HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

燃えよ!フィリピン・クンフー映画 『SUPERHAND SHADOW OF THE DANCING MASTER』

2013年09月01日 | フィリピン映画
 己の肉体を駆使して敵と戦う格闘アクション映画は、クンフー・武侠映画発祥の地、香港だけで製作されているわけではないのは、皆様もご存知の通りだろう。古くは韓国やインドネシア、最近ではタイを代表にマレーシアに至るまで(おっと北朝鮮も)、ほぼアジア全域に格闘アクション映画の波は広がっている。
 

 しかし忘れてはならないのは、フィリピン映画の存在だ。アメリカ映画界とのパイプが太く、この国の資本によって低コストのエクスプロイテーション映画が生み出された。とりあえず需要があるならばどんなジャンルの映画でも作り、戦争アクションやホラー映画、女囚ものだって何でも来い、だ。その中にはブルース・リーや香港クンフー映画ブームに乗っかって、辛うじてクンフー映画と呼べる格闘アクション映画があった。日本でも『激突!ドラゴン稲妻の対決』(1973)ただ一本のみが公開されているが実は結構あって、アメリカのビデオ市場にはかなりの本数が出回っている。フィリピン・クンフー映画と呼ぶべき作品群の多くは英語に吹き替えられているが、なかにはオリジナル言語であるタガログ語のままのものもある。つまりフィリピン国内のみでしか上映されていないという事だ。今回の『SUPERHAND SHADOW OF THE DANCING MASTER』(1980)もそのひとつである。

          
          

 あらすじは富豪の主人の元で働いていた主人公が、悪党どもの手によって殺され自身も瀕死の重傷を負うが、通りがかった農牧民たちに命を救われる。そこで武術の達人に手ほどきを受けた主人公は、主人の敵討ちと残された彼の一人娘を守るため悪党どもに闘いを挑む、というもの。

 “クンフー映画”としての土台は、「ヘンなおっさんによって修行させられた主人公が強くなる」という70年代後半に流行したコメディ・クンフーもののスタイルをとっており、この手のフォーマットはすっかり東南アジア全土に行き届いたという感じだ。とはいえ、本場のように理屈にかなったトレーニング法なんかではなく、「とりあえず変わったことやらせときゃ、クンフーの修行っぽく見えるだろう」程度の内容だけれども。

           
           

 ただこの主人公、修行して強くなったわりには、あまり見ていて「そうでもないんじゃないか?」と思ってしまうのが欠点。確かに修行前・修行後と比べればかなり実力がついているのだが、敵がいわゆる《中ボス》以上の強さの奴らが数人出てくるので、主人公も簡単には勝たせてもらえずひとつ攻撃を入れると2~3発相手の反撃を受けるのだ。それでも最終的にはキッチリ勝利するのだが、見ていてあまり爽快感は感じられない。この辺がこの映画が欧米のバイヤーに買われずフィリピン国内で留まった理由なのかな?と思わずにはいられない。

 ちなみに何故《スーパーハンド》なのか?それは主人公の右腕のパンチ力が強いから……といっても、あまりアクションシーンには生かされてなかったような気がする。殺陣にコンビネーションとかあればそれなりに見せられただろうが、右腕が強いだけじゃあ……ねぇ?ほとんど蹴っていたし。この時期のフィリピン・クンフー映画の難点、それは殺陣の振付けの弱さであろう。

           
           

『WAPAKMAN』を観た

2010年07月21日 | フィリピン映画

 ここ最近は全くといっていいほど映画ソフトを購入せず(新品・中古含めて)、抜け殻のような生活を送っていた。

  まぁそれでも変映画同士から貰ったりトレードで入手したりはしていたのだがナニブン自分の持ち駒が少ないっ!大体私は商品に《呼ばれて》購入するタイプなので向こうから「買ってくでぇ~」と訴えてくるまで放っておくのだ。

