先日、9月11日は定休日を利用して、中村調理製菓専門学校へ示範の授業へ行ってきました!
中村調理製菓専門学校は、私の母校でもあります。
そこで主人(シェフ)が示範を務めるなんて、学生時代は想像もしなかったことだろうな、と思います。
今回で3回目の、中村での示範です。
私はいつも、階段教室の後ろのほうから、生徒さんと同じように、シェフの授業を受けています。
今回は「唐津産イノシシのロースト、シャンピニオンのクルート、2種のソース」
と
Kazu では秋の定番の「スケルトンマロンパイ」
を示範。
昨年は11月に示範に行ったので、毛付きのピジョン(小鳩)の毛をむしるところから始め、そしてその骨と内臓でソースを作る、という
「レストラン」ならではの「仕事」を示範しました。
今年はまだ時期が早すぎたので、「ジビエ」もまだ無理だったので
地元唐津の「イノシシ」を調理しました。
この「イノシシ」の美味しさは、調理するシェフの腕はもちろんのことですが、何よりも「猟師さん」がいいんです。
「信頼ある」猟師さんの、その「処理の技術」
それをしっかりと熟知した上で、調理しています。
それはイノシシの猟師さんに限ったことではなく、有機農家さんや、漁業の方との「密」なコミュニケーション。
「地方」だからできる特権だと思います。
なので、生産者さんの思いを、シェフはよーーく理解していて、その良さを知っていて、その生産者さんの苦労を知っていて
だからこそ、その生産者さんの思いを伝えるべく、「素材の持ち味」が一番引き立つように調理するように必然となりました。
多くの調理師の卵の生徒さんの前で、ただ調理を教えるのではなく、
今回は「地方だからできる」、「身近な生産者」さんをよく知ることの大切さが、生徒さんに伝わっていればいいな、と思いました。
前回の「ジビエ」の示範の時もそうでしたが、「レストラン」だからできる「仕事」を伝えたいです。
今、多くの若い料理人の子と話すと、「魚がおろせない」「肉もさばけない」
「魚は切り身になったものがくる」「肉もポーションにわけられたものがくる」という声をよく聞きます。
そして、学生の間では、フランス料理が人気がないらしく、
その理由を聞くと、「フランス料理はめんどくさいから」
だそうで。。。
シェフ曰く、「確かにフランス料理は手間が多く、細かい作業が多い。
誰にもできる料理ではない、だからこそ、誰でもできないからこそ、やる価値がある」とのこと。
私もそう思います。
私も、階段教室で座って授業を受けていて、もう20年前近くになる学生時代を思い出していました。
両親の反対もあって、大学を卒業した後に、入学させてもらった調理師学校。
私の人生の中で一番楽しい学生生活が、中村調理製菓専門学校時代でした。
毎日が「料理」に関係する座学であったり、調理実習であったり、勉強することがいっぱいで、楽しかったです。
そして、その同じ「道」を目指す夢を持つ人ばかりが入学してるわけなので、
話も合うし、趣味もあうし、、、すごくわくわくした学生生活でした。
せっかく「料理」の道を志したのだったら、「もっと」「もっと」という気持ちで、どんどん「調理」の技術を習得していってほしいものです。
せっかく専門学校に入学したのだったら、親に出してもらった授業費、または、奨学金で将来自分で返す授業費かもしれませんが、
それを無駄にしないでほしいな、と願います。
「料理」の道は決して楽なものではありませんが、とてもやりがいのある仕事です。
私は超・超・超・不器用で、うまくなるのに人の何倍も時間がかかりますが、
学生時代に両親に送った手紙を覚えています。
「パッと見てもわからんやろくけど、この「手」に、「技術」が身についていってるよ。
できなかったキャベツの千切りができるようになったり、玉ねぎのみじん切りができるようになったり、
オムレツがつくれるようになったり、魚がおろせるようになったり、、、着実に「技術」が身についていってるよ」
と。
自分の「手」をまじまじと見て、書いた「手紙」をよく覚えています。
ぜひ、料理人の卵の方々、この道に進ませてもらった「感謝の気持ち」を忘れず、頑張ってくださいね!!
(↑唐津のイノシシの猟師の田中さんと)