赤い悪魔
2010-03-11 | 動詞
赤といえば力強いエネルギーを感じさせる色ですよね。
情熱,興奮,歓喜,そして闘争の色です。
「赤い悪魔」というのがありましたが,覚えていますか?もう忘れたのですか,2002年といえば……?
そうです,‘대~한민~국!’ですね。思い出しましたか。
월드컵で活躍した韓国サッカー国家代表チームのサポータークラブのことですね。
ところで「赤い悪魔」は빨간 악마でしたっけ?
붉은 악마じゃなかったですか?
붉다? 빨갛다? どっちでしょう?
答えをいいますと,붉은 악마が正しい言い方です。
ティーシャツ(티셔츠)や鉢巻き(머리띠),みんな「真っ赤」なのに,なぜ빨간 악마と言わないんでしょうか。
それは,붉다も빨갛다も「赤」を表す単語ですが,ニュアンスが少し違うんです。
【붉다】
自然の状態の色。
赤い系統の多くの色の集まりを指す。
熱と関係があり,暖かいとか熱いとかいう感じを表す。
【빨갛다】
赤い系統の色の中の一つ。
赤い色の中で濃いもので,人が作った物によく使われる。
人の感情や感じを表す。
つまり붉다は「赤い」系統のさまざまな色を含む言葉なんです。
そして빨갛다はその「赤い色」の中のうちでいちばん「赤い」ものを指す言葉です。
ですから빨간 악마と言ってしまうと,悪魔の中でもただ色が「真っ赤」な一悪魔を意味することになってしまい,全体としての「赤い」集団を指すことにはならなくなるのです。
「スポーツに対する熱い熱情ほとばしる愛国心のある『赤い』集団」という意味では붉다がぴったりなんですね。
「赤い」ものを比喩的に言ったり,象徴的に表す場合も붉다を使います。
たとえば,昔は共産主義[공산주의]のことを「アカ」と言ったでしょう?
붉은 사상といえば共産主義思想のことですね。
モスクワ(모스크바)には붉은 광장があります。
一方,빨갛다は主観的な感じを伴った言葉です。
よく「真っ赤な嘘」といいますが,韓国語では“네가 지금 얘기하는 거, 새빨간 거짓말이지?”というように使います。
새빨간 거짓말というのは,ただの嘘ではなくて明らかに嘘とわかる嘘です。
また붉다は,人が手を加えない「自然状態の赤」を指すことが多く,빨갛다は人が作り上げた「人工的な赤」を指すことが多いのです。
ですから붉은 구두よりは빨간 구두というほうがしっくり来ます。
紅葉は빨간 단풍ではなくて붉은 단풍ですね。
韓国には붉게 물든 금수강산(真っ赤に染まった我が国)といういい表現があります。
금수강산というのは「錦繍江山」と書いて,錦に刺繍したような美しい山河という意味で,삼천리 금수강산といえば朝鮮の別称です。
小学校の頃「秋の夕日に照る山もみじ,濃いも薄いも数ある中に……(作詞・高野辰之,作曲・岡野貞一)」と歌いましたね。
秋の山は빨간 잎(真っ赤な葉),누런 잎(黄金色の葉),검붉은 잎(赤黒い葉),분홍색 잎(桃色の葉),진한 주황색 잎(濃いオレンジ色の葉),옅은 주황색 잎(薄いオレンジ色の葉)…と,いろいろな色が混在していますから「赤の総称」である붉은 단풍というのが妥当です。
●コラム 「赤」を表す붉다と빨갛다の違い
(1)붉다は「赤」を表す総称的な言い方で使われ,赤色(적색),紅色(홍색),真紅(진홍색〈眞紅色〉)のほか広くオレンジ色(주황색〈朱黃色〉),赤褐色(고동색〈古銅色〉),桃色(분홍색〈粉紅色〉)などが範疇に含まれる。元来「火」を表す불から来たといわれ,具体的に赤を表す表現より「赤みがかっている」状態を表す。また共産主義の象徴色として使われる。
赤い悪魔: (○)붉은 악마 (×)빨간 악마
赤い思想: (○)붉은 사상 (×)빨간 사상
赤の広場: (○)붉은 광장 (×)빨간 광장
(2)빨갛다は붉다より使用範囲が狭く,赤色(적색),紅色(홍색),真紅(진홍색〈眞紅色〉)などの具体的な色彩を表す。
赤信号: (○)빨간 신호등 (×)붉은 신호등
赤い靴: (○)빨간 구두 (×)붉은 구두
真っ赤なウソ: (○)새빨간 거짓말 (×)새붉은 거짓말
赤い血: (○)빨간 피 (○)붉은 피
赤い夕焼け: (○)빨간 저녁 노을 (○)붉은 저녁 노을
「夕焼け空が真っ赤っか,トンビがくるりと輪をかいた…」という歌がありましたね。
夕方,空を美しく染める夕焼けはどうでしょう?