  そんなこんなでついにお呼ばれがかかりました。定番のフィリピン製スーパーヒーロー映画『WAPAKMAN』(09)です。主演はフィリピンの《ピープルズ・チャンプ》と呼ばれる国民的プロボクサー、マニー・パッキャオで、題名が彼の愛称である《パックマン》と引っ掛けてあるところがミソでしょう。


  妻と理由あって別居中で6人の子供と生活をしている排水業者の主人公が、ある夜生物の秘められたパワーを引き出す薬品を開発した科学者が悪の科学者レックスの手先による追跡中に事故を起こし科学者は死亡、そして薬品は四方に散ってしまい、それを浴びた主人公ほか数名の人間にスーパーパワーを与えてしまう。レックスの悪事を追っている政府の女エージェント、ミスティカは事故現場に居合わせた主人公を見つけるとスーパーパワーを使って協力をして欲しいと頼み込む。これを承諾した彼は彼女の製作したボディスーツとマスクに身を包み《ワパッククマン》として活動することになる。
 だがレックスも事故現場で薬品を浴びた人間を探し出し、悪の超人として生まれ変わらせ事件を起こしていた。ワパックマンは果たしてマニラの平和を守ることが出来るか?そして妻や子供たちとの関係はどうなるのか…?


 DCやマーブルコミックスに出てきそうなスーパーヒーローが街中を暴れまくるという《ヒーロー映画》としてのカッコよさと、妻や子供との深刻な問題やご近所付き合いといったベタベタな人情劇が混在するのがこのフィリピン製スーパーヒーロー映画の特徴であり、観るものによって好き嫌いが分かれてしまう部分でもある。日本で言えば『ゼブラーマン』(04)みたいな感じの作品が年1~2本フィリピン国内で製作されているってことだ(最近はビデオ撮りのテレビ作品が多くなり、ヒーローもの劇場作品は少なくなってきている)。あくまでもか・ん・じだけど…

 あくまで主人公が守るのは自分の国(街)だけで日本の特撮ヒーロー番組みたいに世界は、とか地球は…とか大それたことを言わないのが立派。以前にもこのブログで書いたかもしれないけど、どんなにスーパーパワーを持っていても身の丈以上の事は絶対せず、市民に、ご近所に愛されるスーパーヒーロー、それがフィリピン産ヒーローなのである。

 最後にこの作品の欠点をひとつ。敵の超人が出てくるまでのタメが全然なく、突如街中で暴れてやってきた主人公に退治されるという感じで、敵に関して登場理由等何の説明もないのだ。最後のほうに登場するレックス博士自らが創造したサイボーグ風怪人はタメが多少なりともあったものの、映画中盤に登場する2人の超人にはそれがない。上映時間の関係、と言っちゃえばそれまでだが、もう少し工夫が欲しかったかな?


『鉄腕少年バイオニック・キッド』を観る

2009年12月12日 | フィリピン映画
 09年も残り少なくなってきました。皆様はやり残した事はございませんか?私も一杯ありまして…特に忘れない内にこのレビューを書かなくてはと思っております。


  今回の紹介作品は、ひっそりとバブル期にリリースされて誰の注目も浴びなかった(多分今後も)香港・フィリピン合作『鉄腕少年バイオニック・キッド』(78)です。

  全身にサイボーグ手術を施されたサニー少年が偶然機密書類の入ったカバンを手に入れ、叔母で秘密捜査官のクレオに頼んで調べてもらったら何と大量破壊兵器の設計図で、すでにネオ・ナチの将軍がフィリピン沖の小島に設置して攻撃の機会を伺っているという。この狂った野望を阻止するためサニーとクレオは捜査局と共に闘いを挑む…

            

 アメリカの下請け映画を多数製作しているフィリピンらしく、実に手堅い作りで可でも不可でもない出来となっている。ムチャクチャ面白いか?と言えばそうでなく、逆につまらないか?と問われれば解答に窮すって感じ。スパイ映画的プロットにSF的要素やクンフー・アクションを満遍なく盛り込んだ典型的なエクスプロイテーション映画で観てる間はそこそこ楽しめる。

