上級韓国語 - ちょんげぐりの世界

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누다と싸다の違い (おもしろ語彙の世界)

2023-12-14 | 似たようなことばの使い分け
누다と싸다は,どちらも人間や動物が体内の排泄物を外に出すことを指す点で,全く同じ意味ですが,細かい点で違いがあります。

누다には,3つの条件が必要です。それは,①意識的な意志,②一定の姿勢,③決まった場所です。つまり,排泄をするという明確な意志のもと,排泄のために用意された場所に行き,排泄に適した体の姿勢を維持することで,排便,排尿をすることになります。つまり,その主体はほとんど人間に限られます。

“휴게소 화장실에서 오줌을 누었다.”のように,누다の用例は,ほとんどの場合,上に挙げた3つの条件をすべて満たしています。しかし,最後の条件である「決まった場所」には,時々例外が混ざり込むこともあります。例えば“풀숲으로 들어가 오줌을 누며 밤하늘을 올려다보았다.”という言い方もできますが,この場合,풀숲は一定の場所ではありません。

누다は,一部の動物に対しても使われますが,その場合,先の3つの条件のうち「一定の姿勢」と「決まった場所」が必須条件となります。そのため,家で飼っている犬などのペットが,排泄訓練によって常に決まった場所で排泄するのであれば,누다が適切です。特に猫のような動物は,特別な訓練をさせなくても,自分で決めた場所に排泄し,土で隠すなど,後処理まできちんとするのに,たとえそれが自己保存や縄張り表示のための本能的な行動であっても,見た目上は人間の排泄行動と似た面を見せるという点で,누다が適当です。

一方,싸다は明確な自覚なしにどこにでも糞尿を撒き散らし,一定の姿勢をとる必要もありません。そのため,싸다は動物に使われることが多く,人の場合はオシッコやウンチを我慢できずに勝手に排泄する,つまり布団や服のように便器以外の場所で排泄することを指します。“자다가 이불에 오줌을 쌌다.”といえば,寝小便をしたと言うことになります。

このように싸다は意図に関係なく,大抵はまったく予期せずに行われるような排泄を指します。싸다は누다の俗語であり,大人の会話や丁寧な場では絶対に使ってはいけない禁句語です。

禁句語という点では오줌や똥も同様で,丁寧な場では,2語の婉曲語である소변と대변を使い,それに伴う述語としては누다よりは,보다をよく使います。

ちなみに,オシッコやウンチをコントロールできずにもらしてしまうことを지리다といいます。
・오줌을 찔끔 지렸다.〔おしっこをちょっとちびった〕
・설사가 나서 똥을 지렸다.〔下痢をしてうんちをもらした〕
 
지리다には小便臭いという意味の形容詞もあります。
・처음으로 홍어 회를 먹은 지수는 음식의 맛이 지려 두 입도 못 먹었다.
〔初めてエイの刺身を食べたジスは,強烈な味に耐えられず,2口でギブアップした〕
・화장실에서 지린 냄새를 맡은 용수는 코를 막고 급하게 문을 닫았다.
〔トイレでくさい臭いを嗅いだヨンスは,鼻を押さえ急いでドアを閉めた〕
・취한 사람이 소변을 봤는지 우리 골목 전봇대 아래에서 지린 냄새가 났다.
〔酔っ払いが小便をしたのか,路地の電柱の下で,小便の臭いがした〕

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