これは損人の感受性の問題です。
赤1色を強調したければ빨갛다,多色を表したければ붉다を使うといいでしょう。
빨간 저녁 노을というと何か足りない感じがしますね。
夕焼けは赤,黄色,ピンク色の部分など多くの色が美しく混じっていますから,私だったら붉은 저녁 노을といいますが…。
붉다は書き言葉で多く使われています。
붉다から出た빨갛다という言葉は,このごろになって붉다より頻繁に使われています。
よく観察してみますと,붉다を使わなければならないところにまで빨갛다を使っている傾向があります。
特に話し言葉では빨갛다がよく使われています。
例えば「赤信号」は붉은 신호등よりは빨간 신호등と言うことが多いようですね。
붉다は火(불)から出た言葉で뜨겁다,따뜻하다といった温もりが感じられます。
ですから빨간 태양というよりは붉은 태양というと,太陽の熱さが伝わります。
真っ赤な色を強調するんだったら빨간 피,どくどくと流れ出る血の熱さを強調するんだったら붉은 피と使い分けるといいでしょう。
どうです,だんだん韓国語の持つ面白さがわかってきたでしょう?
빨간 뺨というと,ただ真っ赤なほほを指すのに,붉은 뺨というと,ほっぺに血が通っている感じを表すんですね。
「温もり」「熱気」を表したいときは붉다です。心の熱さを表すのも붉다ですよ。
情熱,興奮,歓喜,そして闘争の色です。
「赤い悪魔」というのがありましたが,覚えていますか?もう忘れたのですか,2002年といえば……?
そうです,‘대~한민~국!’ですね。思い出しましたか。
월드컵で活躍した韓国サッカー国家代表チームのサポータークラブのことですね。
ところで「赤い悪魔」は빨간 악마でしたっけ?
붉은 악마じゃなかったですか?
붉다? 빨갛다? どっちでしょう?
答えをいいますと,붉은 악마が正しい言い方です。
ティーシャツ(티셔츠)や鉢巻き(머리띠),みんな「真っ赤」なのに,なぜ빨간 악마と言わないんでしょうか。
それは,붉다も빨갛다も「赤」を表す単語ですが,ニュアンスが少し違うんです。
【붉다】
自然の状態の色。
赤い系統の多くの色の集まりを指す。
熱と関係があり,暖かいとか熱いとかいう感じを表す。
【빨갛다】
赤い系統の色の中の一つ。
赤い色の中で濃いもので,人が作った物によく使われる。
人の感情や感じを表す。
つまり붉다は「赤い」系統のさまざまな色を含む言葉なんです。
そして빨갛다はその「赤い色」の中のうちでいちばん「赤い」ものを指す言葉です。
ですから빨간 악마と言ってしまうと,悪魔の中でもただ色が「真っ赤」な一悪魔を意味することになってしまい,全体としての「赤い」集団を指すことにはならなくなるのです。
「スポーツに対する熱い熱情ほとばしる愛国心のある『赤い』集団」という意味では붉다がぴったりなんですね。
「赤い」ものを比喩的に言ったり,象徴的に表す場合も붉다を使います。
たとえば,昔は共産主義[공산주의]のことを「アカ」と言ったでしょう?