            

  この作品には二人のヒーロー(片方はヒロイン)が登場する。まずタイトルでも紹介されている《鉄腕少年》こと《ダイナマイト・ジョンソン》。元々空手の達人という設定で弱くはないはずだが、本作では開巻早々サイボーグ手術を受けている。何故このような事態が起きているのかが説明されておらずちょっと不親切。この作品以前にピンで主役を張っている『BIONIC BOY』(77)という作品が存在しているので話の続きなのかもしれない。

            

 もう一人は彼の叔母として登場する秘密捜査官・クレオだ。彼女は非ハリウッド娯楽映画ファンなら知らぬ者はいない(少なくとも私の周りには)フィリピン産女性アクション映画シリーズ《クレオパトラ・ウォン》その人である。IMDBによれば彼女の一枚看板である『They Call Her Creopatra Wong』はこの作品の後に公開(製作?)されていることからマリー・リーの代名詞であるこのキャラクターは当作より誕生した可能性がある。

            

  こういったバッタくさいタイトルの作品には今思えば貴重な作品が少なくない。見た目アメリカ映画でもフィリピン産だったり、香港アクションと銘打たれた作品がタイ映画だったりともうカオス状態!だからこそコレクターたちはこのビデオ・バブル期にリリースされた珍作を追い求めるのだろう。

            

これがオリジナル『AGENT X44』だ!

2009年02月03日 | フィリピン映画

 前回紹介した『AGENT X44』(07)は、ゲスト出演しているトニー・フェラーの人気スパイ・アクション映画『AGENT X44』(またはトニー・ファルコン)シリーズのパロディだということを書いたが、実際どんな感じの作品なのか当時の新聞広告を見てみよう。だって現物が残ってないんだもん。

 
天下の映画データベース・IMDBで調べてみると、この『AGENT X44』シリーズはなんと1965年の第一作に始まり1980年までに計15本も製作されていた。アジアで作られたスパイ活劇のほとんどが60年代一杯で終わりを告げているのに、これはすごい事である。軽快なスパイものからハードなアクション映画へと途中で変化したのだろうか?
 以下が『AGENT X44』(トニー・ファルコン)シリーズのリストだ。

●INTERPOL:HADLANG SA MANLULPIG (1965)
●G-2 (1965)
●CONTRA SENAS (1965)
●MASTERMIND (1965)
●DEADLINE AGOSTO 13 (1966)
●TRAPPED (1966)
●BLACKMAIL (1966)
●SABOTAGE (1966)
●SOLO FIGHT (1967)
●THE SPECIALISTS (1968)
●INFILTRATORS (1969)
●CRISIS (1970)
●SECRET WITNESS (1972)
●LAST TARGET (1978)
●ANG AGILA AT ANG FALCON (1980)

   
     
      
       
 また、あのYOUTUBEにはこのシリーズの一つである『SABOTAGE』の動画が一部分ではあるが投稿されていた。この動画を観る限りではまぁ、よくある擬似ジェームズ・ボンド映画なのかな?と思う。ビキニタイプの衣装を着た女殺し屋集団が出てきたし。そういえば彼、パロディ版でも白いスーツきてたな。定番なのか?う~んもっと詳しいことが知りたいぞ!
 この映画、すごく面白そうなので誰か全編アップしてくれないだろうか?

 


底抜けスパイ大作戦 『AGENT X44』

2009年02月02日 | フィリピン映画
 今回の紹介作品はフィリピン産スパイ・アクション・コメディの『AGENT X44』 (07)です。

 スパイ養成学校の落ちこぼれ生徒の主人公・キングはある日、国立博物館から宝刀を盗まれたとの知らせを受け、有能な卒業生は他の任務で出払っている為、本部より宝刀奪還の命令を受ける。数々の失敗を繰り返しながらも調査を進めるうちに事件の背後には巨大な犯罪組織が動いていることを突き止める。果たしてキングは見事事件を解決して一流のエージェントになれるのであろうか…?


