもしれない。先を急いで写真とらなかったのかな?ヒュッテで食事にしようと言っていたのに、もう12時はとっくに過ぎていた。

クロバナエンレイソウ

しかし富士見平からも高谷池ヒュッテは遠かった。

草原の中を行くように想像していたが、緩やかに黒沢岳を撒いて行く道なのだが、木の根につかまるようなところもあり、疲れた身には、まだか、まだかと思いながら歩いて行った。相変わらず二人とも荷物が重い。熊撃退スプレーも持参していたし。

このあたりは、小ぶりのスミレが登山道脇に群生していた。白い花とピンクの花があった。

エゾタチツボスミレかしら?

またオオミズホウズキがものすごく群生していて、こんなにたくさんの大ミズホウズキは見たことが無かった。

モミジバカラマツ

このあたりは、もう新潟県だ。

ユキザサの花

こんな悪路もあった。

アルプス展望台という標識があって、左手に階段があったが、この天候では何も見えなさそうなので、登ってみることもしなかった。

スミレや大ミズホウズキなどの花に癒されながら歩いていたら、ふと見たら木々の向こうに建物が見えて来た。着いたー!しかし建物をぐるっと回らないと入口に出なかった。

その前にベンチの置かれた広場から高谷池が見えた。

ともあれ、13:30に私たちは宿にたどり着いた。後続の仲間は間違えるようなところはないし、まあ、1~2時間後くらいには着くだろうと思った。宿の前のコバイケソウとシラネセンキュウ?

それで宿でカップラーメンの食事をとった。リーダーはレインウェアの下が汗で冷えてしまったらしく、上は着替えていらっしゃったが、下は部屋に入らなかったので着替えていなかった。後続の人たちが付いたら一緒に案内すると言われたのだった。後で分かったのだが、食堂の向こう側に更衣室があったのにね。

それで、友人たちのことも心配しながら、食事して少し待っていたが着かないので、花畑のある天狗の庭まで15分位だし緩いコースと言われて、行ってみようと歩き出したのだが、リーダーは冷え切って寒そうだったので、岩が出てきて登らないとならない場所から戻ってきてしまった。それでハクサンコザクラを見ることができなかった。

道々キヌガサソウの群落がみられた。

サンカヨウもまだこの辺はきれいだった。

戻って、先に部屋を案内していただき、リーダーは着替えた後ホカロン付けて少し休まれた。薄いインナーシーツはかけたのだが、布団の中にあった毛布を掛けて差し上げなかったことを後で後悔した。疲れると頭が働きません。

私は山小屋の前の池のふち近くに出た。ハクサンコザクラが見えるところがあると言われたのだったが、ロープの内側からでは見えなかった。

ミヤマキンバイらしい花が見られた。

イワイチョウ

テント場の水場

ここの水は煮沸しないと飲めないそうだ。山小屋でも手洗いなどの水は飲めないと言われて、一本400円の水(冷やしてあるのは450円)を買わないとならなかった。後で分かったのは、自炊室と書かれたところにお湯とインスタントコーヒーなどが置かれていて、一杯200円とあったが、宿泊者がお湯を300cc程度頂く分には無料だった。お茶やスポーツドリンクなどの飲料は500円。

しかし説明も何もなかったので、もうちょっと案内を表示しておいてほしかった。

その後私は友人たちを迎えに行こうか?でももしかしたら引き返したのかも?と思ったり、迎えに行くにしても、リーダーは寝ているし、この辺は熊が出るというし、1人では怖いし、ということで小屋のそばで待機したりしていた。

到着した人に、様子を聞いたりしたが、3人組は見たけれど、2人連れは見かけなかったという方もいらして、ますます不安になってしまった。

そうしているうちに、「至急お伝えしたいことがあるから折り返して電話して」というSMSが偶然入った。16:27 だけど電話しても出ない。すぐに切断されてしまう。電波が入らないのだ。

寝ているリーダーにこんなメールが入ったけれど、どうしたらいいかしら?と相談しようと起こしたら、起き上がろうとして、「ビニール袋」と言われて慌てて渡したとたんに吐いてしまった。幸い、全部ビニール袋に受け止められたけれど...

ということで困って、宿の方にメールを見て頂いて、何とか電波の通じる場所を、と宿の外側の小山や何かを登ったり降りたりして、外階段の上に登って行ったら、若干電波の入るところがあったが、相手からの返事はなかった。

いよいよ行動不能になったのかなと思って、救助要請しないとダメでは、と、お話して、1人の方が見に行ってみましょうとおっしゃってくださって、準備している間に、彼らが到着したのだった。17時を少し回っていた。救助要請は原則本人たちからでないと救助隊は動けないそうだ。

到着した時、友人が、山パートナーの方のザックを抱えていて、いよいよ歩けそうになくなって、荷物を彼女が前後に背負ってきたのだそうだ。火事場の底力なのだろう。無事に到着して良かったけれど、もっと何とか連絡着くよう全力で対応してほしかったと思った。

何しろ宿には衛星電話もなく、ごく一部で一瞬電波が入って、SMSやラインが入ってくるだけ。電話はできなかったのだ。友人の携帯が充電切れとは言え、何とかメールを送る方法はなかったのだろうか?と腹立たしくもあった。

山に行く前にはきちんと充電しておかないと命取りになりますね。彼女の山パートナーのメールに、もう少し具体的な高度とか病状とか書いてあればね...ヤマレコで30分おきに高度を通知してきていたから、高度が判れば大体の場所が分かったのだが。

続きはまた。

 

 


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