붉은 사상といえば共産主義思想のことですね。
モスクワ(모스크바)には붉은 광장があります。
一方,빨갛다は主観的な感じを伴った言葉です。
よく「真っ赤な嘘」といいますが,韓国語では“네가 지금 얘기하는 거, 새빨간 거짓말이지?”というように使います。
새빨간 거짓말というのは,ただの嘘ではなくて明らかに嘘とわかる嘘です。
また붉다は,人が手を加えない「自然状態の赤」を指すことが多く,빨갛다は人が作り上げた「人工的な赤」を指すことが多いのです。
ですから붉은 구두よりは빨간 구두というほうがしっくり来ます。
紅葉は빨간 단풍ではなくて붉은 단풍ですね。
韓国には붉게 물든 금수강산(真っ赤に染まった我が国)といういい表現があります。
금수강산というのは「錦繍江山」と書いて,錦に刺繍したような美しい山河という意味で,삼천리 금수강산といえば朝鮮の別称です。
小学校の頃「秋の夕日に照る山もみじ,濃いも薄いも数ある中に……(作詞・高野辰之,作曲・岡野貞一)」と歌いましたね。
秋の山は빨간 잎(真っ赤な葉),누런 잎(黄金色の葉),검붉은 잎(赤黒い葉),분홍색 잎(桃色の葉),진한 주황색 잎(濃いオレンジ色の葉),옅은 주황색 잎(薄いオレンジ色の葉)…と,いろいろな色が混在していますから「赤の総称」である붉은 단풍というのが妥当です。
●コラム 「赤」を表す붉다と빨갛다の違い
(1)붉다は「赤」を表す総称的な言い方で使われ,赤色(적색),紅色(홍색),真紅(진홍색〈眞紅色〉)のほか広くオレンジ色(주황색〈朱黃色〉),赤褐色(고동색〈古銅色〉),桃色(분홍색〈粉紅色〉)などが範疇に含まれる。元来「火」を表す불から来たといわれ,具体的に赤を表す表現より「赤みがかっている」状態を表す。また共産主義の象徴色として使われる。
赤い悪魔: (○)붉은 악마 (×)빨간 악마
赤い思想: (○)붉은 사상 (×)빨간 사상
赤の広場: (○)붉은 광장 (×)빨간 광장
(2)빨갛다は붉다より使用範囲が狭く,赤色(적색),紅色(홍색),真紅(진홍색〈眞紅色〉)などの具体的な色彩を表す。
赤信号: (○)빨간 신호등 (×)붉은 신호등
赤い靴: (○)빨간 구두 (×)붉은 구두
真っ赤なウソ: (○)새빨간 거짓말 (×)새붉은 거짓말
赤い血: (○)빨간 피 (○)붉은 피
赤い夕焼け: (○)빨간 저녁 노을 (○)붉은 저녁 노을
「夕焼け空が真っ赤っか,トンビがくるりと輪をかいた…」という歌がありましたね。
夕方,空を美しく染める夕焼けはどうでしょう?
これは損人の感受性の問題です。
赤1色を強調したければ빨갛다,多色を表したければ붉다を使うといいでしょう。
빨간 저녁 노을というと何か足りない感じがしますね。
夕焼けは赤,黄色,ピンク色の部分など多くの色が美しく混じっていますから,私だったら붉은 저녁 노을といいますが…。
붉다は書き言葉で多く使われています。
붉다から出た빨갛다という言葉は,このごろになって붉다より頻繁に使われています。
よく観察してみますと,붉다を使わなければならないところにまで빨갛다を使っている傾向があります。
特に話し言葉では빨갛다がよく使われています。
例えば「赤信号」は붉은 신호등よりは빨간 신호등と言うことが多いようですね。
붉다は火(불)から出た言葉で뜨겁다,따뜻하다といった温もりが感じられます。
ですから빨간 태양というよりは붉은 태양というと,太陽の熱さが伝わります。
真っ赤な色を強調するんだったら빨간 피,どくどくと流れ出る血の熱さを強調するんだったら붉은 피と使い分けるといいでしょう。
どうです,だんだん韓国語の持つ面白さがわかってきたでしょう?
빨간 뺨というと,ただ真っ赤なほほを指すのに,붉은 뺨というと,ほっぺに血が通っている感じを表すんですね。
「温もり」「熱気」を表したいときは붉다です。心の熱さを表すのも붉다ですよ。
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