          

          

『オースチン・パワーズ』シリーズのヒットにより、世界中にスパイ・コメディ映画ブームの波が押し寄せ、流れ流れてフィリピンまで到着したって感じ。
 「どーせフィリピン映画だから安っぽいんだろ?」とタカをくくっている諸君。そんな事は全然なく、タガログ語のギャグに目をつぶれば意外としっかりした作りになっていて、何も考えずに楽しめる。コメディあり、ガン・アクションあり、お色気あり、そして格闘アクションありと近年の娯楽映画の要素はバッチリ揃っているのだ。

 この世界標準的作りはここ最近の非ハリウッド娯楽映画ではあたりまえで、よその国の劣った(映画製作面で)部分を見て笑い飛ばそうなどという邪な考えは失礼である。とはいっても見る人が見れば劣っているんだろうけど…。

          

          

 この作品、ただのスパイ・コメディだと最近まで思っていたのだが、実は、60年代にフィリピンで人気を博したスパイ・アクション映画『AGENT X44』シリーズのパロディであるという事が分かった。
 主演は日本でも第一次クンフー映画ブームの頃に公開された『激突!ドラゴン 稲妻の対決』(73)のトニー・フェラー。当パロディ版では主人公を励ます伝説の名エージェント、トニー・ファルコンというなかなかカッコいい役で登場する。このトニー・ファルコンという役名も当時のままなんですがね。

 韓国でもレトロテイストあふれた『タチマワ・リー』(08)があるし、日本でも何かこういったレトロ調の、大予算を掛けたスパイ・アクション映画を是非撮ってもらいたいものだ。小規模上映された『0093女王陛下の草刈正雄』(07)だけじゃあまりにも寂しいではないか!

          
          ●彼がトニー・フェラーです

戦え!小さな勇者たち 『BATANG-X』

2008年11月21日 | フィリピン映画

 今回はフィリピン産コミックス・ヒーロー・ムービーの『BATANG-X』(95)を紹介。


  ある日、謎の女性科学者ドクター・アクシスの命により、フィリピン中から特殊技能を持つ4人の子供が拉致された。彼らは彼女の秘密研究所で改造・訓練され、スーパーパワーを操る特殊チーム・バタングXとして活動する事になる。彼らの任務は国の監視下にある超小型エネルギーを盗み出す事で、それぞれの能力を駆使して任務は成功かに思えたが突如、謎のパワードスーツに身を包んだ男に邪魔されてしまう。実はドクターはこの星の人間ではなく、超小型エネルギーを用いて研究所に隠されている宇宙船に乗って自分の星に帰ろうとしていたのだ。パワードスーツを着た男は同じ種族で、彼は超人的なパワーを用いて地球侵略を企んでいたのだった。動機はどうであれ、人並み以上の力を得た事に感謝している4人の子供たちはパワードスーツの男を倒す為、研究所で最後の対決をする…


 はい、モロに『X‐MEN』の影響を受けてますね。いや、メンバー全員が未成年というシチュエーションは『THE NEW MUTANTS』かな?アメコミの方からのパクリかと思っていたら、ちゃんとフィリピン・コミックスで原作があるのですな。最近も現地のTVドラマで『BATANG-X THE NEXT GENERATIONS』なるものが放映されていたりして何がオリジナルで何がイミテーションか分からなくなっちゃいます。

 でも、映画自体はそんなふざけている訳でもなく(タルいギャグが続くのでムカッとはするけど)、親子愛、母と子の愛情はきっちりと描いている所はフィリピン映画のお家芸だなぁ、と思った。観た動機は「チープなXメンのパクリが観たい」だったんですがね…

              

              

               

SF映画のグローバル化 『RESIKLO』

2008年04月25日 | フィリピン映画

 

 以前も書いたように映像技術の低コスト化が進むと、以前であればありえない地域から「なぜこんな映画が?」というような作品が出現する。
 特にSFX(今じゃVFXか)を駆使したSF映画なんかは欧米はともかく怪獣映画の伝統がある日本以外の国で製作されるなんて10年前じゃ考えもつかなかった(情報が入ってこなかった、というのもあるが)。ファンタジーはともかく欧米式のSF映画となると想像つかないでしょ?

 今回紹介するのは“アジアで最も西側に近い国”フィリピン製作のSF映画『RESIKLO』(07)だ。
 話は近未来の2021年の外宇宙からの侵略者との闘いにより興廃した地球が舞台。大事な家族を侵略者に殺された主人公は人類最後の砦である《パライソ》を守る為己の肉体や巨大人型兵器を駆使して闘うというもの。アニメなんかでは何十回と観たような話だが、実写映画だとまた違った新鮮さを感じる。一応この作品のテーマは《リサイクル》(タイトルはタガログ語読みか?)で荒れた地球環境を元に戻す研究をしている女科学者なんかがそのテーマに沿って登場したりしているのだが、ボンクラ映画好きとしてはやっぱり《ロボット》ですよ、見所は。本作のロボットの雰囲気としては『ザブングル』のウォーカーマシン、または『ロボジョクス』みたいな感じで侵略者側のロボットがヒューマノイド型なのと対になっているのが素敵である。

 フィリピン娯楽映画(ビックバジェット)の典型と言おうかこの作品でもハリウッド(や、その他の)映画の《引用》が多々見受けられられる。等身大の宇宙人兵士はまるで“プレデター”だし、侵略者のボスキャラはなんと巨大な“エイリアン”だった。ガンアクションはジョン・ウー的でロボット同士の格闘シーンは『トランスフォーマー』みたいである。…いや、別に悪口で行ってるんじゃないんですよ。微笑ましいなぁと思って。
 監督やスタッフが「オレはこういう画が撮りたい!」とばかりに自分の好きなものを全部取り入れちゃって、観客の側からすればなんだかよく分からない映画になってるぞ、てな感じ。おかげで話のキーマンである瞬間移動ができる少女が中盤になってその技を見せて「なんで今頃?」と思わせたり、眼の見えないコミューン内の女性が出てくるんですけど、最後ら辺でいきなり強いところを見せたりと
「もうちょっと前にそういう事言ってくれませんか?」
と思うくらい説明が足りない。
すべてはカッコいい画作りのためか?!

 何だかんだ言っても、こういう映画が撮れるフィリピン映画界は正直うらやましい!こういう話はロボットアニメ先進国である日本が撮るべきじゃないのか?韓国なんかじゃ『テコンV』を実写でやるとかいう話だし、日本もロボットアニメの実写化をするべきだ(鉄人はコケたけど)。
マジンガーだ、ゲッターだ!弾は何発でもあるぜ!!

              
           
  
           
   
           
 
           


フィリピン版『X-MEN』?! 『SUPER NOYPI』

2007年08月20日 | フィリピン映画

 盆休みも終わり、当たり前の日常に戻った今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか?私は環境の変化に対応しきれずちょっと戸惑っております。無職生活が長かったからなぁ…

 本日は『ジャジャ・ザトゥーナ』VCD購入時に同時に注文した、フィリピンの若手俳優が『X-MEN』ばりのSci-Fiアクションに挑戦した『SUPER NOYPI』(06)を紹介したい。いや、特に深い意味はないんだけど。

               

 2075年のマニラでは独裁者ディエゴによる恐怖政治により正義のレジスタンスと政府軍との闘争が続いていた。レジスタンスの若き女戦士・リアは父親の製作したタイムマシンでディエゴがスーパーパワーに目覚め、フィリピンを悪の手から守っていたスーパーヒーロー集団が壊滅する時代のポイントとなる2006年に歴史を修正する為旅立つ。

 リアがたどり着いたのはスーパーヒーロー集団を親に持つ青年ロレンツォの家。親たちがヒーローであることを知らない彼はごく平凡に生きていたが、リアが出現したことにより運命が急展開する。この時代のディエゴの放った部下たちが、亡き者とせんがために弟や恋人、そして友人たちを襲撃したのだ。リアは彼らを必死で守ろうとするが個人の力には限界がある。そして最大のピンチを迎えたとき、眠っていた彼らのスーパーパワーが突然開花し、何とかその場を切り抜けることができたのだった。

 リアからすべての事を聞かされたロレンツォたち一行は果たしてディエゴを倒し、彼のアジトに囚われの身となっている両親たちを救うことができるのであろうか…?

               

 どう?なかなか良さげな感じでしょ?ワイヤーやVFXをバンバンに使ったアクションシーンなんかはここ数年のハリウッド映画と遜色ないし、ストーリー自体もそう破綻してないので英語吹替で公開されたらモロハリウッド超大作!な雰囲気だ。それだけ世界の映画界はグローバルスタンダート化されてきたということか。

 しかし、これだけ膨大な予算を掛けて鳴り物入りで公開されたにも拘らず、興行成績は芳しくなかったようである。やっぱりそうでしょう。アメリカンナイズされた自国の映画なんて何だか違和感あるもんね。どこかかしら郷土色がないと安心出来ないんじゃないかと思いますよ。

 それにこれが最大の敗因じゃないかと個人的には思ってるんだけど、予告編が5分以上あって劇中のオイシイ場面は全部見せちゃってるんですよ、これが。フィルムマーケット用ならいざ知らず、これをフィリピンの劇場で流しちゃったら本編観る気失せますよ。

               
                              

やっと『ジャジャ・ザトゥーナ』観たぜッ!

2007年07月10日 | フィリピン映画
 前回「早く観てぇ~!」と書いた『ジャジャ・ザトゥーナ』をついに購入しました!

 脳内評価では大傑作のこの作品、実際はどうか?とちょっと心配したのだが、そんな不安も何のその!開巻早々の傘を使ってのミュージカルシーンから私のハートをグイっと掴み、主人公のオカマちゃんエイダが“ザトゥーナ”と書かれた宇宙からの飛来物を手にした所から興奮度がもうフルスロットル!そして見せ場である我らが(って、あれ…?)クイーン・フェミナさま率いるアマゾニスタ軍団との手に汗握る闘いにもうどうにでもしてぇ~!!、なのだ。

              

 しかし、こういったSF・ホラー系のネタを扱ったミュージカル映画って結構カルトムービーとして残るよね。有名な所で言えば『ロッキー・ホラー・ショー』や『ファントム・オブ・パラダイス』、マイナーどころでは『キャプテン・ザ・ヒーロー』とかね。

              
              
              
              

 その流れで言えばこの『ジャジャ~』も将来、カルトムービーとして人々に語り継がれるかもしれない。とは言っても今の所フィリピン国内でしか公開されてない(と思う)のでどれだけ世間に知れ渡るかが問題なのだが…

                 

絶対観たいッ!『ジャジャ・ザトゥーナ』

2007年06月14日 | フィリピン映画

 最近は面白そうな非ハリウッド娯楽映画の新作を入手することが少なくなってきている。実際問題観たい作品は現地ではソフト化されてはいるのだが、諸先輩方々みたいに現地のショップから購入するという事を出来ない故、確実に入手できるまで待っている状態なのだ。あと、金銭の問題もね。

 去年公開されたフィリピン映画に『ジャジャ・ザトゥーナ』という作品があって、予告編をYOU TUBEで観たのだがこれがムチャクチャ面白そうなのだ!

                            

 気の優しいオカマちゃんが宇宙から飛来した不思議な鉱物によりスーパーヒロインになる力を得て、地球侵略を狙う美女異性人軍団と戦うという内容で、VFXあり、コメディあり、ミュージカルありととにかく楽しそうなのだ。

              

 原作は同名のコミックスで、その内容からカルト的な人気を博し、最初はミュージカル化されそして映画になったとの事。

 あぁ~早く観てぇ!! 予告編はここ